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ほっこりスローライフ  作者: 蒼鈴六花
2章 訪問者と広がる世界
25/39

第20話 紹介しよう!

なんというかここ最近やたらハイテンションで投稿。

今日からちょっと更新ペース落とすかもです。


後、妖精さんの絵が3枚増えました。


「見て行ってねー」

だそうです。


 町から帰り、宴会をした翌日は宴会休みとなった。

 何故か途中から宴会の記憶がないが……まあ疲れて寝ちまったんだろう。


 宴会休みの次の日は、町で買った食材でおやつを作り妖精達に振舞った。


 そして今日……




「心の準備はできただろ?」


「ああ、できたさ。できたとも……」


「んじゃ、町行くぜ」


「はぁー……」


 今日は発表の日だ。

 とても気が重い。


 だが、発表さえ終わってしまえば町で食材買って帰れるし我慢しよう。


 売り物の入った籠をふと見ると何故か妖精が1人と姉御が入っていた。


「何で妖精と姉御が……」


「あーそれは、逃げないように念のため入れた最終兵器」


「そんな事しなくとも逃げないわ!!」


 どんだけ俺が逃げると思っているんだ!

 少し怒りながらも町へと向かった。




 アメルハーナ。


「お、やっときやがった!」


「予想より早まったせいで時間がねぇ!野郎ども連行しろ!」


「「「おおーー!!」」」


 町に着くとすぐさま料理人達に連行された。

 そして連れて行かれた先は町の大広場。


 そこにはすごい数の人がいて特設ステージができていた。

 ステージの上では町長が何かを発表していた。


「では名前を料理祭とし、恒例行事とする!!」


「は?」


 俺が原因で起きた祭りが恒例行事となっていた。

 唖然として動きが固まった俺は料理人達の手により密かに特設ステージの舞台裏に向かって連行されていく事に気付かなかった。




 舞台裏。


 俺が舞台裏に連行されるのと同時に町長が特設ステージから舞台裏にやってきた。


「おお!君が謎の料理人か!ささ、皆待っておる!ステージに来るのじゃ!」


「はぁ!?す、ステージ!?なんでそんなとこで紹介すんだ!すごい人だかりだったぞ!」


「それだけ町の者が期待しておるのじゃよ!ほれ!行くぞ!」


「なにが心の準備はできただろだぁーーー!!こんなとこで紹介されるなんざ聞いてねぇぞーーー!!」


 叫ぶ俺は町長に引きづられステージに立たされる事になった。

 妖精がこっそりステージに上がっているのに気付かないまま。




 ステージ上。


「皆の者!この者が祭りを始めた謎の料理人、てっしょーじゃ!!」


「「「おおおおおおおおおお!!!」」」


 町長がそう言うとすごい大歓声が沸き起こった。

 え? なんでこんな大歓声なんだ?


 思わぬ大歓声にさらにがっちがちに緊張する。


 様々な質問をされるも答える事が出来ない。


「では、特技はありますか?」


 司会者の女性がそんな質問にこっそりステージに上がっていた妖精がぽてぽてと俺のところに来て。


「てっしょーは歌がとってもうまいのー」


「!?」


「てっしょーさんのお連れの妖精ですね?それにしても歌ですか……意外ですね」


「い、いや!得意じゃないから!下手だから!!」


 慌てて誤解を解こうとするも。


「そんなに慌てて怪しいですね……でも、妖精は嘘をつかないんですよ?」


 こいつらが嘘をつかない事なんて一緒にいれば誰だってわかる。

 だが!


「下手な歌を妖精がおもしろいと思ってそれをうまいと言ったかもしれないだろ!」


「それはそれで気になりますね。妖精におもしろいと思わせる歌ですからきっとウケますよ!」


「ウケたかないわぁ!!」


「どうやったら歌ってくれますかねー」


「誰が歌うか!!」


 そう考え始める司会者。

 そして地味に歌ってコールし始める町の住人。

 くそっ! こいつら何が何でも歌わせてやるって感じだぞ!


 其処にステージに上がってしまった妖精を連れ戻すべく姉御がやってくる。

 そしてそれに司会者が気付く。


「あら?こんな所にラーフィスとは……」


「あねごー」


ぽてぽてと妖精が姉御に近づくのを見た司会者は何を思ったか。


「てっしょーさんのお連れさんだったんですね!えーと姉御さん、てっしょーさんに歌を歌わせる方法知りませんか?」


 姉御は司会者をじっと見る。

 その後、俺を見た。


 しばしの沈黙の後……


「あねごー。てっしょーの歌聞きたいー」


 沈黙を破った妖精さんの声が聞こえた瞬間、姉御は消えた。

 誰もが一瞬にして消えた姉御に驚いた。


 俺も驚いて一瞬固まった瞬間、目の前にフロセ酒(特)を持った姉御がいたと思った途端、気を失った。





 突然消えた姉御にどよめく会場。


 そして次の瞬間、フロセ酒(特)を持った姉御がてっしょーの目の前に立ち、一瞬にしてフロセ酒をてっしょーに飲ませた。


 その後姉御はてっしょーが目をとろんとさせたのを確認してから妖精に目を向けた。

 妖精はわかったーと言ってぽてぽてとてっしょーの前に立って。


「んー?なんだー?」


「てっしょー!歌って!」


「おうーいいぞー」


「ほいほい、マイクですよー」


 司会者がマイク(といっても機械ではなく、風の精霊に気に入られた棒。声を届ける効果を持つ)をてっしょーに手渡す。


「おー、んじゃー、うたうぞー」


 そして歌い始めるてっしょー。


 その瞬間、町中が静まり返った。


 それから。


「おい、これっておとといに聞こえた謎の歌じゃないか?」


「そうだよ!こんな綺麗な歌歌える奴ぁそうそうにいねぇ!」


「てめえら!静かにしろ!歌が聞こえねぇだろ!」


「あんたが一番うるさいよ。だまりな」


「すいやせん……」


 町の住人は、おととい聞こえた謎の歌がてっしょーによるものだと確信した。


 その後、てっしょーが眠ってしまうまで誰一人として大広場から離れなかった。





「んあ?」


 目を開けると知らない場所にいた。


「あれ?俺、なんで寝てたんだ?」


 確か特設ステージに引っ張り出されたのは覚えているんだが……


「お、起きた起きた。もう夕方だぜ?そろそろ帰った方が良いんじゃないか?」


 部屋に入ってきたイシュナに言われた。


「は?夕方?なんでそんな寝てたんだ俺」


「あー……やっぱり覚えてないのか。まあ、その方が都合が良いがな……」


「ん?なんだって?」


 後のほうが小さくて聞こえなかった。


「いや、町長がお前を引き摺ってステージに向かっただろ?その時お前が頭ぶつけて気絶しちまったんだよ」


「そうなのか?その割に頭は痛くないが……」


「精霊族は傷の治りが早いんじゃないか?精霊に愛されてるし」


「ふーん……そうなのか?」


 精霊に愛されているって……あいつらよく俺の周りに浮いているけどさ。


「あ、そうだ。もう店を回る時間はないだろうからって料理人達が色々とお土産を用意していったぜ。ほらよ」


 どさりと後ろに置いてあった荷物を出した。


「じかに店を回って食材探しをしたかったんだけどな……まあ料理人のおっちゃん達の選んだのなら大丈夫か。あ、そういえば妖精と姉御は?」


「ああ、あいつらなら……お、丁度来たみたいだ」


「てっしょー」


「……」


 妖精と姉御が入ってくる。

 妖精はお菓子を手に持っている事からもらってきたのだろう。


「それじゃあ、町を回れないのは残念だけど帰るか」


「帰るー」


 そうして俺達は再び大量の土産(一人が持ちきれる量)を持って帰った。





 裏話。


 海の町、アメルハーナ。


 ここにはある暗黙の了解がある。


 それは、てっしょーさんに酒を飲ませてはならない。と言うものである。


 これは町でてっしょーが歌を披露した際に歌のファンとなった者がてっしょーにこっそり酒を飲まそうとしたところ、その場に居合わせたもの全てが気絶すると言う事件が起きた。


 その場にいた者に何があったか聞くと青ざめるだけで何があったか答える事はなかった。

 ただし……


「てっしょーさんに酒は飲ませるな!」


 場にいた者全てこれだけは喋った。


 その後、酒をてっしょーに飲ませるととんでもない事になるから絶対飲ませんな。ととある人物が注意を促し、暗黙の了解が生まれた。


 なお、暗黙の了解の中にはてっしょーさんに酒の暗黙の了解や歌の事を話してはならぬと言うものもある。


 後は、精霊の歌姫という名を本人の前で語らない事など。


 他にも暗黙の了解は色々あるが、今日はこの辺で。











てっしょーさんにお酒を無傷で飲ませられるのは妖精さんと姉御だけです。


今回、歌に対して力が漏れ出てなかった様子。

姉御の飲ませ方がうまかったのか?真相は謎の中。


……まさか、紹介で歌を歌う事になるとは思わなかった。

こんな展開書く予定まったくなかったんだけどなぁ……


では、この辺で。

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