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ほっこりスローライフ  作者: 蒼鈴六花
2章 訪問者と広がる世界
32/39

ハロウィン外伝 とりっく・おあ・とりーと!

ハロウィン外伝。

短いです。


かぼちゃパイが食べたい……


「ねー、てっしょー。これなにー?」


 いつものように家に来た妖精達が縁側に置かれた物に集まっていた。


「ん?それはな、ハロウィンの飾りだ」


「はろうぃんってなにー?」


 秋の収穫を祝ったり悪霊を追い払ったりってのもあるが……


「まあ、子供が魔女やお化けなんかに仮装してお菓子をもらうお祭りの事だ」


「お菓子!」


 お菓子がもらえるの所で妖精達は大はしゃぎ。

 妖精達の原動力はお菓子と言っても良いんじゃないだろうか?


「魔女ってなにー?」


「かそー?」


 落ち着いた妖精達が分からない所を質問する。


「魔女ってのは魔法を使う女の人で仮装は姿を真似する事かな」


 木の枝で地面に絵を描いてどんなものか説明する。


「はろうぃんやりたい!」


「お菓子もらうー!」


「んじゃ、準備するか」


 こうして異界ハロウィンは始まった。




 まず飾りつけだが、ジャック・オー・ランタンは外せない。


 この世界にかぼちゃはないので似たものを代用する。


 パルジャンと呼ばれるオレンジのかぼちゃ似の野菜だ。


 パルジャン。


 見た目はかぼちゃだが中身はかぼちゃにクリームを足したような味。結構甘い。

 大きさに差があり、小さい物は10cmくらいだが大きい物は2m以上になる事もあるとか。


 このパルジャンを刳り貫いて、中にランプ草を入れてジャック・オー・ランタンの完成。


 ※パボラは見た目がかぼちゃではないので飾りには使わない。


 見本を何個か作ってお菓子作りを始める。

 仮装の衣装は妖精達が自分達で作るようだから放っておこう。


 材料はすでに町で買ってあるので、色々と実験も兼ねて作ってみようと思う。


 手間のかかるものはかぼちゃパイやタルト。

 簡単な物ならかぼちゃプリンとか。


 まあ、配るのには向いてないからこれらは食後のデザートでクッキーなんかを配ろうと思う。


 お菓子だけでなく、夕飯の仕込みもしないといけないしやる事は多いな。


 けど、楽しみだ!




 夜。


「おーい、てっしょー。いるかー?」


「ん?なんだイシュナと姉御か。どうしたんだ?」


 一旦別れた妖精達がもう少しで来る時間になってイシュナがやって来た。

 その横には姉御がいる。


「町で食材買い込んでったって聞いて何かあるのか?って思って丁度そこであったこいつと来た」


「ああ、ちょっとしたイベントと言うか妖精達と小さいお祭りやろうと思ってな。丁度良いから二人も参加してってくれ」


「おっ!祭りって事は料理も豪華なもん作るんだろ?参加する!」


 即答するイシュナに呆れつつ姉御も頷く。


「んじゃ、これを渡しておく。先に言っておくが、自分で食べるなよ?ひどい目にあうから」


 俺はイシュナと姉御に用意していたお菓子を入れた籠を渡す。


「自分で食ったらひどい目にあうってどう言う事だ?」


「まあ、それは祭りが始まってからのお楽しみだ。そろそろ妖精達が来るぞ」


 妖精達にもらった魔女の帽子をかぶって外に出る。

 二人は不思議そうにしていたが同じように籠を持って外に出ると森から妖精達の声が聞こえた。


「おやつー!」


 猛スピードでやってくる仮装した妖精達。

 魔女やら幽霊やら狼やら色んな物に仮装している。


「なんだありゃ!?」


 そんな妖精達に驚きの声を上げるイシュナ。


「とりっく・おあ・とりーと!」


「ぐはぁ!?」


 一人の妖精が猛スピードでイシュナの腹に飛び込みバランスを崩したイシュナの上に妖精達が乗る。


「お菓子ちょーだい!」


「悪戯するぞー!」


「ぎゃー!?」


 そう言われて悪戯されているイシュナ。

 俺の所にも妖精が飛び込んでくるが俺は最初から分かっていたのでバランスを崩す事はなく、姉御は小さいためか飛びつかれなかった。


「お菓子ー!」


「はいはい。渡すから並べって」


「はーい!」


 こうしてお菓子は配られ、その後は夕食になった。


 妖精達にはお菓子は別腹だからか夕食も沢山食べる。姉御やイシュナも容赦なく食べる。

 多めに作っておいて良かった。


 結構魔物とかが突然家に来てご飯を食べていくって事があるからいつも多めに作っているが……


 夕食後のデザートもつい実験に熱が入って作りすぎてしまったが妖精達と姉御、イシュナによって綺麗に完食された。


 この世界の住人は食べる量と体の大きさが比例しないと思う。


 ま、沢山食べてもらえるのは嬉しいけどな。

 おいしいって思ってくれているみたいだし。


 今日は楽しかった。


 皆がはしゃいで悪戯して。


 俺はお菓子を配る側だったから悪戯はしてないが、少しだけなら良いよな?




 トリック・オア・トリート


 “お菓子をくれないと悪戯するぞ”







wikiにはトリック・オア・トリート(ご馳走をくれないと悪戯するよ)と書かれていましたが、てっしょーさんはご馳走作る側(お菓子も作る側ですが)なのでなんか違和感ある台詞だなと思いお菓子に変更。


最近投稿がゆっくりに……某モンスター捕獲ゲームの新作をやっていたのもありますがなんか調子でなくて遅くなっております。


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