裏切り者は誰なのか?
例の騒動が終わり、犠牲者達の埋葬と怪我の治療がある程度済んだ頃、ヒロタカはアリステラにいつもの図書室に来てほしいと言われた。
無論、断るわけもなくヒロタカは図書室に向かっていた。
「アリステラさーん、ヒロタカでーす。来ましたよー」
ドアを3回ノックしてヒロタカであることをアピールする。
するとドアが開き、アリステラが顔を出す。
「来たか…まぁ、入れ」
と手招きをする。そうしてヒロタカは図書室の中へ足を踏み入れた。
「ゴルドンとメーニン…?」
「あら、ヒロタカも呼ばれてたんだ」
「フン、遅かったな」
「これで、全員揃ったな」
図書室の中にはヒロタカ、アリステラ、メーニン、ゴルドンの4人が集まり、アリステラに視線が集中していた。
メーニンとゴルドンもアリステラに呼ばれたのだろう。
「んで、アリステラ。呼び出しておいてなんの様だ?」
「あぁ、結論から言うとこの村に裏切り者がいる」
「「「裏切り者…?」」」
3人の声が同時に図書室に響く。
「どうゆうことなの?アリステラ?」
「数日前から畑が荒らされていたり、食肉庫が荒らされていたりした」
「でも、それだけなら裏切り者ではなく魔獣の可能性もあるのでは…?」
「群れを率いるボスならまだしも普通の魔獣にそんなことする知能があると思えない」
「なら、そのボスが…」
「ボスクラスの奴が来てたら私や魔法が得意な人がすぐ気付いて知らせるわ」
「じゃぁ…本当に…」
村の誰かが…?
「–––馬鹿馬鹿しい…」
ゴルドンが俯きながら呟く。
「ふざけんじゃねぇぞ!俺たちずっと協力してこの状況を乗り越えようと…生きようとしてたじゃねぇかよ!何で…何であいつらを疑わなきゃならねぇんだよ!!」
「ゴルドン…」
ゴルドンが声を荒げて、苦しそうに叫ぶ。そうして我に返ったのかゆっくりと椅子に座り、
「悪い…取り乱した」
「––、本題に入るぞ」
するとアリステラは本棚からとある本を取り出し、パラパラとページを捲る。
「これを見てくれ」
「『嫉妬の観察機』?」
「あぁ、かつての英雄が残した『7種の神器』の一つ、『嫉妬の観察機』について書かれている書物だ」
その書物によると『嫉妬の観察機』はシールを貼った所から一定の範囲内に居る動物、人間、魔獣の居場所が分かるらしい。おまけに名称まで丸わかりだ。
「アリステラさん…これの在り方は…?」
「既に、把握済みだ」
つまり、ヒロタカの察した通りだろう。
「ここにいる4人で『嫉妬の観察機』」を奪還したい…協力してもらえないだろうか…?」
その場に「NO」と言う人はいなかった。




