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「…ん?」


ルフェルニアが目を覚ますと、自分の手が誰かの手と繋がれているのが見えた。


(ユリウス!)


すっかり覚醒してベッドに伏せていた上半身をぐっと起き上がらせると、ユリウスと目が合った。


「おはよう、ルフェ。」


ユリウスの声は少し枯れているが、その表情は穏やかだ。


「…ユリウス、ユリウス。」


ルフェルニアは胸がいっぱいで、次に発する言葉が全く思いつかなかった。笑顔でいたいのに、ルフェルニアの瞳からは大粒の涙がはらはらと流れた。

ユリウスは「ここにいるよ」と、ルフェルニアを安心させるように、弱い力で繋いでいた手を握り返す。


「ルフェルニア嬢、ありがとう。」


ルフェルニアはベッドの反対側にいた、サイラスとアンナに気づき、慌てて涙を拭った。


「そんな、私は何もしていません。」

「そんなことはない、すべては君が導いてくれた奇跡だ。まだ投薬は必要だろうけれど、少しずつ自身の力で魔力が放出できるようになってきているようだ、これは良い兆しだよ。」

「そうよ、私からもお礼を言うわ。ありがとう、ルフェルニア嬢。」


(本当に良かった。ユリウスが元気になるかもしれない。みんなが諦めないでいてくれて、本当に良かった。)


再び言葉に詰まってしまったルフェルニアの背を、アンナが優しくなでる。

ルフェルニアは、3人に見守られる中静かに泣き続けた。

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