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ほっこりスローライフ  作者: 蒼鈴六花
2章 訪問者と広がる世界
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第24話 海に行こう! 前編

前回の宴会にて登場したレッジ・エプラ兄妹再び。

まあ、ほんの少しですが。


スランプ気味で投稿が遅れております。



 泉に行った翌日。


「おーい、てっしょーいるかー?」


「ん?イシュナか、どうしたんだ?」


 玄関の戸を開けるとイシュナがいた。


「お前に渡して欲しいって頼まれてよ。酒をもらうついでに渡しに来た」


 そう言ってイシュナは紙を渡してくれた。


「……屋台無料券?」


「ああ、アメルハーナの海辺の屋台が全て無料になる券だ。つってもこんなの無くともお前なら無料でもらえるだろうがな。町の連中が海水浴にでも来いってさ」


「無料は嬉しいが何だか悪いな……」


「料理のアドバイスでもしてやれば喜ぶんじゃないか?ま、妖精とかつれて行きなよ。運ぶのは前に宴会に参加した見習いの兄妹にでも頼んでおいてやるから」


「……せっかくの好意だし、行くか。あ、でも水着ない」


「アメルハーナは海水浴でも有名な町だからいくらでも売ってるさ」


「そっか、じゃあ向こうで買おうか」


 そうして俺は異世界で初めての海水浴に行く事になった。




 翌日、レッジ、エプラ兄妹がやって来た。

 簡単に挨拶を済ませ、一緒に行く妖精達と姉御に籠の中に入ってもらって準備はできた。


「じゃあ行くっすよ!」


「出発」


 妖精達は初めての海水浴にはしゃぎまわり何度も落ちそうになり、かなりスリル満点の町への移動になった。




 アメルハーナ。


 町に着くと妖精達を乗せてきた籠は邪魔になるとレッジ、エプラ兄妹が預かってくれた。


「籠を預かる代わりに俺達の屋台に来てくれると嬉しいっす!」


「焼きミルタやってる」


 <解説>


 焼きミルタ。


 焼きそばみたいにソースをかけた麺を焼いた物。

 ミルタは麺の名前。ちょっとやわらかめの麺。

 味は海鮮風焼きそば。アメルハーナの屋台の定番。


 以上。


「わかった。必ず寄るよ」


「屋台は海水浴場の入り口付近っす」


「待ってる」


 二人とはそこで別れ、俺は妖精達や姉御と一緒に町に入った。


「大所帯だねー、てっしょーさん!今日は海水浴にでも来たのかい?」


「てっしょーさん!新商品できたんだ!味見してくれないか!」


 などなど町の人に色々声をかけられつつ、水着を買って(妖精達は水遊び用の服を着ている。姉御に服は不要)海水浴場へと向かった。


 途中、妖精達がはしゃいではぐれそうになったが姉御がいたおかげでなんとかはぐれずにすんだ。




 海水浴場。


「人いっぱいー!」


「うみー!」


「こらー!目に付く位置にいなさいって言ったろー!迷子になるぞ!」


 海水浴場についた途端海に飛び込もうとする妖精達を注意する。


「てっしょー!早く早くー!」


「水冷たいのー!」


 完全に海に夢中になっている妖精達は、海へと飛び込んでいる。

 幸い妖精達は何故か沈まないので溺れる事はない。


「ったく、仕方ないな。姉御、すまんが半分頼む」


 横にいる姉御に頼むと仕方ないなと言った目をしてから妖精達の元へと向かった。

 俺も、妖精達の元へと急いで向かった。




 ―――


 アメルハーナの海水浴場は夏に人気の高い場所だ。

 その為他の町からも海水浴に来る者が多い。


 今日もあらゆる所から来た海水浴客が沢山おり、思い思いに海水浴を楽しんでいる。


 そこにアメルハーナにはあまりいないはずの妖精達がぽてぽてとやってきて海に飛び込んでいった。

 妖精達の保護者と思われる何の種族か分からない青年とラーフィスが、妖精達がはぐれないように動き回っている。


 なんだかとても微笑ましい光景に、海水浴客達も妖精達が保護者と離れないようにしたり一緒に遊んだりし始めた。


 保護者の青年、てっしょーは手伝ってくれている海水浴客達に申し訳なさそうにしたが、海水浴客達は自分達がしたいからしていると笑顔で答えた。


 そして最後には海水浴客全員が一緒に遊んでいた。




 ―――


 なんだか周りの人に引き止められて、今日は帰らず宿で泊まる事になった。


 部屋は全員で一つの部屋を使い、二つのベッドには妖精達が転がって寝ており、俺と姉御はもう一つのベッドに座っていた。


「疲れたなー」


「……」


 俺がそう呟くと姉御がこちらを見上げる。

 なんだ?つまらなかったのか?と言った感じだ。


 俺が楽しんでいた事知っているだろうけど。


「楽しかったよ。だけどまさか見ず知らずの人達とあそこまではしゃいで遊ぶとは思わなかった」


 そう言うと姉御は少し呆れていた。

 多分、見ず知らずの人達と暴走して祭りを起こした人物が何を言っているのやらと思っているのだろう。


「前の祭りは無我夢中と言うか、気付いたら祭りになってたって感じなんだけどな……」


 今、思えばどうしてあんな祭りになったのかと思うが、記憶があんまりないし……

 考えていると姉御がぽんぽんと腕を叩いて外を指差した。


「そうだな……もう夜遅いし寝るか」


 そう言うと姉御は頷き、妖精達の寝ているベッドに向かった。

 それを見てから俺も座っているベッドで寝た。




 ―――


 町のとある建物の一室。


 町長と数人の男達が集っていた。


「急遽集ってもらって申し訳ないが、明日イベントを行おうと思うのじゃ」


 町長が集めた人達に言う。


「どうして急にイベントなんて始めるんだ?何かあったのか?」


「お前知らないのか?てっしょーさんが今日町に来たの」


「本当か!?ならイベントが起こるのも頷ける」


「だな、てっしょーさんなら仕方ない」


「で、どんなイベントをやるんだ?」


「ターゲットは海水浴客じゃ。でな……」


「おお、そりゃおもしろそうだ!」


「早速準備だ!時間がねぇ!」


「「「おう!!」」」


 密かな集会は慌しく終わる。




 ―――











てっしょーさんの知らない所で謎の集会が開かれて……

町長さんは悪乗りしやすい人です。ちなみに種族は亀に似たウィストル。甲羅は服に隠れてます。


焼きミルタはお昼に食べましたとさ。

兄妹、出番なかった……



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