第17話 町へ行こう! 後編
ほんとは昨日投稿予定だったのですが、うっかり投稿忘れて寝てしまって……
いつもと違う時間の投稿になりました。
魔物紹介編と言うか町の話は種族の紹介の話にするつもりだったのにまったく紹介しないまま終わってしまったです。
ほっこり度が……
では、てっしょーさん暴走の最新話どぞ。
ルジルさんの店から出て町を巡りながら最終目的地である市場に到着した。
ラセル市場。
「ここからがラセル市場だ」
海の匂いが漂う巨大な市場。
人が沢山いる。
狸っぽいのやサメっぽいのや本当に様々な人達だ。
イシュナ曰く、魔物から進化した種族が多すぎるから、ウィストルと言う名でまとめられているらしい。
細かい種族名は本人達しか知らない場合が多いんだとか。
結構大雑把な人が多いので、細かい種族名はいらないんじゃないかな? って人もいるみたいだ。
ただ、魔物から進化した種族は全てウィストルというのは大雑把過ぎる気もするが……
市場に着くまではそんな事を考えていたが、市場に入った途端考えている事が吹っ飛んだ。
「未知の食材が!海鮮も肉も野菜も!おおおおおおお!!」
「お、おい!市場についた途端壊れ始めたぞ!?」
「て、てっしょーさん落ち着いてくださいですーーー!?」
これが落ち着いていられるか!!
目の前には未知の食材がこれでもかと広がっているのに!!
俺は翼をはためかせ今出せる全力で店に近づく。
きゃーと、妖精の喜ぶ声が聞こえた気がしたが今はそれより!
「これはどうやって調理するんだ!!」
「う、うおっ!?に、兄ちゃんちょっと落ち着けや」
店主と思われる猫っぽいウィストルのおっさんが驚いている。
「おい、てっしょー!正気に戻れ!」
「そうですよー!これじゃあ他の人に迷惑かけちゃいますー!」
むむ、迷惑になるのはだめだ。
うう……落ち着け俺!落ち着くんだ!
「店主……調理法を教えてくれ……!!」
「あ、ああ、聞くのと実際に見るのとどっちがいい?」
「見る!!」
どうしたんだ店主? そんな怖いものを見るような顔で。
俺は落ち着いているぞ?
「いや、落ち着いてねえよ?」
イシュナが何か言った気がするが気にしない。
「さあ、調理法を見せてくれ!!」
青ざめている店主に案内され店の中の調理場へ。
調理場。
店主に見本を見せてもらい、調理したものを味見する。
ちなみにこの店主の店は魚屋だが、肉や野菜等の調理法も教わった。
全ての見本は無理だが、簡単な奴を少し見せてもらい、後は話してもらった。
「……」
「ど、どうです?」
まだ青ざめている店主。
だが、今はそんなのは気にならない。
未知の味が……!!
「……イシュナ、ルルフィ、店主。この金でベルククとレコラタと……」
俺は店主に食材を言っていく。
見せてもらった食材は全て覚えた。
忘れるものか!
「……とカーレログを買って来てくれ。後、店主。ここの調理場をしばらく借りるぞ」
どうした皆?そんなに青ざめて。
俺は早く未知の食材を調理したいんだ。
「包丁持ってんな事言うな!こえーよ!!」
「さっさと行け……早く俺に調理させろ……!」
その言葉で全員が飛び出して言った。
「ク、ハハハ、アハハハハハハハハハ!!」
まってろ未知の食材!!すぐに調理してやる!!
それから時間は過ぎ。
???視点。
市場の入り口の近くにある魚屋に人だかりが出来ていた。
最初はおいしい料理がタダで振舞われていると言う話から人が集っていたのだが、市場中の料理人がいつの間にか集い、料理を振舞っていた謎の人物の料理に己の料理人魂が燃えたとかで魚屋の調理場に料理人が向かい、その数分後に一人の料理人が出てきて……
「市場にあるとっておきの食材持ちこめぇぇぇぇぇぇぇ!!祭りじゃあああああああああ!!」
と叫び、祭り好きな町の人々はすぐさま祭りの用意を始めた。
祭りの準備はすさまじく早かった。
よほどこの町の住人はお祭り好きらしい。
まあ、どの種族も祭りは好きだし嫌いな種族はいないと思われるが。
ともかく祭りは準備が整った瞬間。
「皆の者ぉぉぉぉぉぉぉ!祭りの始まりじゃあああああああ!!」
町の町長である老人が祭りの開始を宣言した。
町の住人は料理が振舞われている所に食材を持ち込み、その食材はすぐさま調理された。
どれも凄腕の料理人により素晴らしい料理になっていった。
その中でもちらほらと見たことのない料理があった。
この町独特の料理なのかと町の人に尋ねると町の人もこんな料理見たことないと言う。
食べている人を見ると何故か固まって涙を流していたり気絶していたり。
そんなにまずいんだろうか?だが、ここに並べられている料理は町で凄腕と言われる料理人達が作ったはず。
そういえば、見たことのない料理は町の人達の知らない料理。
町の料理人も町の人の知らない料理でおいしい物ならすぐに店に出すと思うが、新作の料理にしても数が多すぎる。
というか、中にはこれは料理なのか?というほど芸術的なものまである。
明らかにこの町の料理人が作ったものではないだろう。
となると、これを作ったのは最初に料理を振舞っていた謎の人物が作ったものの可能性が高い。
ならこの料理は外の町の料理なのだろうか?
まあ、ここで考えていてもこれ以上は分からないだろう。
実際に料理を食べてみよう。まずくない事を願って。
そして料理を少しだけ食べてみた。
「……」
言葉を失った。
視点変更。
その後、祭りはどこからか運ばれてきた妖精達が持ち込んだ酒により町の酒が解禁され、おいしい料理とおいしい酒に町の人達は狂喜乱舞した。
特に見たことのない不思議な料理を食べた者の歓喜っぷりはひどく、その不思議な料理に町の人は殺到した。
最初は、食べた者が固まって涙したり気絶したりなどしていたため相当にまずい料理を作る料理人が紛れ込んでいるのでは? と思われていたが、復活した人々がこんなうまい料理は初めてだ! と感動していたため徐々に人々が集り始めたのだ。
見たことのない料理の中にはデザートも含まれ、その味は女性陣達を虜にした。
一部の人達はこの料理を作った人物は誰かと料理場に殺到したが料理人により追い出され、結局誰が作ったかは知る事は出来なかったが、後日落ち着いたら発表すると言う事で落ち着いた。
町は夜になっても賑わいが続き、結局次の日の昼頃になるまで落ち着く事はなかった。
だが、人々の顔は幸せそうで辛そうな顔の人は一人もいなかったとか。
この祭りから数日後に毎年この祭りをやろうぜという話が持ち上がり、町の人達に反対する者はいなかったため、この祭りを料理祭と言う年間行事にした。
この祭りを毎年やる事を決めた日だが、実はもう一つの発表が行われていた。
最初に祭りをやり始める発端となった謎の人物を紹介する発表である。
その人物は人前に出る事を極端に嫌がったが、料理人達に捕まって強制的に舞台に立たされ、一躍町の有名人となった。
もう、アメルハーナの町で彼の名前を知らない者はいない。
町に現れた謎の人物。
妖精達と共に住む者。
最強の料理人。
唯一の精霊族。
などなどの口々に囁かれるその正体とは……
「あ、てっしょーさんだ!」
「てっしょーさん!今日仕入れた物見てくれ!」
「おーい!てっしょー!」
「だあああああ!!指差すな!仕入れた物は見に行く!てめぇは用もないのに呼ぶな!」
天津鉄勝。
今日も彼は大忙しです。
視点終了。
簡単な食材紹介。
ベルクク:見た目は触角の生えた緑のなまこに近い生物。味は鶏肉に近いらしい。
レコラタ:サンゴのような色をした海草の一種。味はレタスに近いとか。
カーレログ:ひらひらしたヒレなどのついた海に棲むカエル。味は普通の鶏肉のようだが食感がゼリーのようななんとも言えないもの。調理次第で食感は変化する。
以上、今回出てきた食材の説明でした。
うん。書きたかった話と180度くらい違う方向に行きました。
どうしてこうなったのか……
まさか、てっしょーさんが暴走すると思わなかったんですが……市場のシーンを書いた途端暴走しました。
目の前を埋め尽くすかのような未知の食材祭りに暴走するしかなかったのでしょう。
なんか町の人達も異様な祭り好きになってしまったりしたけど……
この話の裏側版も書くのも良いかも?外伝か何かで。気が向けばですけど。
まあ、色々と書きたい事があるような気がしますがここで次回予告?
次回、祭りから帰ったてっしょーさんと妖精さん達は魔物の宴会に巻き込まれ?
※なお、この次回予告は外れる可能性もあります。