月夜
水無月は半信半疑で手紙に書いてある元の世界に行ってみょうと決断するが・・・
水無月は叔父さん家族と暮らし始めて半年が経つ頃、叔父さん夫婦からサプライズのプレゼントをもらう。
「水無月ちゃん、本当にありがとう!感謝の気持ちなんだけど気晴らしに旅行でもどうかなと思いチケット買ったんだけど・・・」
水無月はにこやかにチケットを取る、紙にありがとうと書きお礼を言った。
「今の季節沖縄て台風にあたらなければ良いバカンスが出来るそうよ!私達は仕事が軌道に乗り始めているから行けないけど一人でも大丈夫?」
水無月は頷くのだった。
沖縄旅行に着てから数日、大自然と気さくで人懐こい沖縄の人々にふれあい癒されるのだった。
ホテルのベランダで月夜を楽しんでいた時のこと、ふと指輪を手にした。
本当に私って異世界の者なのかな・・・
二つに輝く指輪を見つめると誰も居ない部屋から声がした。
「お前は此処に居てはいけない・・・元の世界に戻るべきだ。」
振り向くと亡き父が立っていた。
父さん・・・
「今異世界では調和が崩れ始めている、お前が必要になる歌姫水無月よ・・・」
えっ、父さんじゃないの・・・
消えていこうとする父を水無月は掴もうとしたが手をすり抜け消えた。
私・・・
疲れてんのかな・・・
しばらく月夜を眺め眠りについた。
ー異世界ではー
「おーい、翡翠!」
「何だ、轟」
「聞いたか?」
「何を?」
「まだなのか?お前に見合いの話しがきたそうだぞ!」
「なんだそれ、聞いてないぞ!」
「長に聞いてみろよ、ある貴族のお嬢さんがお前にひと目ぼれしたそうだ。」
「断ってくる!」
「まぁ~がんばれ」
翡翠は長の家に急ぐ
「長!居ますか?」
「ああ~良い時にきた翡翠、入りなさい。」
「轟から聞きました、俺は見合いなんてしません」
「それが・・・私も困っている」
「なにがです?」
「その見合い相手がこの村の資金提供をしている貴族の令嬢でな・・・」
「・・・」
「写真でも見てくれ」
長は写真を翡翠に渡すが翡翠は目も通さず出て行った。
確かに俺も今年で34歳だが結婚相手くらい自分で選びたい・・・
木の上に腰掛けながら溜息を吐く。
「はぁ・・・まだ、綺麗な方だったら・・・」
写真にはゴリラ顔の太っている女が写っていた。
翡翠は月夜をしばし見て帰るのだった。
水無月は元の世界に戻るか戸惑うが異世界では翡翠が見合いの話しでこまっていた・・・