同じ服
翡翠と水無月が暮らし始めて一週間が経つ頃、轟が翡翠に色々と話してきた。
朝起きるとご飯が出来ていて・・・
お昼、夜に帰ると出迎えてくれる・・・
まるで嫁さんをもらった気分だ・・・
翡翠は思う。
だが、顔が前髪で隠れて見えない・・・
どんな顔してんだろう・・・
「はぁ・・・」
ため息を吐く翡翠に轟が話す。
「どうだ、女との生活は?」
「ああ、快適だよ」
「へ~ぇ、女に興味ねぇとか言って上手くやってんじゃん」
「勘違いすんなよ、身の回りの世話をしてもらってるだけで何もしてないよ」
「ふ~ん、別にいいけどよ~、あの前髪どうにかなんねぇか?」
「あ・・・前髪ねぇ・・・」
「この前尋ねたら、幽霊だと思っておもわず叫びそうだっぞ!まるでホラー映画に出てきそうだぜ・・・」
「そこまでは酷くないだろう」
「いや、お前は良いかもしれんが他人から見たら結構怖いぞ」
「それが・・・初めて俺の家に来たときに・・・」
ー一周間前ー
「水無月さん、その前髪どうにかしたらどうだ?」
翡翠が前髪に触れようとしたら・・・
「ビクッ」
水無月がおびえたのだった。
「はっ、ごめん・・・おどろかせた・・・」
その後、翡翠は髪事を言わなくなった。
「でもよ・・・、怖くねえ?」
「あはは・・・慣れたよ」
「顔にでも怪我でもして見せたくないのかもな?」
「そうかもな」
「だがお前さ、女心わかんねぇ~奴だよな」
「何だよ急に?」
「俺の3.4倍給料高いんだからさ、服ぐらい買ってやれよ」
「えっ?」
「えっ、じゃねえだろ、いつ見ても同じ服着てるぞ!お金渡して服でも買ってきてお洒落しろとか言えよ」
「ああ・・・気づかなかったよ」
翡翠は苦笑いをする。
帰る途中考え事をする翡翠。
確かに・・・
此処に来た時、お金ないとか言ってたな・・・
お金ないとお洒落も出来ないし・・・
家に着くのだった。
「ただいま」
水無月はお帰りなさいと書いた紙を見せる。
「ああ・・・」
何時もと違う様子の翡翠に気がつき、何か仕事であったのですか?と書いて見せる。
「いや、なんでもないよ、夕食食べようか」
水無月は頷いた。
翡翠は今日一日の出来事を話しながら水無月の服を見る。
確かに・・・
此処に来た時と服装が同じだな・・・
早く、気づいていれば彼女に辛い思いさせなくてすんだのに・・・
思うのだった。
お風呂に入りながら翡翠は思う。
轟からも怖がられる彼女が居ても俺は当たり前だと思っている・・・
俺は・・・
水無月が好きなのかもな・・・
密かに恋心を抱く翡翠だった。
水無月が居て当たり前の生活で翡翠は水無月が好きになっていく・・・