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結果として、残り3回の講義は概ね好評だった。


テーセウス王国の歴史、地理を絡めたのと、少しのグループワークを取り入れたことが良かったようだ。


最後にアンケートを回収したところ、植物学に興味を持ってくれた子がいるようで、ルフェルニアはほっと胸をなでおろした。心の中でギルバートに手を合わせることも忘れない。


「早速ですが、アンケートの内容を拝見しました。生徒たちにとてもわかりやすく面白い講義をしていただいたようで、ありがとうございました。」


最終日の夕方、最後の挨拶に学園長であるロビンの部屋に向かうと、バロンが嬉しそうにそう口にした。


「こちらこそ、貴重な機会をいただきありがとうございました。私自身にとっても、良い勉強になりました。」


「テーセウス王国は、自給率を気にしてはいるのですが、なかなか農作物や薬草に興味を持ってくれる人材が育たないのです。今、王宮で重用されているのは工学や物理、そして工業に詳しい者が多いからでしょう。それでも少しずつ、学生のうちから意識を変えていきたいと思っていたので、このアンケートを拝見してとても安心しました。ぜひ来年もルフェルニアさんにお願いしたいです。」


ルフェルニアは初めて自分が選んだ道を誇らしく思えた。

文官への道をユリウスに拓いてもらったことで、仕事には満足していたが、心の中でずっと“研究者になることを諦めた自分”を責めていたのだ。


「ええ!ぜひまた機会があればよろしくお願いいたします!」


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