強欲の泉を奪還せよ
夜が明け、『強欲の泉』を奪還せんとする戦いの火蓋がきられた。
「「「「うぉぉぉぉぉぉ!!!」」」」
威勢よく、ヒロタカ達は飛びだして奇襲を仕掛ける。
突然の奇襲に不意打ちを交えながら、着々と『強欲の泉』まで、攻め込む。
血なまぐさい匂いが鼻を刺す。もはや、自分の血か魔獣血か判別つかない。
ヒリヒリとした緊張感が命を取り合う戦いだというのを度々意識させる。
「メーニン!『強欲の泉』まであとどれぐらいだ?」
「大体300mだと思う。ボスは…まだ見えないわね」
だが、『嫉妬の観察機』でも確認したがボスクラスの魔獣は存在した。残り300mほどで出くわさないのであればいつ出くわしてもおかしくない。
「メーニン、そろそろアリステラさん達と固まるぞ」
「了解」
そう言うと、ヒロタカ達は辺りを見渡し、アリステラ達の居場所を確認する。幸い、さほど離れた場所にはいない。
アリステラの方もヒロタカの居場所を確認し、ヒロタカと目があった。
(そろそろか?)
(はい)
言葉こそなかったがアリステラとヒロタカは目があったときにそんなテレパシーを感じた。
言葉の会話がなくヒロタカは伝わったかどうか不安だったがアリステラが敵をなぎ倒しながら寄ってきた為、伝わったのだと思った。
アリステラがヒロタカの元へ到着した数秒後、ゴルドンも到着した。
「――ッ!来るっ!」
魔力を感じ取ったメーニンがいち早くその存在を知らせる。
その魔力の気配からして、恐らくボスであろう。
――メーニンが言葉を放った刹那、黒く鋭い手がアリステラの背後から迫っていた。
メーニンの言葉に反応しアリステラはその存在に気付き、如意棒を立たせ、その攻撃を間一髪防いだ。
ギギギ…とほんの数秒アリステラと奴は如意棒と手をかち合わせながら睨み合う。
「ふん!」という掛け声と共に如意棒を振るい、奴を投げ飛ばす。
「――チッ」
「おいでなすったな!」
「キキキ…おいでなすったのはそっちだろうが。ダクラの『強欲の泉』は渡さないよ」
トカゲのような顔に、口からニョロニョロとした舌を出し、手の平は小さく代わりに爪は鋭く長い。おまけに体は吸い込まれそうなほどの闇…もとい黒色を基調としている。なんとも奇妙で珍妙な姿だ。
惹き込まれそうな闇の瞳はアリステラを捕らえていた。




