第2話 思いっきりファンタジーやん
※なろうコン応募作なのでかなり早いペースで投稿中です。
精霊さんと妖精さん登場。
少しづつほっこリ度が増すといいです。
朝起きたら小さな色とりどりの光の球に囲まれていた。
何だこれ?
俺の周りをふわふわ飛んでいる。
その一つを指でつつくと光が強くなって点滅し始める。
なんだか喜ばれているような……
よく分からない感覚なのだが、なんて言えばいいのか。
この光の球は生き物っぽくて喋る事はないんだが、なんとなく球の気持ち?が分かるというか。
危険はなさそうなので、話しかけて見ることにした。
「なあ、お前らって一体なんなんだ?」
以外にもすぐに答えが返ってきた。
答えといっても漠然なイメージに近いが……
言語化すると。
「精霊?」
光の球がはしゃぐように光り始める。
当たりらしい。
精霊か……やっぱりファンタジーな異世界に来ちまったのか、俺……
落ち込んでいても仕方ないからこいつらについて考えよう。
まず、言葉を理解しているからそこそこ知能もあるんだろうが、なんだろうな。
こう、こいつらから来るイメージってのが妙に幼い感じがする。
まるで幼い子供を相手にしているようだ。
純粋で好奇心旺盛って感じもするし。
こいつらに色々聞きたい事があるのだが、多分期待している情報は得られそうにない。
一応、話してはみるが……
少し経った後。
結果だが、収穫はゼロだ。
こいつらの精神年齢は3~4才ではないだろうか?
名前を教えると。
『あまつてっしょー?』
「鉄勝が名前な」
『てっしょー、てっしょー!』
この世界について聞くと。
『いいところー』
『きれいなのー』
※これはあくまでイメージを言語化したものです。
って感じだ。
とりあえず顔を洗いに行って昨日取った木の実を朝飯にして今日する事を考えるか。
朝飯後。
滝の近くの岩場で考え始める。なんか精霊はずっと俺の周りにふわふわ浮いているけど気にしないで置こう。
今のところ、さしあたっての問題は毎日の食料、安全に寝るとこの確保、それと……
「ここに季節はあるのか……?冬とかあったらやばいな」
ぼそっと呟くと精霊が反応する。
季節って何とか冬って何って感じだ。
「季節はそうだな、気温、天候の変化の区切り……うーん。これだと何か違う気が……まあ、暑くなったり寒くなったりする時期の事?冬ってのは寒いのが続く季節」
寒いのが嫌?とイメージがくるが、嫌ではないのだが今のままでは死んでしまうからな。
そういうと精霊はパニックになる。
「おちつけって、寒さを凌げる物があれば大丈夫だ」
暖かい物があればいいの?それならあるのー。と答えが返ってくる。
てか、季節はあるのかと聞くがあるっぽい。雪が降るみたいだし。
なにやら精霊は暖かい物がある場所に案内してくれるらしい。
大丈夫なのか?と思うけどついて行ってみよう。
見つかればホントに助かるし。
食べ物探しながら行きますか。
「……」
最初っから壁にぶち当たった。
文字通り壁だ。崖と言う名の。
出発と言った途端、精霊は崖の上の方に向かって飛んで行く。
「ちょっと待て」
精霊たちはなにー?と戻ってくる。
「俺はお前らと違って飛べないんだが」
飛べないのー!?と驚かれる。こいつら俺が飛べると思っていたのか?
自分達と同じと思っているのかもしれない。
「他に上れそうなとこはないのか?」
どうしよーと精霊が作戦会議?を始めるがすぐに終わったらしく、俺の周りをふよふよ漂い始める。
精霊達が、がんばってみるね。って何を頑張るんだ?
そう思った瞬間、体がふわりとして……
思いっきり崖の上に飛ばされた。文字通り。
地面にぶつかる手前でまたふわり体が浮いてぶつからずにすんだが……
「俺に何かする時は、どんな事するか俺に言ってからにしろ!!」
危うく高所恐怖症になるところだった。
てっしょー怒ってる?だめだった?と精霊達が落ち込み始める。
「……怒ってない。次から気をつけてくれ」
なんか、怒ってるって言うと罪悪感が湧きそうな気がした。
精霊達怒ってないと大喜びだし、怒ってるっていったら大泣き(泣くかわからんが)しそうだ。
それからは俺が通れそうな所しかなかったから良かった。
そしてだいたい30分くらい歩いただろうか。
目的地に着いたらしい。
ちっちゃな草原というか……なぜかそこだけ木が生えておらず、平らな土地が広がっていた。
近くには洞窟近くの滝につながる川がある。
そしてそこに人が乗れそうな……羊?とヤギ?が何頭かいる。
もふもふの白い毛、黒いつぶらな瞳、そして角が生えているのだが……
一角獣みたいに額に一本尖った角が生えている。
大きさは一匹だけやたらでかい。普通に俺が乗れるくらい。
後は普通の羊サイズとその半分くらいの。
ヤギの方は、頭の上の方と足先だけ茶色の毛で後は白く、体は羊よりでかく馬並み。
ヤギと言っても牛のような感じもする。
角はヤギみたいに頭から二本、後ろに向かって尖っている。自分の頭と同じくらいの長さの角だ。
二種類とも、もしゃもしゃと草食べたり、日向ぼっこしてたりしている。
数は羊が4頭とヤギが3頭。そのうち羊2頭とヤギ1頭がやたら小さく子供っぽい。
ぼーっと見ているとやたらでかい羊が俺に気付く。
メェーと羊らしい鳴き声をあげて近寄ってくる。
だ、大丈夫なのか?突進してくる気配はない。
ゆっくりのそのそと羊は近寄ってくる。
精霊達のうち何体かが羊に近寄ってはしゃいでいるから大丈夫だと信じたい。
羊は俺の目の前に来た途端擦り寄ってきた。
「へ?」
なんか妙に懐かれている。
精霊達が気に入られたーとか良かったねーとかはしゃいでる。
羊をじっと見る。
でかいけど、かわいいな。
撫でてみると気持ちよさそうにメェーと鳴く。
うん、やっぱりかわいい。
そう思っているといつの間にか他の羊やヤギが集まって来ていた。
俺、今まで動物に好かれるとかなかったんだが……動物限定のモテ期かなんかか?
なんか嬉しいような悲しいような。
なぜかこいつら皆擦り寄ってくるし、何故に。
精霊達が、てっしょーいい匂いなのーとかてっしょーは暖かいのーとかイメージ、ああもう言ってるでいいや。言ってる。
それにしても動物に好かれる匂い?なにそれ。
暖かい?俺は湯たんぽか何かか?
謎だ……
それにしても羊の毛、すげー手触りだ。
ふかふかそうに見えてつやつや。ふかふかもしているけど、艶度も高い。
実際の羊の毛を触った事はないが、羊の毛でできた服とは手触りがまるで違う。
どう表現すればいいかわからないが触り心地がとてもいい。
だが……
「なあ、少し離れてくれないか?」
全方位から羊達に囲まれて擦り寄られているから立ってるのが辛かった。
羊達は残念そうにしながらも少し離れてくれる。
こいつらもそこそこ知能があるようだ。
というか言葉を理解してるって事は喋れるやつがほかにいるんじゃないか?
……いるよな。絶対に。
早速精霊に聞いてみる。
「俺の他に喋れるやつはいるよな?」
いるよーと返事が返ってくる。
やっぱりいたのか!
「そいつのとこに案内してくれないか?」
精霊達は案内するーとふわふわ移動を始める。
楽しそうな雰囲気だから、危険性はないと思いたい。
俺達が移動を始めるとなぜか羊達までついてきたけど気にしないでおこう。
歩き始めてほんの少し。
以外にも結構近いところにいたらしい。
森の中に家がいくつかあった。
村みたいだ。
だが、サイズがおかしい。
自分の身長くらいの家だ。
ちっこい……
じっと家を見ていると小さな声が聞こえる。
声の方に向くと、木やら家の陰から小人のような奴らがこちらを見ていた。
少しの間、お互いに見続けた。
先に小人のような奴らが動き出したと思ったらわらわらと俺に向かってやってきた。
数は10~15人ほど。
短い足でぽてぽてと走ってきてなぜか俺によじ登ってきた。
「……」
頭の上に乗っかった奴がなんか大喜びでやったー!とか言いながら喜んでいるし。
何が起こってるんだ?
「なあ、どういう事か説明してくれないか?」
謎の小人から話を聞くことになった。
小人は妖精族というらしい。
特徴は長く尖った耳、金髪緑目、身長は約40~45cmくらい。
皆、同じ服を着ている。色は違ったりするけど……
その服は、上着だけにしか見えない。似ている服というと幼稚園の制服だろうか?
ズボンとかをはいているかは上着で見えないから分からない。後はやたらでかい靴が見えるだけ。
袖が大きくて長いのが特徴的。先のほうを折っている。内側は白い。
折っているのにほとんど地面につくぐらい長いけど……
そして女の子と男の子で若干服の一部が違う。
女の子は襟が丸く、男の子は四角い。
あと、襟の下に女の子はさくらんぼのような飾り、男の子は白いリボンの飾りがついているくらい。
帽子はかぶっていたり、かぶっていなかったり、髪型は色々。
なぜか羽生えてるのと、生えてないのとがいるけど。(性別は関係ない)
妖精の特徴はこんな感じ。
俺によじ登ってきたのは、遊んでくれると思ったかららしい。
どうしてそう思ったんだ?
詳しく話しを聞きたかったのだが精霊と同じく、妖精達の精神年齢も低いらしい。あんまり詳しく聞けなかった。
見た目完全に子供な奴らしかいないし、もしかしてこいつら大人にならない種族だったりして……
まぁ、妖精と出会ってよかったと思っているけどな。
家は?と聞かれえてないと答えたら、ここに住めば良いよ!と言われた。
妖精の家に泊まることは大きさ的に無理だが、サバイバル生活をしなくてすむのはありがたい。
今日の寝る場所はとりあえず、巨木の洞の中っぽいけど、贅沢言ってらんない。
妖精達には猪の牙と拾ってきた食べ物をあげる事にした。
それくらいは渡さないとなんだか申し訳ない。
妖精曰く猪は強いから狩れないそうで、牙は貴重なんだとか。
妖精……おまえら戦えそうにないが狩りとかするんだな……
そんな事を思いながら牙を持って大はしゃぎの妖精達を見る。
なんか、それからお祭り騒ぎになって一日中騒いだ。
いつの間にか寝ていて異世界での2日目が過ぎた。
精霊さんは喋ってるわけじゃないので登場の機会があんまり無いかもしれませんが妖精さんはたくさん出ます。
では、誤字脱字、感想アドバイスお待ちしております。