表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/45

女好きな先輩

皆さんおはようございます、サボりの女子生徒Aです。


毎回違う名前だけど同一人物なのでご安心を。



突然ですが新キャラが登場しました。



「へぇ、君って花崎歌だよね」



保健室。

ここで出会いのイベントが起きる確率はまあ低くはない。


でもまさか本当に起きるとは。


二時間目出るの面倒くさくて保健室のベッド勝手に借りて寝て起きた結果がこれか。

しかも先生が今日は出張でいないし。



……なんで鍵が開いていたかは想像におまかせ。



「あの……なんでわたしの名前知ってるんですか?」


「だってあのダブルプリンスと同居してるんでしょ?有名だよ」


「えっうそ」


「ホントホント。オレ香坂馨っていうの、よろしくね歌ちゃん」



香坂馨。

女好きで有名な三年生。


ってこの前新聞部が発行してる週刊!校内すくーぷ。に書いてあった気がする。



「ああ、はい?……あの、ところで保健の先生は」


「いないよ、知らないけど保健室開いてたからサボってただけ。歌ちゃんもサボり?」


「いえ、ちょっと具合が悪くて」


「ほう?どれどれ」


「えっ!?ちょっと」



うわあ……。

なにこれ、男に飢えてる私への嫌がらせ?


ここまで主人公を発揮させる花崎歌はもうまさに選ばれたって感じだよね、何かに。



「俺のおでこよりあっついね。少し熱あるかも」


「いや、あの……顔近いんですけど」



なるほど。

おでことおでこで熱を計るって感じなのか、ベタベタだね。


羨まし……くはないわ、だって女好きな香坂馨だし。



うんうん、カーテンで仕切られて見えないけど、頬を赤くする初々しい花崎歌が安易に想像できる。



「キス、できちゃいそうだね。しちゃう?」


「え、あっ!し、失礼しましたーっ!」



バタバタと騒々しい音がしたあと扉を勢いよくしめる音。


去ったのか、それでまた一週間後くらいにまた会って「あの時の……!」みたいになるんですねわかります。



「さて、と」



香坂馨がそう呟いた瞬間、シャッとカーテンが開く音がした。



……え?



「盗み聞きしてるのだーれだっ」



分かってたよ、こういう女好きのキャラはなぜか人の気配に鋭いんだよね高い確率で。


でもこの状況はマズいってことくらい分かる。



「……」



むくりと起き上がり、私は上履きを履いた。



「無視?」


「……」



チラリと一瞬だけ香坂馨を見る、しかしソイツはそれを見逃さなかった。



「ねえオレ暇なんだ、遊ばない?名前は?」


「サボりの女子生徒A」


「は?」



綺麗な顔が一瞬にして間抜けになった、いやー香坂馨も漏れなくイケメンだわ。


香坂馨が面食らっているうちに私はできるだけ無表情を保って歩き保健室を出た。



出た瞬間、





走る!



運が良いことに香坂馨は私の顔をバッチリは見てないようだった。

アイツがいた角度からじゃ前髪の長い私の顔はよく見えまい。


今日前髪切ろうっと。



まだ誰もいない渡り廊下で私は止まった。



あ、保健室開けっ放しだ。

まあ後で閉めればいいかな。



……あの保健室は、私が開けたからね。


さっきは想像にうんたら言ったけど別に隠す必要はない。


私はサボりの女子生徒Aなのだから!




サボり魔&女好きの先輩、香坂馨。


これで四人目だ。

普通ならあともう二人、最初から攻略できる奴と全員攻略してから初めて攻略できるようになる、いわゆる隠しキャラみたいなのがいるはず。




今日の日付は九月十六日。

花崎歌が転校してきて二週間とニ日。



メンバーが大体揃ってきたようだった。


で、コイツ……いや先輩はミスプリ的なもので二位だった人だったりする。


正直私には見た目くらいしか取り柄ないように見えるけど。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ