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ほっこりスローライフ  作者: 蒼鈴六花
2章 訪問者と広がる世界
31/39

第26話 雨の日の一日

とっても短いです。

今まででダントツの短さです。


でも書けたので投稿します。


 アメルハーナから帰った翌日の朝。


 目を開けると雨音が聞こえた。

 窓を見ると雨が降っているのが見えた。


 今日も家の近くに生えたでかい樹を調べるのは無理そうだ。

 それに……


「雨じゃああいつら来ないかな……」


 雨の中遊びに来る事はないんじゃないかと思う。

 基本的に妖精達は外で遊ぶが、そもそもこの雨じゃあ家から出ないかもしれない。


 たまには一人の日も良いのかも知れないと思う事にして1階に下りて朝食を作って食べる。


「あ……」


 それからは適当に一人で過ごしていたのだが、いつもの癖でおやつを多く作りすぎてしまう。


「これ、どうすっかな……」


 一人で食べるにはかなり多い量のおやつを前に悩む。


 窓の外から聞こえる雨音を聞きながらおやつをどうするか考えた。


 なんだか今日は妙に調子が乗らないと言うか何と言うか……微妙な気分だ。

 そのせいかおやつをどうするか良い案がでない。

 明日まで置くのもなぁ……と思いながらため息をつく。


「……しょー……」


 すると声が聞こえた気がするが気のせいかもしれない。

 雨の中わざわざくる人なんて……


「あー……ぼー……」


 また聞こえた。

 一体誰だろうか?


 声の聞こえた方向が見える縁側に向かう。


 すると外には……


「てっしょー、遊ぼー!」


「雨楽しいのー!」


 アルムルと言う巨大な葉っぱを傘にしながらはしゃいでいた。


「こんな雨の中よく来たな……」


「雨、楽しいよ?てっしょーは遊ばないの?」


 妖精達は首をかしげている。

 こいつらに遊ばない日はないらしい。きっと毎日が楽しいんだろうな。


 そんな事を思っているとおやつがある事を思い出す。


「一旦中に入れ、おやつ作ったから一緒に食べよう」


「おやつー!」


 ぽてぽてと縁側から家に上がる妖精達。


「ちゃんと手を洗って来いよ!準備はしとくから!」


「「「はーい!」」」


 それから集まった妖精達とおやつを食べる。

 いつもの事ながら、とても幸せそうにおやつを食べておいしいと言ってくれる。

 なんでかいつもよりも嬉しいと思う。


 来ないと思っていたからだろうか?


 いつもなんだかんだで誰かと一緒にいて、騒がしくて楽しい毎日。


 一人でいるのが寂しかったのか?

 子供みたいだな、俺……


「てっしょーの分のアルムルも取ってきたから遊ぼー!」


 おやつを食べ終え足元に来て服を引っ張る妖精達は首を傾げる。


「? ……てっしょー、どうしたの?」


「あ、ああ、なんでもない。それにしてもどうやって雨の中外で遊ぶんだ?」


「雨の中アルムルを持つだけで楽しいのー」


「てっしょーも行こー」


 そう言ってぽてぽてと走っていく妖精達。

 アルムル持つだけで楽しいってどういうことだ?


 妖精の後について行って外に向かう。


「はい、これてっしょーの」


 すると妖精達の持ってるアルムルよりかなり大きいのを俺に渡した。

 俺が受け取ると妖精達はキャーキャーはしゃぎながらただひたすらアルムル持って雨の中を走り始めた。


 走ったせいか水が飛び跳ね小さい妖精達はすぐにびしょ濡れで泥だらけになる。

 しかし全くそんな事を気にせず楽しそうにしている。


 自身もアルムルを持って外に出ると、雨がアルムルに当たって傘に雨が当たる時と似たような音が鳴る。


 何故かその音を聞くとわくわくしてくる。


「アルムルの音は元気になる音なのー」


「おもしろいでしょー」


 不思議な効果があるんだな、アルムル。

 もう殆ど覚えていないが、小さい頃は傘に当たる雨の音が面白かったような気がする。

 大きくなってからあまり気にしなくなったけど良い音だと思う。


 ぽつぽつと、たまにぼつぼつと。


 雨が落ちて傘に当たり、音がする。

 なんだか少しずつ楽しくなってくる。


「てっしょー遊ぼー!」


「ああ、遊ぼう!」


 ほんとに身近なもの。


 普通に過ごしていたら気付かないようなもの。


 それでも純粋に楽しいって感じる。


 妖精達は楽しみ方を見つける達人なのかもしれない。

 俺が忘れて、見落としている事も見つけてくれて一緒に楽しんでくれる。




 水溜りを思いっきり踏んで走る。


 色んな水の音が響き渡る楽しい雨の一日。











小さい頃は土砂降りの日に傘差して歩くのが好きでした。

妙に楽しかったんですよ。

ふとその事を思い出して書きました。


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