見合い
異世界へと行く水無月、翡翠は見合いをすることになる・・・
「翡翠・・・最悪な令嬢に捕まったな~」
轟が翡翠に言う。
「そんなに最悪なのか?」
「お前知らないのか・・・」
「知らん、女に興味ないからな」
「えっ、まさか・・・男に?」
「馬鹿!なおさら男に興味はない!」
「その令嬢てわがままの性格も最悪なくらい悪いらしいぜ」
「うっ、そんなに・・・性格でもよければ救いようもあるのに・・・」
翡翠はガックリするのだった。
翡翠たちは警備をしていると天から光りが降りてくるのを見た。
「あれなんだ?」
「どれ?」
「あの光りだよ」
「えっ、何処?」
轟には見えないらしい。
「轟、此処は任せた!」
「えっ、お、オイ、翡翠どこに~」
翡翠は飛び出す。
森の辺りを探すと聖なる森の大木の下に女性が倒れていた。
「オイ、オイ、大丈夫か?」
翡翠が抱き上げるとなぜだか心地良い、いや、こんなに波長があった女に合うのは初めてだった。
なぜだか助けなくてはいけないと言う衝動にかられ病院に急ぐ翡翠だった。
警備に戻る翡翠に轟が言う。
「なぁ~翡翠」
「何だ、轟?」
「お前、婚約はしていたよな」
「ああ・・・氷河一族の長の娘とな。」
「長の遊び心というか・・・」
「ああ、確か俺が12の頃だったと思う、長と任務に出ているとき氷河一族の長の奥さん粉雪様が助けを求めてきた。」
「そうだったな、綺麗な人だったな」
「ああ・・・」
ー22年前ー
確か水の国が反乱を起こしたとき。
「翡翠、行くぞ!」
「はい」
警備につくと・・・
「長、あそこに誰かが!」
「あれは・・・」
長が女性を抱き上げると・・・
「貴女は・・・」
「氷河一族の粉雪と言います・・・水の国の反乱からどうにか逃げてきたのですが・・・」
助けたのである。
数日後、氷河一族の長氷河が迎えにきたのだった。
「助かりました、火の国の火炎殿」
「いや、お互い様だよ」
「たいしたお礼は出来ないが・・・」
「そうですね、この子を貴方の婚約者にどうかしら?」
「えっ!俺のですか?」
「ええ、この子が立派な女性になり、翡翠貴方が誰とも結婚していなければもらってやって下さい」
「でも・・・」
「がはは翡翠、いいじゃないか、氷河その話し受けよう。」
「助かる、今後もよれろしく」
「ああ」
「だったな~」
「もし、その娘が生きていたら22じゃないか?」
「ああ、いい女になってると思うが・・・」
「お前な~、婚約者が居るからとか言って見合い相手に断りを入れればいいじゃん」
「あっ、そうか!ありがとう轟!」
翡翠は見合い会場に向うのだった。
「申し訳ありませんが、この見合い断らせてもらいます。」
「なぜだ!」
貴族の父親が怒りをあらわにする。
「俺には婚約者が居るんです、長も御存知ですよね。」
長も苦笑いしながら思い出したらしく。
「そうだな」
「何処の娘じゃ、婚約者とは?」
「氷河一族の娘、水無月姫です。」
「なんと、あの氷河一族の・・・」
貴族の父親の困った顔をした。
「でも、氷河一族は滅んだと聞きましたが?」
「やめるんだ櫻・・・氷河一族は不思議な力を持っていると言う、どんな状況になっても約束は守ると言う」
「でも、お父様!」
「よさんか、行くぞ櫻」
「お父様、嫌です。」
「櫻、見苦しいぞ!」
「ですが、じゃ、せめて友達にでも・・・」
困る貴族の父に長が・・・
「友達くらいならいいだろ翡翠」
「友達なら・・・分かりました。」
貴族の娘は嬉しそうにするのだった。
しばらく貴族の娘、櫻と話すがどうしても楽しめず、助けた女性のことばかり気にするのだった。
どうにか見合い相手に断りを入れる翡翠だが・・・