表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ほっこりスローライフ  作者: 蒼鈴六花
2章 訪問者と広がる世界
19/39

第14話 初めて来る人

この話から第2章。 

最近ほっこリ度が少ないような……


2章はかなり1章と雰囲気変わると思います。

でも一応この作品全体の雰囲気は1章のようになればなぁと思っています。


 ???視点。


 久しぶりに酒の出る木がある山を訪れるとでかい家が建っていた。


「明らかに妖精のものじゃねぇよな……」


 地面に下りてぐるりと家を見てみると家の住人らしき人物がいた。


「なんだこいつ?ここらは妖精とウィストルぐらいしかいなかったはずだが……」


 寝ている家の住人(仮)に近づくと妖精がこちらにやってきた。


「あー!イシュナだー!」


「おー、久しぶりだな。酒もらいに来たぜ……ってその前にこいつ、なんだ?なんか精霊にすごく近い雰囲気だが明らかに精霊じゃねぇし」


「てっしょーだよ!家族なの!」


「こいつ、てっしょーって言うのか……なるほどねぇ……」


 じーっと観察する。

 白い羽と黒い角を特に見る。


 すると相手が起きた。

 寝ぼけた目をこすってこちらをぼーっと見ている。


「っよ!」


「!!」


 声を欠けた途端、目を大きく見開き驚いていた。

 ……なんかこいつ、面白そうだわ。


 視点終了。


 妖精が綿毛で旅立つ事件から数日後。


 旅立った妖精は新しく生まれた奴だけだったらしく、俺の所に来た奴が新しく増え、結局今までいた妖精+1と言う事になった。


 別に一人増えた所で特に毎日が変わるわけでもなく、今日はいつもよりお菓子作りを早く終え、妖精達が来るまで昼寝をしようと縁側で寝ていたのだが……


 目が覚めて最初はぼーっとしていたから気付かなかったが……


「っよ!」


 片手を挙げてニッと笑顔で声をかける赤毛の人物がいた。


「!!」


 びっくりした。

 バッと起き上がってじっとその人物を見る。


 胴着のような灰色の上着は黒い帯で留められ、中に白い服、白い膝くらいの長さのズボン。赤い玉と牙の首飾り、足は裸足で金の輪が右足に一つ、左足に二つ、足首の辺りで浮いている。とてもシンプルな格好だが、そこそこ筋肉のありそうな感じ。


 髪は赤くツンツンしていて、耳は尖っていて金の輪のピアスをしており、目は赤く、顔はさわやかなタイプ。悔しいがイケメンという奴だ。


 って……!


「人間!?」


「にんげん?なんだそりゃ。俺はイシュナ。種族はグロウクリエスってんだけど長いし別名の神族の方で皆呼ぶぜ」


「しんぞく?」


 何だそれ、人のような種族なのか?


「えーと神族ってのはな、それぞれ何かを司ってて生き物を進化させたり繁栄させたりする種族?姿は他も俺と似たような奴だ。あ、ちなみに俺は戦いを司ってる」


 それって神様って事か?


 そう思ってから急いで翼を羽ばたかせ妖精達を抱えてイシュナって奴から遠ざける。


「おいおい、いきなりなんで遠ざかるんだ?」


「自分の事を神様だなんていう奴、危ない奴か痛い奴に決まってる!!」


 そう言うと相手は困ったように頭を掻いた。


「かみさま?……お前、何か勘違いしてねぇか?司るつっても大した事やってないぜ?俺なんか戦い司ってんのに戦いなんて起きないから今じゃ喧嘩司ってるとか言われてるしな」


 俺の思ってる神様とこの世界の神族ってのは違うって事か?

 そう思っていると抱えている妖精達が見上げてくる。


「てっしょー、イシュナは危なくなんかないよー」


「大丈夫だよー」


「お前等がそう言うなら信じる」


 とりあえず妖精を降ろして履物を履く。

 その間、相手はじーっと珍しそうに見ていた。


「今気付いたけど珍しい服だな」


「妖精と作った服だからだろ」


「へー、……なあ、お前の名前と種族教えてくれねぇか?妖精達はてっしょーとお前の事言ってたけど」


 そういえば自己紹介してなかった。


「俺は……鉄勝。種族は、分からん」


 苗字は相手も言わなかったし、この世界に苗字なかったら説明が面倒だから言わない。


「種族は分からんって自分の種族だろ?なんでわからねぇんだ?」


 相手はすごく不思議そうだ。

 妖精達を見るとこちらも何故か不思議そう。


「ねぇ、てっしょー。てっしょーはどうやって産まれてきたか分からないの?」


 それを聞いてこの世界に着たばかりの頃をちゃんと話した事がなかったのを思い出す。

 話し忘れていた。


「一から話すか……とりあえず少し長くなるから家に入れ。お菓子も出す」


 とりあえず家の中で話す事にした。




 数分後。


 妖精達は俺の作ったお菓子に夢中な中、話をした。


「そりゃ、分からねぇな」


「だろ?」


 目が覚めたら山の中、その後妖精達と暮らすようになり、少し前に精霊化してしまった事など今までの事を話した。


 それを聞いたイシュナは俺が自身の種族が分からない理由を知り頷く。


「だが、種族がわからんと色々と説明に困るだろうし精霊族とでも名乗ればいいんじゃねぇか?」


「精霊族?」


「精霊にもっとも近い種族って事で精霊族」


 安直な決め方だな……


「名乗るような事はなさそうだけど……って、ん?種族を名乗るような事って良くあるのか?」


「いや、大抵見りゃあ種族が分かるがお前は分からねぇからな。町とかに行ったら聞かれると思うぜ」


「町!?町なんてあるのか!」


 この世界にそんなものあったのか!


「お、おう……あるぜ。まだ少ないけどな。この辺は未開拓地だから知らねぇと思うけど」


「未開拓地?」


 ここはそんな辺境だったのか?


「まあ、世界のほとんどが未開拓地だけどな。まあ、まだ神族が進化や繁栄に手をかけていない土地を未開拓地と言っている」


「神族の手で進化や繁栄をさせている?」


「あー、神族は精霊と協力して生き物を進化させて繁栄させんだ。その他にも色々やってるが……まあ、神族も精霊も寿命なんてほとんど無いに等しいからかなりゆっくり町とかが出来つつある」


 その後、イシュナは未開拓地を減らすのはゆっくりだが生き物の発展は早いとも付け足す。


「なあ、その神族が進化させた種族ってのはどんなのがいるんだ?」


「主に意思がしっかりしている魔物から進化した種族、ウィストルは大量にいるから説明は省くが、妖精から派生した種族は二つ、クルフェーアとエルジアリーがいる」


「妖精から派生した種族なんているのか!?」


 なんか……想像できない。


「ど、どんな奴だ?」


「どうって言われてもな……あー、めんどくせぇ。お前、町に来ねぇか?」


「町に?俺、行っても良いのか?」


 行けるんだったら楽しみすぎる。

 町って言うくらいだから店とかあるだろう。

 この山以外で取れる食材……ああ、未知の領域が広がっている!


「行って良いから言ってんだろ?町はしっかりとした理性のある奴なら受け入れているぜ」


「店とかもあるんだよな!」


「あるけどよ……お前、金はあるのか?」


「!!」


 盲点だったー!!


「お、おい。そ、そんなに落ち込むなよ……さっきの菓子とかかなりうまかったし、ここの妖精はかなり手先が器用だから何か作ったやつ持ってけば売れるって」


「色々作ったから余り物があるけど、それでも売れるか?」


「ここの奴等が作ったものなら出来は確かだろうし売れんだろ」


 よし!行ける!


「待ってろ!今すぐ集めてくる!!」


「は!?ちょっと待て!今すぐ行く気か!近くの町まで俺でもかなり速めに飛んで30分はかかるぞ!!ってもういねぇ!?」


 俺は町にあると思われる食材が楽しみすぎてイシュナの声は聞こえていなかった。




 取り残されたイシュナと妖精は……


「なあ、あいつ、いつもあんなんなのか?」


「今日のてっしょーはいつもと違うのー」


「すごく楽しそう!」


「最初に思った通りおもしろそうな奴って事か……アウラあたりに紹介したらおもしろい事になりそうだな」


「アウラってだれー?」


「変な女って言うとどこかで聞かれてそうだからそうだな……綺麗な神族のお姉さんって言って置くか」


 そんな会話をしていた。


 慌しい一日はまだ続く。











はい、新キャラ登場です。


後、山の中だけの話じゃないんです。

次回てっしょーさんは山の外にお出かけです。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ