1/90
第1章 フラれました。
「私、ユリウス様のことをお慕いしております。」
ルフェルニア・シラーは仕事終わりの部屋で、ユリウス・ミネルウァへそう告げた。
ユリウスは書類から上げた目を丸くして、驚きのあまり、いっとき言葉を失った。
「ルフェ…、僕は、その…、君と男女の関係になることを考えたことが無いんだ。」
ユリウスは、突き抜ける青空を思わせるスカイブルーの瞳を、居心地が悪そうに彷徨わせて答えた。
ルフェルニアはこの答えを予想してはいたが、ぐっと胸が詰まりそうになる。一方で、もしかしたらユリウスも自分を好いているのではないかと思っていたことを大いに恥じた。
このままユリウスを前にしていては感情が爆発してしまいそうだ、と無理やり口角を上げる。
「…でも、」
「ごめんなさい、急に困りますよね!私が気持ちに区切りを付けたかっただけなのです。
また来週から上司と部下としてよろしくお願いいたします!」
ルフェルニアはまくしたてるように喋ると、ユリウスの言葉を遮って、勢いよくユリウスの居室を飛び出た。