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ほっこりスローライフ  作者: 蒼鈴六花
2章 訪問者と広がる世界
34/39

お正月外伝 餅つき

明日まで我慢できず投稿しちゃいました……

まあ、一応お正月ですしセーフ?


それと、全話文章を直しました。

文章作法、誤字脱字、おかしい文章の修正、長すぎる果実の名前の変更などを行いました。(花見の話のフラウラメオの実→フラウメオの実)


……文章作法についてはちょっと自信がないです。何回も書いていかないと覚えられない……間違っている所があったら教えて欲しいです。

もちろん自分でも調べますが……見逃しが多いです……


あ、視点変更の仕方を変えてみました。


と、長くなりましたが最新話どうぞ。

「ねえてっしょー。何作ってるのー?」


 ぽてぽてといつも通り家にやって来た妖精達は、外に出ていた俺を見つけて声をかけた。


「ん?これか?これは臼と杵を作ってるんだ。まだ臼を作ってる途中で杵は出来てないけどな」


「どんな道具なの?」


「これは餅を作るための道具で、餅はもちもちして伸びるおいしい食べ物だ」


「おもしろそー!」


 説明すると、妖精達ははしゃぎだして手伝うと言い始めた。

 なので、簡単に形を説明する。


「杵っていうの姉御が得意そー」


「呼んでくるー」


 杵の形を見て姉御の持っている鎚を連想したらしい。

 確かに姉御はうさぎだし杵が似合うだろう。うさぎのついた餅かー、ファンタジーだ。


 数分後。

 妖精達に連れられて姉御が来た。


 簡単に説明すると、任せなって感じで作業を始めた。

 相変わらず仕草が漢らしい。


 俺は妖精と共に臼を作る事にした。

 まあ、妖精も餅つきをしたいとの事で、妖精サイズのも作る事になったが……


 その日のうちに臼と杵を作り終り、ラスチェストで仕入れたもち米と似たグルスラスを使って餅を作る準備をする。


 まず臼と杵を作った日に、グルスラスを水につけておく。

 そして臼と杵も水につけておく。


 次の日。


 グルスラスを蒸す前に、水分を切って置く。

 餅つきをする場所を整え、臼に水を溜めて置く。杵も水につける。

 その後にお湯を大量に沸かす。足りない分は魔法で沸かす。


 以前、姉御に作ってもらった蒸し器でグルスラスを蒸す。普通のもち米と変わらず、大体50分くらいで丁度良い感じになった。

 蒸しあがる15分くらい前に、臼と杵をお湯で温めておくのも忘れない。

 温めるお湯は2~3回入れ替える。


 ここまでやってようやく餅をつく準備が整った。


「てっしょー!早くやろうよー!」


「もちつきー!」


 ぴょんぴょんと飛んではしゃぐ妖精達と静かに杵を握っている姉御には、事前に餅つきの仕方を教えている。


 準備万端と待ち構えている。


「よっしゃー!餅つき始めるぞー!」


「おおー!!」


 手早く臼に入れていたお湯を捨ててふき取り、グルスラスを入れる。

 まずは手本に俺が始める。


 姉御は専用の杵を作ったようなので、俺は普通に作った杵を持って臼に入れたグルスラスを杵で潰してこねる。


「この時、ちゃんと体重かけてやれよ?大体潰れたと思うまでやるんだ」


「わかったー!」


 妖精達と姉御は体重が軽いからちょっと無理かも知れないが……まあ一応、な。

 姉御なら力でカバーしそうだが……


 そう考えながらも作業は続ける。餅は速さが命だ。


 杵に付いた餅を取ってようやく杵でつく作業を始める。

 相方は姉御。

 姉御は初めて餅つきをするのだが……多分できる。姉御だし。


「いくぞ!姉御!」


 こくりと頷く姉御を確認しながら杵で餅をつく。

 すると姉御は手に持った杵をすばやく動かし俺と交互に餅をつき始める。


 あれ?


 そう思ったが、姉御はすさまじく手早かった。

 俺に合わせて餅をつき、餅を湿らせ、餅を折りたたむ。


 餅に毛が付くなんてへまはしない。

 すばやさと絶妙な水加減で餅に毛をつけさせなかった。


 ぺったんぺったんと気持ちのいい音が響く。


 姉御に負けないように杵で餅をつきながらその音を聞くとなんだか楽しくなってくる。


 リズムに乗った餅つきの音で妖精達は楽しそうに踊りだしたり、真似して餅つきを始めたり、姉御はテンションを上げたのかさらに動きが良くなっている。


 俺もテンション上がってきた。


「く、くく、あははははははー!!」


 いつもと微妙に違う妙なテンションを感じつつ、杵に力を込めて餅をつく。


 姉御と一緒に――



◆ ◇ ◆


 てっしょーの家に酒と料理を食べにやってきたが、妙な笑い声が聞こえたので声の方に向かうと、何時もの病気を発症したらしいてっしょーがいた。


「本当に性格が変わるのね。でも、てっしょーちゃん楽しそうだわ」


 ふふふ、と隣でアウラが笑う。

 てっしょーの料理が食べたくなったとついてきたのだ。


「料理作ってる時にああなるんだが……ありゃ、料理なのか?白い物が伸びてるぞ」


「あれは……多分、グルスラスじゃないかしら?ラスチェスト産の変わった食べ物よ。独特な食感でおいしいの」


「ほう。そりゃ期待できるな」


 食材が悪くともおいしくなるのだから良ければもっとおいしくなる。

 初めて食べる料理だろうし期待も膨らむ。


「あ、イシュナとアウラだー!」


「餅つきしてるのー!」


 俺達に気付いた妖精が駆け寄って来る。


「あらあら、妖精さん達。餅つきって何かしら?」


「グルスラスを蒸して杵でつくのー」


「面白いのー」


 相変わらず妖精の説明はよく分からないがアウラは分かったらしい。

 笑顔で妖精の頭を撫でている。


「終わるまで近づけねぇな」


 様子を見て呟く。


 てっしょーは料理を邪魔するととてつもなく怖い。

 いつもの数倍のスピードで動く。力も強くなっているがあれはどうなっているのか?


「あら、良いじゃない。見ていて楽しいわ」


「ま、確かに変わった料理の作り方で面白いけどよ」


 俺達はてっしょーの家の縁側ってとこに座りながら料理の様子を見る事にした。




◆ ◇ ◆


「ん?何時の間に来てたんだ?イシュナ、アウラさん」


 いつの間にかイシュナとアウラさんが来ていた。

 夢中になっていて気付かなかった。


「ちょっと前からだ。それにしても面白そうなもん作ってんな」


「こんにちは、てっしょーちゃん」


 軽くイシュナとアウラさんに挨拶して簡単に餅の説明をしつつ食べる準備をする。

 作りすぎてしまったし、二人の来訪は丁度良かったなと思う。


「さ、準備できたぞ。好きなのを取っていってくれ」


 今回、餅を食べるに当たって用意したのは3つ。


 1つ目は餡子。小豆に似たズースと言う豆を使って作った。

 2つ目は醤油。ちょっと甘め。醤油に似たラスチェストの調味料、ソルスラーを改良して作った。(改良にはソールイ草などを使用した)

 3つ目はきな粉。ソルスラーの原料である大豆に似たダラスと言う豆を使って作った。


 ちゃんと全部味見できるように小さい餅も用意した。

 好みが別れると思うし。俺は全部好きだけど。


「あら、どれもおいしいわ」


「俺、醤油ってやつがうまいと思う」


「あんこー!」


「……」


 それぞれ色んな意見を言いつつ食べていく。ちなみに姉御はきな粉派のようだ。


「もっちもちー!」


「みょーん!」


「お前らのどに餅詰まらせんなよ?」


 妖精達は面白そうに餅を食べている。

 ちょっとのどに餅を詰まらせないか心配になる。

 念のため飲み物も用意しているが、大丈夫だろうか?


 そう思いつつも無事、餅つき会は終了した。


 楽しくて、おいしい餅つき。


 ちょっと作るのが大変だが、たまには良いだろう。


 姉御は餅が気に入ったらしい。

 杵を大事そうに持って帰った。


 最後に臼をぽんっと叩いてから帰ったのできっとまたやろうと言う事なのだろう。

 姉御と一緒についた餅はおいしかった。


 また、うさぎの餅が食べられる。


 また、姉御と一緒に餅つきできる。


 そう思うと、頬が少しにやけた。


 楽しいものは楽しいのだ。




皆さんは何餅派ですかね?私は草餅派です。

ばあちゃん特製の餡子無し、積み立てヨモギの甘い草餅派です。

あの3つの中では、きな粉。醤油は甘め派(砂糖じゃりじゃり。甘党ではないですが醤油は甘すぎるのが好きです)餡子は少し苦手です。


ちなみに妖精さんの好みはばらばら。餡子の子はたまたま台詞が出ただけ。


では、長くなりましたのでこの辺で。感想お待ちしてます。


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