やめよう、ながらスマホと無関心
冗談にも色々ありますが、あまりひどい冗談は冗談ではすまなくなります。
適度なジョークで楽しみましょう。
エイプリルフールも、嘘をついていい。というのではなく、ジョークを言おうぜ! という日にすればいいんじゃないかな?
俺は冗談が嫌いだ。
小学生の頃、冗談に乗せられて死にかけたことがある。
学校近くに流れる川に架かる橋。けっこうな高さがあるんだが、その橋から川へ飛び込んだら願いが叶う。という冗談を真に受けた俺は、本当に飛び込んだ。
飛び込んだ俺は、見事に岩にぶち当たり、全治一ヶ月という重症を負った。当然、俺をそそのかした連中は親や教師に大目玉を喰らい、土下座をさせられて俺に謝った。冗談を真に受ける俺も俺だが……。
そんなわけで、俺は冗談が大っ嫌いだ。
そんな俺でも、今、目の前で起きてることについては、冗談だと思いたい。というか冗談だと言ってくれ、頼むから。
そこには、片手剣を持つ少女と、覆面の忍者みたいな格好の男が戦いを繰り広げていた。それも地下鉄で。
「――! ――っ!」
しかも、英語でもフランス語でもイタリア語でもない――英語以外は聞いても分からないが――、謎の言語を操る奇妙なコスプレ男女である。
「――、――!」
ガキン、キィーン、ジャリン! と、擬音で表現すればまさにこんな感じで、白熱のバトルが繰り広げられている。
ただ一つ不思議に思うのは、周りを見渡すと、コスプレバトルを気にする人が誰もいないということ。学生、サラリーマン、紳士淑女まで、誰一人全く関心すらない。こんな非日常な光景があれば、挙ってSNSに写真やら動画をアップするだろうに、スマホを見ながら歩く人はいても、写真や動画を撮ろうとする人はいない。
しまいには駅員すら、注意するどころか見て見ぬふり。
お前はイギリスの近衛兵か!
幸い離れたところでやっているので被害はなさそうだが、もし人に当たったら大変――!!
そんなことを考えていると、ハッキリと、少女の片手剣が女性を斬るところを見てしまった。思わず目を背ける。……が、悲鳴の一つも聞こえない。恐る恐る目を開けると、そこには無残な女性の死体――などあるわけもなかった。
「あれ?」
相変わらずコスプレバトルは続いている。
いや、今あの片手剣で女性を斬ったよな? あれ?
……疲れているのかな? そうだよな、テスト終わったばかりだし。秀臣、あなた疲れているのよ。
疲れのせいだと言い聞かせ、自分で自分を慰めると、電車に乗ろうと歩き出す。
世の中には訳の分からない事があるもんだな、ワイドショーのネタになりそうだ。
なんて考えてたら、大声が聞こえて、そちらを振り向く。
「――、~~!!」
「へ?」
目の前に、片手剣を持った銀髪ロングの可愛い女の子が飛んできた。
「ぐっふぅっ!」
俗に言うラッキースケベなどあるはずもなく、女の子に触れていい匂いして、やったぜ! などという甘いひと時を味わう余裕もなく、ぶつかった勢いで地下鉄のコンクリート柱にもぶつかり、息が止まる。わりと辛い、苦しい。どうせなら抱き留めておっぱい揉んじゃうぐらいの幸運欲しかった。その後で殺されそうだけど。
「――! ~~!」
何か言いたげだで、必死さは伝わるが、言葉の壁で伝わらない。そして俺は、少女の肩越しに火の玉。むしろ炎の塊が飛んでくるのを見てパニック寸前だった。
「おい! 火が、火! ファイヤー! ボーボー!」
などと意味不明な言葉を混じえながら指さして言うと、言葉が伝わったのかジェスチャーが伝わったのか、少女が振り向く。
「――、――!」
なにか言いながら、少女は俺を抱きしめる。
「へ?」
炎の塊は、少女の背中に直撃した。
初めて本格的になろうで書きます。
おそらく同じジャンルというか、嗜好の作品は数多いと思います。
その中で、光る作品になるよう、頑張ってみます。
これから何話続くのか分かりませんが、よろしくお願いします。




