第1話 どう生きるんだ?
短かったので続けて投稿。
まだ、序章なのでほっこりしないです……
現在森の中と思われる所にいる。
そして外見が変わっている。
生粋の日本人で黒髪黒目だった俺はなぜか銀髪になっていた。
目の色が変わってるかはわからない。
とりあえず装備確認。
現在の装備。
布の服。
布の靴。
以上。ちなみにアイテムとかはない。丸腰。
……初期装備やん。
てかここはどこよ?
辺りを見渡しても木しか見えない。
どうしたもんかと思っていると腹がなる。
「ハラ減った……この空腹感。やっぱ夢じゃなくて現実だよな……」
そう思ってるとがさがさと茂みの揺れる音がした。
そっちの方向に向くとでっかい猪がいた。
牙もとんでもなくでかい。
「おいおい、普通あんなサイズの猪いるか?」
普通の猪よりふた回りほど大きい。
相手はこちらに突撃する気マンマン。
「ちょ、ちょっと待て!」
こっちは素手だ。
たとえ武器があっても素人じゃあんな大きな猪倒すの無理。
逃げようにも逃げ切れる自信はない。
咄嗟に何かないか探して、足元の石を拾って投げる。
「ってこんなの効くわけないわー!!」
投げた瞬間叫んだ。
やばい、混乱してるよ俺。
そう思ってるとプギャアアアアと声がする。
知るか!とりあえず回避だ!!
バッと猪を見ずに横に避ける。
その後少し遅れてドスン!!とすごい音がした。
急いで体勢を立て直して猪の方を見ると猪は木にぶつかっていた。
木はみしみしと音をたてて猪に向かって倒れた。
猪は木に潰され悲鳴のような声をあげる。
じたばたと苦しそうに足を動かしている。あれで抜け出されたらやばい……
猪に近づき、折れた木の尖った所を折る。
「すまん!」
そしてそれを猪の眼に突き刺した。
猪はものすごい声を出す。
木を深々と突き刺してトドメをさす。
生き物を殺した事への罪悪感と気持ち悪さから吐きそうになるが、ぐっと堪える。
だけど足に力が入らなくなって座り込んでしまった。
運が良かった……
死ぬ確率の方が絶対多かったし、よく生き残れたな……
深呼吸して落ち着いてから猪を見る。
木にぶつかった際に大きく飛び出ている二本の牙のうち一本が折れていた。
牙は何かに使えそうだから取っておくとして……
これ、どうすんだよ。
鳴り続けている腹をさすりながら思う。
一応焼けば食べられると思うが。
問題は火とさばく事。
てか、こういうのって血抜きとかしないといけないんじゃなかったっけか?
血抜きってどうすんねん。
猪は大きいうえに木がのしかかっていて動かせない。
とりあえず血管がありそうなとこを斬って血を抜こうと思うが、斬るものがない。
牙刺せばいいか?
血管の場所はわからん。適当で。
服を少しだけ血で汚しながら作業を終えた。多分これで大丈、夫だよ……そう信じたい。
次は火か……折れた木から良さそうな木片を折ったりして準備する。
こう、原始人とかのイメージであるじゃん。
木を回して火を起こすやつ。あれやってみようかと。
枯れた落ち葉やらを集めて適当に石で風除け作って簡易かまど?完成。
後は種火作りだが。
燃えやすいように枯れ草とかを回す棒と木の周りに置いてみた。
さっそくやってみよう。
たぶん数分後。(時間が長く感じられた)
もう、手が動かせないくらい回したよ。
めっちゃ大変だった。かすかに火が見えたときはテンションMAXになった。
強すぎず弱すぎず息を吹きながら棒を回し、種火を作ることに成功した。
それをゆっくり簡易かまどに運んで燃やした。
火はおこせた。後は、肉を焼くだけ。
牙を使って肉片をちぎり取る。
刃物もないし綺麗に剥ぐなんて無理。
すごくグロテスクだよ。手なんて血で真っ赤。
気持ち悪くてたまらない。
ちぎり取った肉片を折れた木からとった綺麗な棒を串にして肉片を刺して焼く。
肉を焼いている間、色々考えた。
猪の死体は……保存食にしたいところだが今の状態じゃ無理。
もう片方の牙を何とか取ってそれで終わりってとこかな。毛皮とかも取れそうにないし。
大量に猪の血を出しちゃったからここにあんまり長居しない方が良さそうな感じがする。
別の場所に行かなきゃいけないのだが、まずは水を探さなくては……
飲み水確保はもちろん。手や服の血を洗いたい。
後、寝る場所も探さないと。
うーん、やる事がおお過ぎて現実逃避なんてしてらんないな。
してたらすぐに死にそうだ。
あ、肉焼けた。
……まずい。猪特有の独特の臭味がある。臭味なんて消す方法知らんし、知ってても今は出来ないだろうけどさ。
せめて塩が欲しいが、無いものはしょうがない。
食っとかないとこの先、体がもたんだろう。
まずくても我慢するしかない。
肉を食い終わり、必要になりそうなものを持ってすぐに移動を開始する。
持っている物。
猪の牙×2(結構大きいから持ち運びが少し大変)
以上。
とりあえず、あてがないので適当に歩く。
その間に食料探し。
まず、キノコは絶対食べない。
危険度が高そうだ。毒キノコ食って死ぬとか勘弁してほしい。
食べれる野草なんて知らん。そもそもここは地球か?
さっきの猪見る限り、地球だとか思うのは止めた方がいいと思う。
地球での野草や植物の知識はあてにならんと思われる。
元々知らんけどな。
なんか木の実が一番食べられそうだよな。
どっちみち毒があるかもしれないから少しずつ試すしかないけどさ。
食べられそうな物を取っていこう。
そんなに持てないけど。
片手が牙で塞がってるから。
そして適当に歩く事2~3時間。
疲れてのどが渇いてきたと思った頃に水の音が聞こえてきた。
急いで水の音の方に行く。
川を発見した。
流れは穏やかで水がとても澄んでいる。
これなら飲んでも腹を壊す事もないだろう。
川の近くに牙とかを置いて血を洗い流す。その際自分の顔を見たけど、別人やった。目、金色だし。どこの外人だ。
こんな綺麗な川を汚すのは罪悪感が湧くが仕方ない。
洗い終わった後に少し上の方に行って水を飲んだ。
こんなに水がうまいと思ったのは初めてだ。
少し感動しながら水を飲み終える。
「出来れば川の近くに寝れそうな場所があればな……」
飲み水がすぐ近くにあるとすごく便利だ。
川を中心にして探してみよう。
荷物を持って再び歩き、川の上流の方に向かう。
滝を発見した。
歩いていて気付いたんだが、ここは山だったようだ。
ここに来る最中も途中から坂になって、上ってきた道の方を見ると結構絶景。
てか、地平線が見えるけど緑しか見えません。
町?そんなもん無いですよ。
この近くに人がいる可能性はすごく低そうだ。
というかこの世界って人がいるのか?
ちょっと嫌な予感がするからこの考えはこの辺でやめておこう。
今は寝るとこ探しだ。
雨風凌げるとこがあればいいな……
滝から崖沿いを探すが、夕方になっても良い場所は見つからなかった。
とりあえず滝から少し離れたところで寝よう。
完全に暗くなる前に乾燥した木の枝を集め、焚き木する。
晩飯はとってきた木の実や果物らしきもので済ます。
少しだけ果物らしきものを口に含み、舌が痺れないかとか毒見しながら食べた。
幸い毒はなさそうだった。
そして焚き木を見ながら思いを巡らせた。
昼間食べた猪、モンスターとか魔物って感じだったな。
そう思うとファンタジーだな。異世界に来たとか止めて欲しい。
けど、異世界に来ちまったんだろうな……
とりあえず他にもあの手の危険な動物がいると考えた方が良い。
安全に寝られる所が欲しい。
明日も歩き回る事になる可能性が高いしそろそろ寝るか。
焚き木から少し離れた位置で寝転がる。火は危ないけど獣避けのために消さない。
気温はやや寒いくらい。ここでは冬とかの季節があるんだろうか?
その事についても対策しないといけない。
そんな事を考えながら眠りについた。
俺の異世界に来て1日目は終了した。
グロい描写があったけどR15になるんだろうか?基本的にここから雰囲気が一気に変化して明るくなるのでR15はつけたくないです。ほっこりがテーマですし……
では、誤字脱字、感想にアドバイス、お待ちしております。