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ほっこりスローライフ  作者: 蒼鈴六花
2章 訪問者と広がる世界
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第29話 お泊り会をしよう!

なんか可愛い姉御が思い浮かんだのでつい書いてしまった……後悔はしてない。


ほんとは、ダンジョンさんとクロマさんの最新話書こうと思ってたんですけどね……書けたのはこっちだった。


ともかく、もっと姉御に出番をー!!と思って書きました。短いですが最新話どうぞ。

「てっしょー! 今日はお泊り会したいのー!」


「ん? ああ、いいぞ」


毎日家に遊びに来る妖精達。

そんな妖精達は俺の家に良く泊まる。

なんでも皆で晩御飯食べて一緒に寝るのが楽しいらしい。

まあ、俺も楽しいから良いのだけどさ。


稀に魔物達も泊まって行く事があるけど、姉御はないんだよな……

そういえば、姉御の家も何処にあるかは知っているけれど入った事がない。

魔物の中では一番なじみがあるのに実は姉御って謎が多いのかもしれない。


「おっとまりかい! おっとまりかい!」


「材料探しー! おいしいご飯ー!」


そう思っていると妖精達がお泊り会嬉しさに踊っていた。

何時もの事ながら、本当に楽しそうで嬉しそうだ。

お泊りが結構多いのに飽きる事はないらしい。

妖精達にとっては何時でも修学旅行気分なのだろうか?


妖精達の踊りが終わるまで眺めつつ、今晩のメニューを考える。

取れる食材によっても変わってくるが……どうしたものか。

そう思っていると森の方から姉御がやって来た。

なにやら籠を持っているようだが……


「姉御、今日はどうしたんだ?」


そう言うと籠の中からキノコを取り出した。

そして森を指す。


「森でキノコが取れたから持ってきてくれたのか? へー、今はそんな季節なんだな」


「もうそろそろキノコいっぱい取れるんだよー」


「精霊がでっかいキノコ作ってくれるのー」


妖精達曰く、家サイズのキノコを生やす事もあるとか。

精霊恐るべし。


「キノコ、ありがとな。姉御。あ、そうだ。今日は妖精達がお泊り会するんだが、姉御も泊まってくか?」


姉御はじーっとしばらくこちらを見た後、頷いた。

今まで泊まった事なかったから頷かないかと思ったけれど、言ってみるもんだ。


「よし、じゃあ姉御の分も料理を作らないとな! 姉御が取ってきてくれたキノコを使いたい所だが、この人数じゃ足りないんだよな……いっその事キノコ狩りしてキノコ尽くしの料理ってのも良いと思うんだが」


「キノコ尽くし!?」


「やるー! やるー!」


「キノコー!」


姉御が置いた籠からキノコを持ってはしゃぐ妖精達。

キノコをぽんぽん投げて器用にキャッチしている。


「こら、食べ物で遊ぶな。んじゃ、決まったら早速キノコ狩りに行くか。あ、姉御。悪いけど肉ないかな? 昨日で肉を使い切ったんだ」


姉御がこくりと頷く。どうやら家にあるらしい。

姉御には悪いが家に肉を取りに行ってもらい、俺達はキノコ狩りをする事になった。


近くの魔物にキノコを見た場所を教えてもらったり途中で見つけた木の実や野草を採取しつつキノコの群生地へ向かい、キノコ採取。

今回は精霊が手を加えたキノコは発見できなかったが、精霊が悪ふざけを起こして家サイズのキノコが現れると森の魔物が気付くので、できたら教えてくれるそうだ。

家サイズキノコ……さぞかしメルヘンなのだろう。きっと模様は赤に白の水玉模様だ。

まあ、そんな色のキノコは確実に毒キノコだが。


そんな事を思いつつ家に戻ると姉御がいた。

肉は台所に持って行ったらしい。


「そこの棚に昨日作ったお菓子があるからお前達と姉御で食べいてくれ。俺は晩飯の仕込みしてくる」


「お菓子ー!」


「うまー!」


お菓子に飛びつく妖精達にちゃんと分けるように言って、台所で準備を始める。

今日のメインはキノコ鍋だ。それと他のキノコ料理を作って、デザートはミンクムと言うにんじんに似た野菜を使ったケーキを作る。

ミンクムはラーフィス達の好物だし、姉御も好きだからきっと気に入ってくれるだろう。


さあ、気合入れて料理しますか!!




夜。


机に料理が並び、中心にでかい鍋が置かれている。


「さあ、これが今日のメイン……キノコ鍋だ!!」


「キノコー!」


「おいしそー!」


蓋を開くとダシとキノコの良い匂いが広がり、妖精達が喜びの声を上げる。

隣で姉御がさっと椀を出したので受け取ってよそう。


「焼きキノコもシンプルでおいしいから食って見ろ。よそうのは最初だけだからな。後は自分でやるんだ」


「はーい!」


「わかったー!」


そんな感じで晩飯を楽しく食べ、食器を片付けた後にデザートを出す。


「これ何のケーキ?」


「ミンクムを使ったケーキだ」


「ミンクムケーキ!」


「ほら、皿配れー」


ケーキを切り分け、お茶を入れて皆でデザートを楽しむ。

姉御は無言で、というよりは無心でケーキをぱくついていた。

結構大食らいだけれども口は小さいので少しずつ食べる。だが、食べるスピードは速い。

あっという間に平らげておかわりと皿を差し出す。


「はいはい。そうなるだろうと思って多めに作ったんだ。ほれ」


どうやら気に入ってもらえたようだ。

良かった良かった。


楽しいデザートの時間も過ぎ、後片付けをした後は寝る用意。

お泊り会用のでかい布団を出すのだが……


「あ、姉御はどう寝る? というか、何時もはどう寝てるんだ?」


首を振る姉御。

妖精曰く、適当に寝る。だそうだ。

適当って……なんとも困る答えだな。


「布団はそこにしまってるから好きなのを使ってくれ。ほら、お前等布団しけないだろうが! 真ん中空けろー!」


部屋ではしゃぎまわる妖精達に声をかけて布団を敷く。

ほんとに姉御はどう寝るのだろうか?


「ランプ草は最後に寝ようって思った奴が消す事。俺はもう眠たいから寝る。おやすみ」


お泊り会では基本的に眠たくなったら寝る。

だから妖精達ははしゃぐのに満足して眠気が来ると適当にそこらで寝る。大抵は俺の布団に引っ付いて寝る。

だが、今日はなんだか何時もと違っていた。


「たー!」


気の抜ける声が聞こえたと思ったら、ぽふっと自身の上に何かが落ちた感触がする。

続けてぽふぽふとどんどん音と感触が増えていく。


「おやすみダイブー!」


「なんだそれ!?」


新しく考えた遊びなのかどんどん寝ている俺の上に妖精達が乗っかっていく。

そしててんこ盛りになる。


「だぁー! 人が寝るのを邪魔するなー!」


布団を跳ね除けるように妖精達を飛ばすと、キャーキャー楽しそうな声が響く。

安眠妨害な遊びを何時覚えたのやら。


「てっしょー! もう一回!」


「別の遊びを明日教えてやるから今日はもう寝なさい! 眠気が飛ぶ!」


「新しい遊びー!」


「寝るー!」


妖怪達を寝かしつける事に成功した俺は、すぐさま布団に入るとすぐに寝てしまった。

姉御、何処で寝るのか……




◆ ◇ ◆


てっしょーと妖精が寝静まった頃。

壁に寄りかかっていた姉御はランプ草に近づき灯を消す。

そしてじっとてっしょーを見た後、横向きに寝ているてっしょーの布団の中に潜り込み、伸ばしているてっしょーの腕に顎をの乗せて目を閉じた。


ぺたんと安心しきったように寝る姿を見た者はいない。

てっしょーが起きた時にはすでに姉御は起きていて、妖精達は夢の中だったからだ。


朝起きたてっしょーは朝、誰かに頭を撫でられているような気がして起きたらしい。

まあ、気のせいかと台所へ向かうてっしょーの後ろを少し嬉しそうな様子の姉御が歩いていたのも、誰も知らない。





ちょっと姉御らしくなかったかな……でも、腕に顎乗せてぺたんと寝る姉御の姿を思い浮かべたら可愛くてつい書いちゃいました。

後、おやすみダイブはかなり前に思いついたネタ? 落書きのように資料集の隅に描かれていたので今回の話に使ってみました。


ちなみにこの話の時系列はラスチェストに行く前後くらい。

実は四季の順に書いていたり……

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