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同士討血


「やっぱり次に行く旅行先は佐世保だよね!みんな、NEW水着を用意しようね!」

「のんちゃんは水着がないです。ミムラさん、買い物に付き合って欲しいです」

「わ、私もないのよ!ミムラ!広嶋様を悩殺できる水着の選考もしなければ…………」

「あんた達、はしゃぎすぎよ。まずは旅費の計算と何するか念入りに決めないとね。海は決定だけど」



東京のとある場所に存在するレトロな雰囲気を作り出している喫茶店。

奥の客席ではお店には似合わない大学生以下の若い女性達による旅行会議が行われていた。この喫茶店にいる7人は意志を合わせている仲間であった。その7人の中にいる女子会だった。

とてつもない存在達が、暢気で平和な事を語りだしている。旅行という行楽はそれほどである。


「いやぁ、仲が良くて助かるね」

「ふざけんな。ピーピーうるせぇだけだ」

「あいつ等には、…………あれが良い」


女子会が行われているという事は必然的に男子会と呼ばれるものも起きる。

カウンター席に座る野球帽を被って左目が髪で隠れた青年に、独特なテンポで話す男。この店のマスターも務める白髪を持った年老いているシェフの3人での男子会。

マスターの1人を除けば非常に若いメンバー構成。女子の中には幼女もいるため、6人の平均年齢は10代になるかもしれない。



「俺達は、…………ただこうして時間が過ぎることを望んでいるだろう?広嶋、……違うか?」

「うるせぇのは望んでいないぜ、藤砂」



7人は仲間であると同時にお互いを抑え合う同士でもあった。

1人1人が圧倒的な能力を有しており、それらを仲間という形で抑え合い、そして楽しく生活をしている。



「面白いものだよ」

「なにがだ?」



マスターは広嶋と藤砂にコーヒーを提供しながら、自分達の存在を確認するように伝えた。



「私達は、1人で世界そのものを潰す器の持ち主。それがこうして仲良く集まって、旅行先を決めているなんてね。考えられないものだよ」


広嶋と藤砂はほぼ同時にコーヒーを少し飲んでから、


「俺は1人で生きていく気はねぇ。野球をしてぇからな」

「争いはそこまで嫌いではない、…………しかし、灯も仲間も失うのは嫌なんだよ」


お互い、こうして平和を願っている理由は違う。しかし、根本は皆同じだろう。


「だいたい、俺達は世界を全て支配する能力じゃない。世界そのものをぶっ潰すだけだぞ、アシズム(マスターの名前)」

「ああ。そうだね」

「俺がその気になればお前等なんざ消せる。だが、それでその後に俺は何をすれば良いんだよ?平和主義者じゃない、戦争屋じゃない。こーしてコーヒー飲んでる人間をやってるだけだ」



広嶋の理由はこのメンバーの大半に当てはまる。各々持っている力は所詮、力としか考えていない。

こんな力がなければ良かったと思っている奴は1人もいない。しかし、その力をどう使うか他者には介入して欲しくはない。



「世界終了ボタン、…………というお話がある」

「ほう。どーゆうお話なんだ藤砂」

「青年はある時、神様から世界を終わらせられるボタンをもらうんだ、…………当初は半信半疑であったが、神様の言葉を信じボタンを利用して国を乗っ取り、総理大臣になり世界を動かすほどの権力を持つほど出世するんだ」

「浪漫溢れる夢物語だ」

「だが、総理大臣時代にテロリスト達に襲撃され、…………誤ってボタンを押してしまうんだ」

「お、怖いねぇ。結果はどうなったんだ?」

「結局何も起こらずテロリストに射殺されたのだが、…………総理大臣を失った国はもちろん、世界のトップでもあった彼が消えたことで世界は結局混乱のまま。神様の言葉通り、世界は終わってしまうという物語だ。神様は青年を爆弾にしてしまうきっかけを作っただけという」



くだらねぇー話だと言いたげな顔をする広嶋と、真剣に聞いてしまったアシズムには差があった。

藤砂の言いたい事と広嶋の言いたい事は違う。

それと同じように彼等が力を振り翳さない理由は個人個人違う。


「藤砂、お前は総理大臣じゃないだろ」

「そうだが、…………言いたいのはそれを手にして本当に押すかという事だ。俺達は間違えさえしなければ決してそーいった事はしない。滅ぶ先に何がある?1人で世界に佇んでいるのは望まない」

「考え方は違うが答えは同じか……。まったく、ちゃんと言えよ」



くだらない話をするなと言いたげな表情を出す広嶋の事を知っていながらも、声を掛ける黒色ツインテールの女子大学生。

仲間の沖ミムラが広嶋の肩を叩きながら誘った。


「広嶋くんも藤砂さんも一緒に佐世保に行かない?みんなで行こうよ!」



………あれ?聞き間違いか?アシズムの名前がなかった気がする。



「興味ねぇよ」

「佐世保か、…………悪くないが。都合が合えばな」

「なんだかテンションが低いですよ、2人共!」

「お前を見ると、ゴキブリを見てる気分なんだよ」

「可憐なツインテールを持っている私に、なんて卑劣な言葉を吐くの広嶋くん!私泣いちゃうよ!」


仲間内のムードメーカーのような存在を見せる彼女もまた、そう外見は見えなくても世界をたった一人で滅ぼせる実力者。普段は馬鹿で明るい奴だと広嶋は思っているから、虐めて面白い。



沖ミムラ

スタイル:超能力 + 超人

スタイル名:天運

詳細:

なんだかよく分からないが、とにかく桁外れで神をも超えた運の持ち主であると同時に本人も理解できていない謎の力も発動する。加えて、人間を超越している身体能力も持ち合わせる。最強や無敵という類ではないが、誰も彼女に勝てないという存在。



広嶋の答えには反応しないが、金髪で狐のような細い目をした女性が藤砂を指差して、藤砂の言葉に反応してお願いというより命令を下す言葉を使った。

藤砂の彼女でもあり、彼女の彼が藤砂でもある。


「あんたは来るのよ、藤砂!私以外にも運転手が欲しいからね」

「ふぅ、…………灯が言うならしょうがないな」



山本灯

スタイル:超人

スタイル名:拳女王

詳細:

拳がただ強い。とてつもなくシンプル。拳がずば抜けて強いが、それ以外の身体能力も人間を超越している。拳に関して言えば、ビルを軽々壊し、山を平地に変え、温泉を掘り起こすといった人間どころかそこいらの兵器と引けをとらない破壊力を持っている。また技術力も超一流。



一方で広嶋の答えに反応した可憐で白いロリータファッションに身につけ、紫色の髪を持つ幼女がいた。彼女を見ているとなぜだか独占欲が沸いてくるほど、愛らしい姿をしている。


「ひ、広嶋さんも来てください!のんちゃんのお願いです!」

「嫌だよ。面倒くせぇ、ガキの面倒なんて………」

「ふ、ふぇぇ~ん、酷いです!のんちゃんは広嶋さんに喜んで欲しいと思っているだけなのにー」


こいつは虐めるとすぐに泣き出す。ミムラと違って、本心で泣いてしまうほどの泣き虫であるため、厄介だと思う。こんな愛らしい幼女は広嶋が心の中で恐れている奴の1人でもあった。


「あぁ~、うぜぇな。泣くんじゃねぇよ、この泣き虫!殺すぞ!」

「ふ、ふえぇっ…………えぅっ……」


のんちゃんは頑張って流している涙を止めようとする。のんちゃんものんちゃんで広嶋が苦手であるが、好きな人物だから彼の言葉を忠実に守ろうとしている。



名前:阿部のん

スタイル:魔術

スタイル名:独占

詳細:

あらゆる物を独占する能力。のんちゃんが望む物、全てを独占する。それは誰かが少しでも持っているだけでも許されず、のんちゃんが全てを手に入れなければいけない。



一方で、広嶋が行かないという発言を聞き、愕然としたかと思えばハンカチを口で契ろうとする女子高生(?)がいた。


「な、な、なぜですかーー!広嶋様ーー!」

「今度はお前かよ、裏切…………」

「わ、私と一緒に真夏の海できゃっきゃうふふです!藤砂と灯がするのなら、私と広嶋様でエロエロな海生活を過ごすのです!リア充共にはリア充共をです!!」

「俺は行かねぇよ」

「きーーっ!それでは、私はこいつ等2人のラブラブ旅行を眺めるだけになるのですよ!嫉妬だけが増える旅行になってしまいますわ!」



ミムラやのんちゃんよりも濃く、一度騒げば止まらない。ハンカチが真っ二つに切れてしまっても、またそのハンカチを咥える始末。嫉妬心がとても強いのが裏切京子だ。



「それからどうして私には辛辣な言葉を投げかけてくれないのです!?」

「お前、Mだから嫌なんだよ。つまんねぇ」

「ち、違います!私、広嶋様に触れられたり、弄られるととても興奮するだけですよ!!」

「それをMって分類しているんだよ」

「違います!広嶋様LOVEと脳内で解釈してください!さぁ!」



なんやかんやでまともな性格を持っているのは山本灯くらいであるが、灯は広嶋のことが嫌いである。

その消去法をすると、残念ながら広嶋の中ではミムラがマシという計算になる。

裏切ものんも、ただの一般人なら殺しているのかもしれない。しかし、相手は自分と同じ程度の力量を持っておりこのような輪を崩したくはないという気持ちも広嶋にはある。

人付き合い……いや、変人と子供の付き合いはとても大変だと思い知る。

そんな彼に助け舟を出したのはアシズムであった。



「まぁまぁミムラちゃん達。旅行先に向かうのも良いが、その前に本題を忘れちゃ困るな」

「ふぇ?」

「広嶋くんも、藤砂くんも、先にやるべきことがある。というか、さっき話したよね?君達もあるし……」



集まった七人はただ佐世保に行くためではない。当たり前だろう。なんで、単独で世界を滅ぼせる連中が佐世保に行くためだけで集まるんだ。佐世保には悪いが。

彼等が集まったのは他でもない。


「人間の想像が繫がっているこの宇宙。世界は広くて、君達と似た連中も多い。野放しにはできないだろう?急に日本が沈んじゃうかもしれないし」

「旅行中に、…………この地球が戦場になったら壊れかねない」



彼等、七人の目的はまだ出会っていない自分達と同格以上の者達の始末。もしくは勧誘である。

こーやって集まって暢気に旅行先を選べるほど、平穏でいたい。だが、世界が潰されるというのなら全力でそれを阻止する。



「現在、6人の確認ができている。広嶋くんは自らの立候補もあるけど、2人相手だからね。ちょっとピリピリしているから、落ち着いた話は今度でも良いじゃないかな?」

「別にピリピリしてねぇよ。本心で嫌だと言っているだけだ」

「まぁ、そう言わず。交流も大事だし、命と場所を守るのも大事なんだよね」



広嶋健吾

スタイル:超能力

スタイル名:同士討血 、 投手


スタイル詳細:同士討血

友達、家族、知人、種族、その他の人間関係を持つ者からの攻撃は絶対に効かない。またその関係をぶっ壊す事ができる。部品単位でも壊す事ができ、同じ物体や種類を同時に破壊する事ができる。



スタイル詳細:投手

色んな物を投げられ、自在にコントロールできる超人。



「そうだよね。広嶋くんは2人も相手にするんだもんね。手伝った方がいい?」

「ミムラとは二度と組まねぇよ。お前、味方になると本当に使えねぇ」

「ううぅっ………あんまり酷いこと言わないでよ」



出てきちゃ困ると言うわけじゃない。

ただ広嶋のルール内では自分の害となる奴等は殺すつもりでいる。手段が違えど、いつ、どこでも、人の世界をぶっ壊せるというのは危険でしかない。

広嶋はアシズムが入手した情報をミムラとのん、裏切に見せながら



「俺がこの2人に負けるとでも思っているのか?お前等の助けがいると思うのかよ?」



書かれている二人の名前と詳細は。



シィエラ・レイストル と ジャニー・立早であった。




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