強すぎませんか?聖女様
割と思いつきで書いた作品です。暖かく読んで下さいね?誤字脱字などがあれば教えて下さい!
世界を滅ぼそうと企む魔王の手によって人類は窮地に立たされていた。これはそんな世界を救った聖女と勇者のお話である。
「君は神託により勇者に選ばれたのだ!」
「えっ?僕が勇者ですか!!」
ある日農家である僕の家に教会の使者の方が来て僕にそう告げた
僕は農民でありながら神託により勇者に選ばれたのだ。その期待に応えるため僕は毎日過酷な特訓をこなした。朝も昼も夜も、悲しい日も苦しい日も嬉しい日も、毎日魔法と剣の修業に明け暮れてついに17歳の旅立ちの日を迎えた。
聖剣と聖具を渡され、法皇様と国王様から激励のお言葉を頂く。そして共に旅をしてくださる聖女様との初めての対面となった。。
「せっ聖女様!よろしくお願いしまふっ!」
僕は緊張のあまり噛んでしまうだけでなくなんと90度に頭を下げてしまった、これでは告白のようじゃないか!?しかも言葉が全然足りてない!・・・やっちまったぁぁぁぁ
「はい。よろしくお願いしますね」
!!聖女様はなんと僕の失敗を咎めることもせずに優しく微笑んでくれた。聖女様かっ可愛い!!
旅にでると聖女様はとても素晴らしいお方だと改めて実感した。美しいし勇者とは言えただの農民である僕に対しても優しくしてくださるし気遣いも出来る、しかも民からの信頼も厚い本当に絵に描いたようで聖女と呼ぶに相応しいお方だった。聖女様はもっと手の届かない遥か遠くの方だと思っていたのになんて気さくな方だ!僕にもこんな美しいし彼女がいたらなぁ~・・・はっ!?ダメだダメだ!僕は勇者で相手は聖女様こんな事を考えてちゃいけない!
そんなある日だった。寄った町で依頼されたコボルトの群れを狩る依頼を草原でこなし終えて、その場で聖女様に回復して貰っているとなんと空間を割るように魔族が突如現れた。
「フハハハハ貴様が勇者だな、聞け!我こそは魔王様に使える四天王が1人!バザークだ!」
「なんだって!!」
よく見ればこの魔族空間魔法を使ったことからも分かるがかなり高位の者のようだ。その体から溢れる覇気や威風堂々とした態度、魔族の強さを表すとされる翼の六枚と言う数からもまさに四天王に相応しい相手だった。
「くっ、四天王めっ受けろライトニング!」
僕は先制攻撃を加えるべく今使える最も威力の高い魔法である雷の中位属性魔法であるライトニングをかなりの魔力を込めて撃ちこんだ。間違いなく僕が今まで使った中で最も威力の高い魔法だった。
「クククッ無駄無駄ぁ!!」
「なにっ!?」
ライトニングはダメージを与えるどころか直撃にもかかわらず全く効いていなかった。ならば!
「十字斬り!」
十字架には聖の意味が含まれているらしく、剣などで魔族に十字状に斬ると威力が上がるらしい。
「くぅぅぅっ!」
「効いたか!」
「勇者さん!油断しないで!」
剣が振り切られている今の状態で攻撃されてはたまらないので一度距離をとった。
「フフフフフ」
「何が可笑しい!?」
「フハハハハハハハハ本当にあんな攻撃が私に通用するとでも?」
バザークは本当に可笑しそうにそう言った。
「!!」
聖剣の効果と十字斬りの攻撃で斬撃の威力は最低でも3倍になっているはずだ。この強さの敵の四天王がまだ他にいるというのか!?僕は本当に勇者としてやっていけるのだろうか・・・こうなったら・・あれを使うしか
「やるしかない!聖剣解放!いくぞぉぉ!!」
聖剣の力を今解放できる最大まで解放して、全ての魔力を注ぎ一気に畳み掛ける、これが今できる僕にとっての最高の攻撃!
「ぐっ」
「聖王技・魔破一閃!」
バザークの体に聖剣を横に一閃した。
僕の技の風圧によって舞った砂埃の中からは装備が傷付いただけでほとんど無傷のバザークがいた。
「クク今のは効いたぞ」
「そんっ・・なぁ」
僕は片膝を地面についた。魔力も体力ももう限界に近く意識を繋げるだけで精一杯だ・・・なさけない、こんなんじゃ魔王を倒すなんてできない。せめて民の希望である聖女様だけは逃がさなくては!僕は最後の力を振り絞り立ち上がる。
「聖女様!!時間は稼ぎます、だから民達の希望である貴女だけでも逃げて下さい!」
「アハハハハハ貴様如きがこの私を足止めすると?ハッとんだ冗談だ貴様も聖女もここで死ぬ、魔王様が恐れるあの勇者がこの程度の者だったのは拍子抜けだがな、まぁ一流の魔族である私に人間などが勝てるはずもないが三流な勇者様」
・・・たしかに何も言い返せない。たしかに僕が万全の状態でもバザークの足止めすら無理だろう。勇者としても一人の女性も守れない男としても俺は三流だ・・・
「黙りなさい!」
「ムッ?」
「力に溺れ弱者を虐げる事しかできない貴方と民を救おうと努力し強大な悪に立ち向おうとする勇者さん、どちらが三流かなど言うまでなく明らかです!」
聖女様・・・その気持ちはとても嬉しいだけどそんな事を言っては!
「フフフフ聖女、いや下等な人間の女よ、貴様は余程私を怒らせたいようだな・・・・死ね!」
思った通りだ、このままでは!クソっ僕じゃ間に合わない!!
「聖女様ぁぁぁぁ!!」
ガッ!!
草原に鈍い音が響いた。
「へっ?」
「バッバカな!!!」
僕の声とバザークの声が重なる、広がっていた光景は僕の想像したバザークが聖女様を殺してしまうという景色ではなく聖女様がその細い腕でバザークの拳を受け止めている姿だった。
「本当は使いたくありませんでしたが仕方ありません」
聖女様がバザークをそのまま・・・宙に投げた!?
「んなぁぁぁ!!」
「えぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
不本意ながらまたバザークと声が重なってしまった。女性の中でも小柄な聖女様が6枚もの翼を持つ魔族の大男を振り回し投げる姿はまるで小さかった頃に一度だけ王都で見たコメディのようだ・・・・
「アハハハハ」
そんな勇者の乾いた声は風に流された・・・・・って現実逃避してる場合じゃない
「あっあの聖女様?そっそっそっそこまでにしては!?」
いけない声が裏返ってしまった。なぜ四天王を追い詰める聖女様を止めたかって?余りに一方的だったのでバザークが可哀想になったんですよガクガクブルブル
「?分かりました。勇者さんがそう言うなら」
そう和やかに言うがバザークはこの有様だ・・・
「あ・・うぇぇ・・がぁうぁぁ」
一時間後、聖女様と僕の目の前には正座したバザークがいる
「────大体ですね!貴方には────」
「───申し訳ありません。申し訳ありません。申し訳ありません──」
ボロボロになった高位の魔族が正座して小柄な聖女様に頭を下げている様はとてもシュールだ。たしかにバザークは間違いなく倒すべき悪だが本当に気の毒に思えてきた。
「───本当に貴方を──」
「──申し訳ありません。申し訳ありません。──」
そして僕が今回の出来事で学んだ事は一つ、聖女様は絶対に怒らせてはいけないと言う事だ。
バザークは 悟りを 開いた!
バザークは 四天王から キレイな バザークに クラスアップした!
バザークが 仲間に なった!
それから一ヶ月、魔王城前
あれから一ヶ月、僕達は快進撃を続けた。バザークを含める四天王や戦った魔物達全てを聖女様は圧倒的な暴力・・・・ではない!断じて違う!愛と優しさで説得し城につく頃には善なる魔物と魔族の大軍勢が出来ていた。あれ?可笑しいな、聖女様と僕の少数先鋭で魔王を倒すはずだったんだけど・・・まぁそれは置いておこう。とにかく魔王城についた!
「皆!ついに魔王城についた!世界を闇で包もうと企む魔王を倒し世界を善なる光で包もう!!」
『「・・・・・・・・・・」』
「皆さん!魔王を倒し、世界を平和にしましょう!」
『「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!」』
あれ?僕っていらなかったんじゃ・・・おかしいな眼から汁が・・・・とっとにかく魔王城攻略開始だ!
まず四天王の三人が率いる軍勢が魔王城全体を取り囲み残った軍勢をバザークが指揮し魔王城内部を制圧する、魔王城の兵士は優秀だがこちらの三分の一もいないので軍略など全く知らない僕と聖女様が考えた単純な作戦で大丈夫な筈だ。それに軍を率いるのはいずれも将としての経験が深い元四天王達だ。任せて大丈夫だろう
「ハァァァ!ハッ!」
僕が敵を斬るその隣では・・・・・・聖女様が無双していた
「やあっ!はぁえいっ!」
この前四天王を倒した時に手に入れた魔道書を振り回して何十と言う兵を吹き飛ばす。その可愛らしい容姿と掛け声からは想像できない圧倒的な力だ。途中の別れ道でバザーク達と分かれた。「聖女様!必ず貴方様に良い戦果をお知らせしましょう!」といっていたので心配は無用だろう。敵をなぎ倒しながら前へと進む
「クククよくぞここまでたどり着けましたね、私めは魔王様の右腕、智のベネルス!さぁ王の間へと行きたければ私を倒しなさい!」
「勇者さん!ここは私が引き受けます!先に行って下さい!」
「分かりました!」
「フフフフ逃がすとお思いですか・・・ぐぼぉぉぉ!」
何か音が聞こえたが気にしない
「うがぁぁぁぁ、げがぁっ!うなぁぁぁぁぁ!!!」
気にしないったら気にしない
「がぐぁああ!げぼぉぁぁぁぁぁぁぁ」
気にしないったら気にしないったら気にしない
「ここが王の間か・・・」
巨大な扉からは渦々しく邪悪な魔力が流れ出している。扉は隅々まで黒く頑丈な鉄でできており匠の技を思わせる過度すぎない装飾などからまるで扉は絶対に破れないと主張しているように感じた。僕がどう扉を開けようかと考えたその時扉が自ら動きだした。
僕は王の間の真ん中まで歩みを進める。王の間は黒を貴重に美しい装飾が施され人間のものの何倍もある広さをしている。その奥の真ん中には巨大な玉座と黒く大きな人影が一つ。
「お前が魔王か!」
「いかにも、我が魔王だ、貴様も中々やるようだな四天王やその配下の魔物達まで手懐けるとは」
「いやぁ、実は四天王を倒したのも仲間に引き入れたのも全部聖女様なんです(笑)」とは言えない。この場面でそれは流石に言えないここでそんな事を言うのはKYと言うものだ
「あぁ、仲間の助けがあったこそだがな」
ちなみに嘘はついていない。真実も言ってないが
「フッフッフ面白いぞっ!人間っ!!!」
「っ!」
空気が震えるのを感じる。やはり今までの敵とは格が違う!
「いくぞ!!」
「ハァァァ!!!」
ここで僕と魔王が激突し死闘を繰り広げる、筈だったのだ。そう筈だった。
「ぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「・・・・」
眼前には巨大な穴が空いて崩壊した玉座と血だらけになり倒れる魔王、そしてその顔に華麗なドロップキックを仕掛けた聖女様がいた。
「勇者さん!巨大な魔力の集まりを確認したので勇者さんにもしもの事があったらと思い駆けつけました」
「・・・・・はい」
強い強いとは思っていましたが魔王をワンパンするとは思いませんでした・・・・・・・強すぎませんか?聖女様
その後、勇者さんに惚れた聖女様が告白、勇者さんは二つ返事でOKを二人はラブラブのカップルになったとか。魔神や邪神が復活したもののこちらも聖女様がワンパンで倒したそうです
勇者さん
神託に選ばれし勇者。人間にして圧倒的な戦闘能力と魔力をもち性格も良くてイケメンと言うまさに主人公を絵に書いたような奴。基本なんでもこなせるし聖女のチートっぷりで隠れがちだが一人でも魔王討伐ができる位には強かった。
聖女様
神の言葉を民に伝え人々を導く女性。回復魔法を得意としているがその本当の強さはその圧倒的な力にある。戦いになれば神々すら倒し得る力の持ち主




