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始まり

「はっ!」


 春斗は目を覚ました。


「俺は確か首を吊ったはず」 


 断片的だが、確実に、間違いない記憶。

 だが今、青年はベッドの上で横たわっている。

ふとスマホを見たら時間は18時30分

 寝ぼけた頭で辺りを見渡すと2つ目の疑問が生じる。


「おかしい」


 部屋のどこかに感じる違和感が気持ち悪かった、自分の部屋のようでそうでないような、昨日見た景色とは少し違う。

 もう一度スマホを見る。

 18時35分


 20XX年 4月6日


 気がついた。


「3年前に戻ってる!?」


 正確には2年と4ヶ月、時は高校の入学式前日になっていた。

 そして気がついた。


「俺こんなに変わったんだ」


 中学時代と高校時代の自分のギャップ、わざわざ気にしなくても良いようなことなのに、見過ごせなかった。

 再び入り込んできた負の感情。同じ自分なのに天と地ほどの差を感じざるを得なかった。


「もういい、もういいんだって、もうほんとに…」


 春斗はおもむろに勉強机に向かい、左腕を置く。引き出しから鋭利なものを取りだし腕を切り裂く。いつもの流れのはずだった。

 しかし、机の中にあったものは人生で初めてのラブレターであった。

 中学校の卒業式で告白するはずだったのに結局勇気が出なかったもの。

 人生の極大値であった中学校での日々を思い出し、情けなさと惨めさで今日はベッドに戻ることにした。

 傷だらけの左腕を押さえながら。


 

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