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ほっこりスローライフ  作者: 蒼鈴六花
2章 訪問者と広がる世界
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第22話 畑ごっこをしよう!

また書こうと思っていたものと別のものを書いてしまいました。


どうしてこうなったのか……



 昼寝して過ごした日の翌日。

 朝ごはんを食べ終わって少しした頃に、妖精達がやってきて家の周りで遊び始めた。


 俺はそんな妖精達を眺めていたのだが。


「あ、そういえば種蒔くの忘れてた」


「種?」


 妖精達が集ってくる。


「町の料理人達にもらった土産の中に、種が何種類か入っていてな。それを畑に植えてみようと思っていたんだ」


「植えるー」


「種ちょーだい!」


「ああ、ちょっと待ってろ」


 俺は家の中に入って種を持ってくる。

 種の入った瓶を妖精達に渡すと、楽しそうに瓶を持って畑の方に駆けて行ってしまった。


 多分そのまま畑の近くで遊ぶだろうから、おやつも持っていこうと家に入り少し遅れて畑へと向かった。




 畑。


 畑に着くと大量の精霊と妖精達が謎の行動をしていた。


「なにしてんだ?お前ら」


 ぐぐっと力を込めて屈んでから万歳するように飛び上がるという不思議な行動を取っていた。


「あ、てっしょー。これはねー。畑ごっこなのー」


 なんだ?畑ごっこって。


「畑ごっこは畑ごっこなのー」


「見てればわかるのー」


 そう言われたでおとなしく畑の横に座ってそれを見る事にした。

 それから少しして妖精の前の地面がかすかに動いた。


 それを見た妖精は、さらに力を込めて飛び上がる。

 すると……


「はぁ!?」


 植物の芽が地面から出てきたのである。

 一瞬、某森のもののけの姿を思い浮かべてしまった。


 地面から生えた芽に、きゃっきゃと喜びながら、妖精達は畑ごっこを続ける。

 妖精達の動きに合わせて植物はどんどん成長していく。


 俺は唖然としながらそれを見続けた。




 数分後。


 畑は緑色に……いや、そんな生易しいものではなく畑に巨大な木のようなものが1本生えていた。そして畑の周辺、広範囲が植物で緑色になっていた。


 妖精達は木の周りで大喜びである。


「これ、なんだ?」


 呆然と呟く。


 木のようなもの。

 巨大な蔓が沢山絡み合って木のように聳え立っている。上を見上げると青々とした葉が茂り、下は蔓が根のようになっている。

 その木のようなものには、様々な葉と実がなっている。

 そしてその周りには、異様に巨大で様々な植物が生えている。

 妖精がその巨大な植物の葉に飛び乗って、トランポリンのようにして遊んでいる。


「てっしょー。面白いのができたのー」


 ぽてぽてとこちらに来ながらそんな事を言う妖精。

 あれを面白いと言うのか……


「なあ、あれ、なんだ?」


「わかんないのー」


 分からないらしい。


「じゃあ、畑ごっこはどんな遊びだったんだ?」


「畑にある草をおっきくする遊びでね、精霊と一緒にやらないとできないのー」


「後、あの木はねー、畑にあった草が混ざって別のものになってるの。だから名前わかんない」


 つまりあれは精霊の力によって、融合して変化した植物って事か。

 そう思っていると、別の妖精が果物を持って近づいてくる。


「てっしょー。これおいしいのー。他にも色んなのがあるから、これでおいしいの作ってー」


 そう言って渡された見たことのない果物。

 新たな食材!?

 かなり怪しい木から生えているけど、新たな食材である事には変わらない。


 この世界、見た目がアレな食材でも、おいしいものは多い。

 食材の外見なぞ気にならん!


 目の前の木は大量の未知な食材の宝庫。


「てっしょー。これも食べられるのー」


 木の周辺に生えている植物を持ってきた妖精がその植物を手渡す。

周辺の植物もかなり色んな種類があるみたいだが、これも食材となるのか……!


 すると目の前全てが食材の宝庫か……!


「クク、クハハハハ……」


 笑みが止まらない。


「アハハハハハハハハハ!」


 俺は目の前の未知なる食材に駆け寄った。



 ―――――――――――――――


 てっしょーの家に訪れたが、てっしょー達はいなかった。

 周りを見ると、畑の方に巨大な緑色の木が生えていた。


 妖精達が何かしたのかと思って、走っていくとそこには……


 思わずため息をつく。

 とりあえず緑に埋もれていたお菓子を回収して、妖精達をおやつで誘いだす。


 植物から離れた所で、妖精達とおやつを食べながらソレを見る。


「クハハハハハハハハ!」


 自身の知るものとは外見が同じはずなのにかけ離れている何か。


 まあ、危険は無いのだが、かなり恐ろしい事になっている。

殴れば止まるだろうが妖精が答える。


「おいしいもの作るために食材集めしてるのー」


 そう言っていたため放置した。



 ――――――――――――――――――

 

 気付いたら料理を作っていた。


 最後の料理を皿に盛ったところだ、というのは分かるが、それまでの記憶が無い。

 どんな食材でどう作ったかは分かるのだが……


 その料理を運ぶと、妖精達が席について待っていた。


「あれ?姉御、いつの間に来てたんだ?」


 姉御が自身の椅子に座って料理を待っていた。

 そして姉御は俺が質問すると、こちらを見てため息をつき、やれやれと言った感じの行動をとる。


 その行動に首をかしげつつ料理を運んで皆で食べた。


「ちーずふぉんでゅー!」


 妖精達が楽しむだろうと、町で買ったカプトルのチーズで作ったチーズフォンデュを作ったが、やっぱり喜んでいるようだった。


 串に刺した野菜などをチーズにつけて楽しそうに食べている。


 一方、姉御は土産にもらった果実酒と、ムルカという牛に似た魔物の肉のハムを食べていた。

 ちなみに姉御は酒も好きで酒豪だ。

 外見はうさぎだから違和感が凄いが。


 俺は、酒はあんまり飲まない。

 この世界は酒に年齢制限はないが、なんか周りから飲むなと言われている。

 飲むとすぐに寝るからかなり酒に弱いんだと思う。だから周りも飲むなって言うのか?


 まあ、味は好きだが、寝てしまうより皆と楽しみたいから酒は控えている。


 今だって酒を飲んでいるのは姉御だけ。

 妖精は、個体差はあるもののすぐに寝てしまうので宴会とか以外は飲まない。


 皆で集まって楽しく料理を食べる。


 こんな幸せな時間を少しでも長くいたい。

 寝たらすぐに終わっちゃうだろ?


 だから酒は姉御にあげよう。




 謎の満足感と小さな幸せを感じながら、夕食は賑やかに続いた。











てっしょーさんまた暴走しちゃいました。こんなつもりは無かったのですが……

しかも今回はちょっとだけ暴走状態の様子が……?


某森のもののけがわからない人多そう?ヒントはト○ロです。あれ?答えになってしまいました。

なんか、やりたくなったのですよ……


ちなみに木には畑に植わっていたもの以外の新種やら色々実っていたりします。

周りの植物は食べられない物もありますが木はどこをとっても食べられたり……


長くなってきたのでこの辺で。


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