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リープ・ダイアリー

作者: 澄也 裕佳

 ――それはノートだった。

 何気もなく落ちていたノートを拾い上げ、開いてみる。表紙裏は黒く塗りつぶされておりその上から『輪廻の正解β』とボールペンの様なもので書かれている。

 ただの落書きだとは思えなかった。何か見覚えのある様な、そして見なくてはいけない様な気がした。


 帰宅して俺は自室に籠り、ノートを読んでいた。拾った時から気になってはいたがこのノート、表紙裏の文字以外に手書きと思える文字が一切ない。

 一度別のノートに書いたものをわざわざコピーしてこのノートに貼り付けたようだ。

 そして一番気になる内容なのだがこのノート、恐らく日記だ。しかし内容が通常の日記とはかけ離れている。

 日付はなく、人名も一切出てこなかった。出てくるのは謎の数字の羅列と数字の運命。

 人名を数字で表したのだろうという事だけが辛うじて分かる。


 『ここを黒く塗りつぶしてその上に文字を書く事は出来るか?』

 ――ふと、聞きなれた声がした。

 気のせいではない。確かに聞いた。聞き間違えでもなく、この耳は覚えている。声の主も分かった。しかし思い出せない。それが疑問という形になって表れる。

 ――誰に語り掛けている?

 いや、そもそもこのノートは誰が"置いた"ものなのだろう。心の何処かでそれを知っている自分に対して、確かにそこにある記憶は今もうすでにこの世には無いと言っている様な気がした。


 不意に問いかける――お前は誰だと。

 答えが返って来るはずもなく記憶だけが木霊した。やはり、俺は知っている。そしてこの日記はもう一冊存在するはずだ。

 あれだけ無念に思ったのだ。忘れるわけがない――忘れない為にそうしたはずなのだから。

 確かに俺は二度彼らを見捨てた。そして――


 結局俺は分かるはずも、あるはずもない記憶を断定付けた。

 まだ思い出せていない事が山ほどあり、そしてそれはどうしても思い出すことが出来ないというのは分かってはいた。

 ――しかし

 これから起こる悲惨で残酷なことを、俺はもう既に知っているはずだ。いや、知っていなくてはならなかった。

 ――その為に俺はこの日記を書いたのだから。

こんな出だしでこの終わりですが、これで一つの物語となっています。

一応細かな設定があるのですがタイトルで察して下さい…

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― 新着の感想 ―
[良い点] 謎が解けない部分もありますが、設定に関してはなんとなくわかりました。 つまり……タイトルにあるとおりですよね? なるほど、良いアイデアですね。 解けない部分も、もうちょっと謎解きしてみよ…
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