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ほっこりスローライフ  作者: 蒼鈴六花
1章 スローライフを始めるまで
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第13話 春風の旅立ち

小説投稿1年記念。一応。


2章への繋ぎの話を考えようと思ったんですが……


最近文章が少ないので、2章は増やして生きたいです。

では、最新話どうぞ。


 精霊と空を飛んだ俺は、下に降りてから妖精達に抱きついた。

 妖精達はいつもと違う俺の行動に少し驚いたけど、すぐに笑顔になって応えてくれた。


「おかえり!てっしょー!」


「ああ、ただいま……皆……」


 そうして俺は帰ってきた。


 家族の元に。




 それから数日後。


 あの日以来、よく妖精が家に泊まりに来るようになった。

 魔物達もたまに泊まる。


 精霊達から妖精や魔物達に、俺が寂しがっていたのが伝わったらしい。

 もう、ふっきれたんだけど……それでも皆の優しさが嬉しくて。

 自分が幸せ者だと感じる。


 前より毎日が楽しくなった。


 そして、日課となった妖精用のおやつを作っていると……

 いつも通り妖精達が来た。


「てっしょー」


 でも、人数が少し少ない。

 それに……


「ん?いつもより少ないし見覚えのない顔が……」


 一人だけ見覚えがない男の子の妖精がいた。


「はじめましてー」


 普通の妖精より小さくやや幼い感じのする子だ。


「初めまし……て……?」


 初めまして?やっぱり初めて会ったんだよな?

 でも、どこから来たんだ?


「てっしょー。この子は昨日生まれたんだよー」


 別の妖精が答える。


「生ま……れた?」


 ……え?


「はぁ!?ど、どう言う事!?」


「僕達はねー、精霊の力の強い所で生まれるんだよー」


「最近てっしょーが、精霊みたいになっちゃったからここら一帯の精霊の力がすごく強くなっちゃったのー」


 つまり、俺が精霊化したのが原因で生まれた子な訳か……

 って……!妖精って精霊の力から生まれる生物だったのか!

 精霊と妖精が似ている訳だ……


「……ここら一帯の精霊の力が強くなっている、か。もしかすると他に精霊化した事が原因で何か起こっているかもしれないな……」


 植物の成長とかも精霊の力が影響しているらしいし……


「あ、そうだ!あのねてっしょー!スプリウィスが飛んでくの!捕まって飛ぶと楽しいんだよ!この子の他に新しく生まれた子や他の皆も先に行ってるのー!」


 は?この子以外に生まれた子がまだいる!?


「てっしょーも早く行こー!」


「あ、ああ。お菓子はいつも通りそこの籠の中だ」


 なんか嫌な予感がするような……?

 妖精達に案内されて、スプリウィスの群生地に向かった。




 目的地に向かう途中でスプリウィスの事を教えてもらった。


 プチ解説。


 スプリウィス、別名ハルカゼ草。1年に一回綿毛のような花で種を飛ばす。形を聞くとタンポポの綿毛みたいな花だ。


 解説終了。


 なんでも、綿毛に捕まるとふわりと浮いて飛ぶのでおもしろいんだとか……ってやばい。

 川遊びの時と同じだ……あの時は流されてそのまま戻ってくる事を考えず、今回は飛ばされてどう帰るか考えてない……


 目的地に近づくと大量の綿毛が空を飛んでいて壮観だったが、それに紛れて妖精が綿毛に捕まっていてそのまま飛ばされていた。


 ああ、やっぱり考えてなかった!


 翼を出して飛ぶも、羽ばたく時に吹く風で綿毛が遠ざかる。

 これでは近づけない……仕方なく一旦降りて下から呼びかける。


「こらー!どこまで飛ぶ気だー!帰れなくなるぞー!」


 妖精達の一部は聞こえないのかそのまま飛んでいってしまう。

 残りは何を考えたのかそのままダイブ。


 かなり高い位置から落下してくる妖精達。

 一人だけならまだしも六人いる。

 いくら妖精が頑丈だからってこのまま落ちたら……!


「止まれーーーーーー!!」


 気付いたら叫んでいた。

 それと同時にふわりと風が吹く。


 地面を見ると妖精達が地面すれすれで浮いていた。

 本人達は楽しそうに笑っている。


 それを見てほっとすると、きゃー! と言う楽しそうな声と共にもう一人の妖精が落ちてきた。

 完全に油断していて間に合わない! と思った瞬間、黒い影が飛び出し、妖精をキャッチした。


「姉御!」


 黒い影は姉御だった。

 姉御の来た方に妖精がいるので、呼ばれてきたのだろう。


 姉御は妖精を下ろし、こちらにやってきた。

 完全に気が抜けた事でへたりこんでいる俺の頭を背伸びして撫でてくる。


 頑張ったな。けど今度は気を抜くなよ?

 と言った感じの姉御。


「……ありがと。姉御」


 気にするなと手の動きで伝えて空を見る。

 飛んでいってしまった妖精が何人か。

 もう、戻っては来られないだろう……


 どうしようと思っていると妖精達が近づいてきた。


「大丈夫だよてっしょー」


 そう言う妖精。

 姉御も頷いている。


「どうして大丈夫なんだ?」


「わかんないけど多分大丈夫ー」


 その回答にまた気が抜けた。

 そしてなんとなく分かった。


 おそらく妖精達はどこでも生きられるのだろう。

 どこに行ったってその地の魔物達と仲良くなって持ち前の気楽さと技術力で生き残るんだろうな……

 そう思うとなんとなく大丈夫って思う。


 けどさ……


「家族に何も言わずに行ってしまうのはやめて欲しい。そうじゃなくても心配なのに……」


「わかった!」


 元気良く答える妖精達。

 ほんとにわかっているのか……まあ、大丈夫だよな。


 そう思っていると妖精が服を引っ張る。


「ねぇ、てっしょー!さっきの魔法すごかったね!」


「へ?魔法?」


 何時使ったんだ?


「落ちてくるのを止めるのに使ったでしょ」


 ん?


「あれ、自分達でやったんじゃないのか?」


「違うよー。てっしょーの声に周りの精霊の力が反応したの」


 精霊化の影響、羽や角以外にもあったのか……

 今回はそのおかげで助かったけど。


「てっしょー!あのふわふわ風もう一回やってー!」


「できるかわからないけど、やってみるよ。そのかわり、危ない事はするなよ?」


「はーい!」


 妖精達が風でふわりと浮かぶ。

 それと同時にその風にあおられてスプリウィスの綿毛が飛んでいく。


 春風と共に、妖精を連れて空へと旅立っていく。


 年に一回綿毛を飛ばすようだからきっと毎年妖精を連れて飛んでいくのだろう。


 もしかしたら妖精は世界中にいるのかもしれない。




 そう思いながら空を見上げて旅立った綿毛と妖精を見送った。









何か……文章が変なような気がしますが……一応2章への繋ぎです。

次の話から2章突入です。

焦ってる感じもしますが……


2章のタイトル、まだ決めてないや……

近いうちに最新話投稿したいです。


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