表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ほっこりスローライフ  作者: 蒼鈴六花
1章 スローライフを始めるまで
15/39

第10話 お花見に行こう!

レビューが嬉しくてつい最新話書いちゃいました。

少し短めですがどうぞ。

 演奏会から数日後。

 俺は縁側で妖精達と日向ぼっこしていた。


「お日様気持ち良いねー……」


「ああ、そうだなー……」


 うつらうつらと寝てしまいそうになる。

 このまま寝てしまうのも良いかもしれない。

 そう思っていると……


「てっしょー!見て見てー!」


 妖精が走ってこちらに来た。


「どうした?」


「これー」


 妖精は綺麗な蒼い花と桜色の花を持っていた。

 蒼い花は菖蒲のような花で花の中から?型の蔓が飛び出し、その先に雫のようなものがついている。

 きらきらと日の光を浴びて光っていてとても綺麗だ。


 そして桜色の花は……


「ほんとに桜そっくりだな」


「これはね、アスセサルって言うのー」


「サララ草とも言うんだよ」


「へー」


 アスセサルと言う花は桜の花に白い線がすっと入ったような花。大きさは 大体桜と同じ。

 だがこちらは木に生える花ではなく、地面に生える花である。


 ちなみに菖蒲のような花はアリオロスと言うらしい。


「なあこれ、どこで取ってきたんだ?」


「森の泉の向こう側ー」


「たくさん咲いて綺麗だったー」


 それなら一度見てみたいな……

 ん?そういえば……


「今の気候って大体春って感じだし……少し違うがお花見と言うのもいいな」


「おはなみって?」


「桜って花を見て楽しむ事、かな?宴会したりもするけど、宴会は今回禁止な」


 演奏会の時の事もあるし、魔物の連中には前回の宴会騒ぎについて反省させないとついて来そうだし。


「宴会楽しいのに……」


「しばらく宴会をやる気にはなれん。その代わりお菓子持って行こう」


「お菓子!」


「わーい!」


 少し落ち込み気味だった妖精達はすぐに明るい笑顔になる。


「丁度新しく作ったお菓子もあるしさ、早速皆を集めてお花見に行こう」


「わかったー!」


 妖精達が走っていく。

 何人呼んでくるのか分からないが少なくとも妖精全員分のお菓子は必要だろう。

 魔物の分を混ぜると少し足りないかな?


「うーん。こういう時に材料ためて置ける所あったら便利なんだけどな……」


 これがきっかけで後々氷室を作る事になるが、それはまた別の話。


 俺は台所へと向かった。




「てっしょー呼んできたー」


「ああ、ありがとな。こっちも丁度追加のものができた。ほら、この籠持って」


 お菓子とかをいれた籠を二つ妖精に渡し、最後の一つは自分が持つ。

 外に出るといつものメンツがそろっていた。


 いざ、泉の向こう側へ。




 泉の向こう側。


「おー」


 泉を越えて少し歩いた所に絶景が広がっていた。


 花びらが風で舞い、不思議な……とても澄んだ音が風と共に鳴る。

 すごく幻想的な光景だ。


「この音はねアリオロスが出してるんだよ」


「あの雫みたいなのが他のアリオロスの雫と共鳴して音が鳴るのー」


 妖精翻訳+解説。


 アリオロスの雫は蔓の先に溜まった雫を魔力で固めた結晶。

 なぜかは分からないが近くにある他のアリオロスの雫と共鳴して音を出す。

 以上。


 不思議な花なんだな。

 それにしても良い音だ。どう表現したらいいのか分からない。

 だが、聞いていると水の中にいるような感じがしてくる。

 

 ほんと不思議だ。

 たまに一人で静かにしたい時に聞くとしよう。


 それと……かすかに甘い匂いもする。妖精によると風で花びらが舞うように飛んでいるアスセサルの匂いらしい。

 とてもいい匂いだ。


「ジャムができるかもな……」


「じゃむって?」


「甘い物だ。直接食べるものじゃないしお菓子でもないけど、おいしいぞ」


「甘いの?食べたい!何で作るの?」


「普通は果実とかを使って作る物なんだが、花びらでも作れる。アスセサルの花に毒は無いんだったら作れるな」


「毒無いよー」


「じゃ、花びらを集めれば作れる」


「集めるー!」


 妖精達が一斉に花畑に走っていく。


「あ、こら!お花見に来たんだから花散らすなよ!風で浮いてるのを取りなさい!」


 妖精達がきゃーきゃーと騒ぎながら楽しそうに浮いてる花びらを追っかけ始めた。


「まったく……これじゃあお花見にならないかな?まあ、あいつらが楽しいんならいいんだけど」


 妖精達を見ていると服を引っ張られた。

 見て見ると姉御が手で指した方向で魔物達が宴会を始めようとしていた。

 姉御は良いのか? と目で言って来る。


 俺は魔物達に向かってゆっくり歩いていった。




 数分後。


 何匹か倒れてる魔物を放置しながら姉御達と一緒に花と妖精達を見ていた。


「酒は無いけど果実のジュースは持ってきた。これで勘弁してくれ」


 すっと木でできたコップを出して催促する姉御。


「姉御はフラウメオの実が好きだったな」


 フラウメオは苺に似た木になる果実。

 味も苺に似ている。やや苦いが。


 それでもジュースを作ったのでそれを姉御のコップに入れる。

 ちなみに水筒は妖精達が作った木でできた物。精霊が力を付加しているから冷たくも熱くも出来るし保存も出来る優れもの。

 魔法ってほんと不思議だ。


 まあ、そんな感じでジュースとお菓子をつまみながら妖精達と花を見続ける。

 たまに妖精がこちらに来てお菓子を持っていく。

 補給だそうだ。


 飽きもせずに花びらを追っかけまわす妖精達。

 お菓子を食べて空になった籠に花びらを入れていく。

 少しずつ溜まっていく花びらに喜びながら、駆け回る。


 全然お花見ではなくなってしまったけど、皆満足している。

 俺も皆が楽しいならかまわない。


 今日も楽しい一日が過ぎていく。


 顔を上げると澄み切った青空と共に、風がアスセサルの花びらと舞って、アリオロスの雫の音が風に乗って響いていく。


 どこまでも続いていくように――










今回はお花見という事で新たな植物が多く出てきました。

やはり魔物や植物図鑑作って載せようかな?とか思ってます。いっぱいいますし。


そして今回はいつもとは違う時間に投稿です。

レビュー嬉しさに舞い上がってるので……


では、誤字脱字・感想アドバイス等お待ちしております!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ