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ほっこりスローライフ  作者: 蒼鈴六花
2章 訪問者と広がる世界
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第32話 お月見をしよう!

お久しぶりです。

ダンジョンさんとクロマさん進まない……けどこっちが先に書けた。


今日はスーパームーンな十五夜っぽいので間に合わせようと書きました。(27日は過ぎましたが……)

スーパームーンのピークは28日の昼頃らしいですけどね。

今日は月が綺麗です。


では、最新話どうぞー。


今日は珍しく妖精達が来ない。

いつもなら少人数でもちらほら来て大体どの時間でもいるのだが、今日は夕方になっても1人も来ない。


「……何かあったのか?」


少しずつ日が傾き心配になってきた頃、聞き覚えのある声が聞こえてきた。


「てっしょー」


ぽてぽてと結構大人数でやって来た妖精達。

そして保護者としてなのか姉御も一緒にいる。

なんでか皆、ススキに似た植物を持っているようだが……


「それ、なんだ? 食材には見えないが……」


「これはねーラプアーグって言うんだよー」


「今日は夢送りの日なのー」


「夢送り?」


「お月様に願い事を届ける日なんだよー」


妖精達の説明によると夢送りを行う日は夢送りの日と呼ばれており、1年に1回行われる行事みたいなものらしい。

月が大きく綺麗に見える日と言うとてもアバウトな感じで行われる行事だが、だいたい今ぐらいに時期に行われるものみたいだ。


「要はお月見みたいなもんか……? なら、団子でも作るか」


「おつきみ?」


「だんごー! だんごー!」


「お月見はそのまんま月を見る事だよ」


服の裾をくいくいと引かれると姉御が見上げている。


「ちゃんときな粉も用意するよ。きな粉の月見団子はおいしいしな」


姉御はフスッっと満足気に鼻を鳴らして軽く頷くと1本多く持っていたラプアーグを渡してきた。


「これ、俺の?」


また軽く頷き、家へ向かって歩いていく。


「ありがとな。今日も腕を振るって美味しいきな粉月見団子作るよ、楽しみにしててくれ」


小さくフシュンと言う音と共に耳が少し動かす姉御の後を追った。


姉御はきな粉好きだし、ラスチェストから送られてきた材料も余っているから沢山作れる。

夕飯を軽めにして月見団子も食べられるようにしなければ。

姉御も妖精達も喜んで欲しいしな。




   ◆  ◇  ◆


夕飯を食べてお月見の用意も終わった。

ラプアーグを持った妖精と姉御が外で待っている。


「てっしょー早くー!」


「おう! 今行く!」


姉御から渡されたラプアーグを持って妖精達と姉御の所に行く。

すると、妖精達がラプアーグを月に向け始めた。


「てっしょーも月にラプアーグ向けてー」


姉御もラプアーグを月に向けながら顔をこちらに向けている。

言われたとおり向けるも何も起こらない。


「もう少し待ってー」


「集まってくるよー」


「集まる?」


妖精の言葉を疑問に思っていると少しずつラプアーグに光が集まり始めた。

ふわりふわりと白い光がラプアーグの穂の部分に集まり発光する。


「ラプアーグはねー、月の光を集めるんだよー」


「今日は1番集まりやすい日なのー」


「これが、月の光……」


空に浮かぶ大きな白銀の月と同じ色の光が灯る。


妖精達や姉御の持っているラプアーグも同様に光を灯し、俺達の周りが淡い光に包まれる。

その光景に言葉も出さずに見入ってしまう。


「てっしょー、ラプアーグにお願い込めてー」


「叶えたい夢でもいいのー」


「星に願いを叶えもらうのか?」


地球でもよく流れ星に願い事をする。

日本では七夕だろうか?

お月見かと思ったら七夕に近い行事だったのか?


「違うよー」


「夢や願いはがんばって叶えるものだよー。星に願っても叶えられないのー」

「叶えてくれるとしてもお願いばっかりされる星がかわいそうだよー」


妖精達はラプアーグから片手を放してパタパタと振ったり、羽を動かす。


「それに星のお願いわかんない」


「わかんないー」


「だから星のお願い叶えてあげられないのー」


「てっしょーは星のお願いわかる?」


首を傾げる妖精。

姉御は静かにこちらを見ている。


星の願いか……


「分からないな……そっか、願いを一方的に叶えてくれなんて虫のいい話だよな……」


日本では初詣なんかで大勢の人が神に願い事をするだろうけれど、神様は願い事をどう思っているのか?

神様の声が聞けるなんてどこかの宗教の人かと思ってしまうが、神様の願いを叶えるってのは聞かない気がする。


俺は、一方的に願い事をされるのは辛い事だと思う。

少なくとも自分はされたくないな……


「……でも、願い事をラプアーグに込めるのはなんでなんだ? 願いを叶えてもらうわけじゃないんだろう?」


「これはねー、星に夢を送るのー」


「がんばるから見守ってくださいってお願いするんだよー」


叶えたい夢を星に送って、それを星に見守る……もしくは見届けてもらうためのものなのか?


「星に送った夢を叶えられたら星に祝福してもらえるのー」


「星の祝福って何が起こるんだ?」


「さぁー? 分かんない」


「きっと良いことがおこるんだよー」


なんというか……星に願いをと言うよりは星に誓いをって感じだ。


星に誓った夢を努力して叶えた者に祝福が与えられる。


……それは、ただ願って叶えられるよりずっと良いものだと思う。


「てっしょー、お願い込めた?」


「……ああ」


しっかり自身の願いは込めた。

月に届くように。


「じゃあラプアーグ振ってー」


「おう!」


ラプアーグを振るとまるでススキの穂から綿帽子が散るように光が零れ、空へと昇っていく。


月へと光が戻るかのように、光の綿帽子が空へと消えていく。


それは、込めた願いを月に届けているようだった。


「がんばってるところを月に見せるのー」


「がんばろー!」


夢送りが終わってはしゃぐ妖精達。


一体どんな願いを送ったのか?

そう思っていると服の裾を引っ張られた。

下を見ると姉御が見上げている。


「送った願いを叶えられるように頑張らないとな」


姉御はフスッと鼻を鳴らして隣に立って月を見上げた。

俺も同じように月を見上げる。


大きな綺麗な白銀の月が浮かんでいる。

優しく見守っているように淡い光を放ちながら。




これからも、皆と一緒に……


皆が笑顔で過ごせるように……


俺も、皆と一緒に頑張っていきます。


だから、俺と皆を見守っていてください――





姉御のセリフが、ない……

そもそもうさぎってぷぅぷぅとかぶーぶーとか鳴くけど、泣き声ってあまり知られていませんよね?

というか、その鳴き声を小説で書いてもブタと勘違いされる……


個人的にうさぎは鳴き声よりも“フスッ”とか“フシュン”みたいな鼻を鳴らす音の方がうさぎらしさが出るような気がしますが……変でしょうか?


まあ、姉御にセリフ書くとすごく違和感あるなーと思ってますが。

セリフがないと表現に困るのです……

姉御は黙って背中で語る漢ではありませんが、黙って行動で示すって表現が難しいです。


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