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第八任務部隊

最初に前の投稿でオレンジ計画と書きましたが米軍に関する本を読んでたらこの呼称は年代的に古いというのがわかりました。

元々のオレンジ計画は主に米陸軍の反対があり初期案は白紙となり、改定案が出されましたが反対は収まらず、38年にさらに調整し直しましたが中途半端な計画になったそうです。

ですが、ナチスの存在によりオレンジ計画のように国別で決められた防衛計画を全て廃止して統合防衛計画[レインボー計画]が作られました。

内容は同盟国との連携を基本にした多方面戦略で、様々な案が出されて選ばれたのは二正面作戦を取りつつ英仏の勝利を重視する[レインボー5]という案です。どちらかと言えば対独戦線を重視していて廃止されたハズのオレンジ計画はなんと対日戦略の基本となり[レインボー5]の一部になったそうです。

なので正確にはオレンジ計画ではなくレインボー5計画と記すのが正しいようです。

現在グアム・フィリピンに向かうのはノースカロライナ級二、サウスダコダ級四、アイオワ級六を主軸とする太平洋艦隊前衛艦隊。

グアムの救援のために速度を重視しているため速力の遅い旧式戦艦はまだ出撃していない。輸送船団が整い次第護衛として出撃することになっている。

太平洋に空母はこの時エンタープライズ、レキシントン、サラトガの三隻。エンタープライズはウェーク島から真珠湾へ帰港中。

レキシントン はミッドウェーに向かっていた。

サラトガは整備のためドックの中。

開戦するとレキシントンは反転、前衛艦隊護衛のために合流海域に向かい、エンタープライズを含む第八任務部隊を指揮していたウィリアム・ハルゼー・ジュニアは太平洋艦隊司令部の命令により前衛艦隊よりも先にグアム救援に向かっていた。


「ジャップめ、やってくれる」


葉巻を手に持ち呟く。


「布告と同時に多方面奇襲攻撃。こちらは不意を突かれたが同じ手は食わんぞ」


とは言ったものの艦載機は少ない。どうやって戦っていいものか

そんなことを考えていると通信兵が艦橋に駆け込んできた。


「た、大変です!」


「どうした?」


「太平洋艦隊司令部より入電ですッ!ミッドウェーから南下していた空母レキシントンが空襲を受けて撃沈されましたッ!」


「なんだとッ!?」


思わず葉巻を握り潰してしまうハルゼー。

まずい、これでは前衛艦隊が空襲に晒される。

こうなったら仕方がない。


「艦長。反転だ第八任務部隊はこれより沈んだレキシントンに代わり艦隊護衛の任に付く」


「しかしハルゼー司令、それではグアム救援が」


「前衛艦隊が空襲を受けたらそれこそ救援どころではないッジャップは恐らく戦艦による決戦の前に艦載機による攻撃を仕掛けてくるそれを防がねばならん」


戦艦の保有数から言えば米国が多い。しかも四十センチ砲搭載艦が十隻以上。対して日本は長門、陸奥を入れて五隻。

四十六センチ砲搭載艦が四隻あるがまだ二隻が完成していない。

この差を埋めるには決戦前に航空機や潜水艦、水雷戦隊による攻撃で米艦隊の戦力を削るという漸減撃滅戦法が誕生した。


「わかりました。全部隊を反転させ艦隊護衛に向かいます」


こうして第八任務部隊は前衛艦隊護衛のために進路を変更したのであった。

この変更が実はエンタープライズを救うこととなる。

なぜならこのままグアムに向かっていたらウェーク島攻略に向かっていた空母龍驤など軽空母三隻を含む艦隊の索敵機に見つかっていた。

もし見つからなくても潜水艦に発見されるか、マリアナ諸島の日本軍機によって沈められることとなる。


「司令ッ!太平洋艦隊司令部より緊急連絡です!!」


通信兵が大慌てで再び駆け込んできた。

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