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異世界に誘拐されました。  作者: 自然の輪廻
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危険な夜風

「アハハハハ!楽しい!楽しい!楽しい!楽しい!」


 黒い翼を広げ、空中を舞いながら、底が見えなくて呑み込まれてしまいそうな黒い魔力の弾をヒロタカ達に打ちまくる。


 空中を舞っているため攻撃もし難い。


「ヒロタカ!バランス感覚ってある?」


「それなりにならなぁ!」


 襲い掛かる黒い弾を避けながらメーニンの問いに答える…次の瞬間だった…


「《ストームドライブ》」


「うおぉ…!?」


 メーニンはヒロタカの足に風を纏わせて宙へ浮かばせる。


 これなら…!


 そうして、ヒロタカは短剣を握りしめて、大きく振りかぶる。

 メーニンが風を操り、ヒロタカが弾に当たらないようコントロールしながら徐々にスピードを上げていく。


「––ッ!」


 短剣にメーニンの魔力が流れ込み、光を放つ。そして…


「《サイクロン・スラッシャー》」


 アリシアの腸に深く傷をつけた。力がなくなった様にアリシアが地に向かって落ちていく。

 メーニンはヒロタカを少し後ろにずらし、体制を整えさせ、ヒロタカの背を勢いよく押した。


「《ストームキック・ストライク》」


 ヒロタカは左足を折り曲げ、右足を突起させる。そして、落ちゆくアリシア目掛けヒロタカが射出される。

 ヒロタカの足は見事に鳩尾にヒットし、地に押し付ける。そうして、勢いのままにアリシアを地に押し当て地を削らせた。


 最後にアリシアを強く蹴り、離脱。


 この程度で死ぬとは思っていないがかなりのダメージを与えた…と思う。

 それは、ヒロタカの足の感触が物語っていた。


 不利的状況からメーニンの機転で打破し、相手の出方を待つ。

 砂埃がアリシアの姿を隠し、ヒロタカ達はそれを睨むのみ…そして


「《フォー・オブ・フォース》」


 声が聞こえたその刹那、砂埃を掻き分けヒロタカの目の前にアリシアはその姿を現した。


 魔力で作った淡く赤く光る剣のような形をした物をヒロタカに振るう。

 剣と剣が交差し、歯をニカリとさせたアリシアと対峙する。


 ジリジリとヒロタカの短剣は押されていく。

 このままでは押し負けてしまう。


 ヒロタカは力を逃がし、アリシアの剣の行方をずらす。

 そうして、アリシアの腹に蹴りを入れて、距離を離し、辺りを見渡した。アリステラやメーニン、ゴルドンの援護がなかったからだ。


「アリシアが…四人…?」


 そこには、アリシアと一対一で戦っているアリステラ達がいた。

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