砂ぼこりは勝利を確信するように
土埃が辺りにたち、なにやら大きい人影がそびえ立っている。
「ペッペッ!土が口の中に入りやがった」
黄虎は舌を出して唾をそこらに吐き捨てる。
土埃が収まっていき、段々と人影の全貌が現れていく。
「――!ゴルドン!」
「よぉよぉ!どっちゃんがっちゃん聞こえると思ったらなんだこの有り様は!」
「ゴルドン…お前…石斧はどうした…?」
「壊れたよそんなもん」
そう言うとゴルドンは右拳を握り、黄虎の腸にめり込ませる。
すると、黄虎はバランスを崩し、尻餅をつく。
「ゴルドン!そのままそいつの相手をしててくれ!」
「おう!任せとけ!」
黄虎とゴルドンが殴り合い始める。その間、アリステラはヒロタカの側へ行き。
「ヒロタカ…!ヒロタカ…!――っ意識無しか…」
懐から包帯を取り出し、ヒロタカに巻き付け、止血する…これで一命は取り留めるだろう。
「さて、ゴルドンは…っと」
ヒロタカは少し遠くに移動させ、ゴルドンの方を見る。見た感じゴルドンの方が優勢そうだ。
「おらおら!ガタイの割に大したことねぇなぁ!!」
「――っ!」
優勢…だが、黄虎を倒すにはあと一歩足りない。それに、いつまでこの状況が続くか分からない。
「はぁ…!」
足に力を入れ、地を抉り、黄虎に突進する。
如意棒をくるくると高速で回転させる。
だぁぁん!!という轟音が黄虎の脛に当たり、黄虎が悶絶する。
「がっ――!」
黄虎は膝を折り、地に膝が着く。
「アリステラ!」
「あぁ!」
ゴルドンが跳び跳ねるとアリステラの如意棒にゴルドンの足裏をのせる。そうして、グッと力を入れ、ゴルドンを高く跳ね上がらせる。反動でアリステラは飛ばされてしまうが。
「おらぁぁぁぁ!!」
ゴルドンは握り拳を作り、その拳を黄虎の脳天にぶち当てる。
黄虎の頭は地と重なり、完全に潰れたのだった。
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暗くて深い水の中に、ゆらりゆらりと体を委ねて、揺れる。そして、徐々に暗い水の中に光が差し込み、覚醒する。
「知らな…くない天井だ」
「言い方が回りくどいな」
いつもの寝床の天井を見ていたら、アリステラの声がした。
「あー、アリステラさん…おはようございます」
「あぁ、おはよう。体はどうだ?」
体をお越しながら、アリステラと会話をする。体はどうか?と聞かれたな…
「なーんか、頭がボーッとしますね…――っ!!あいつは!?あいつを倒さねぇと!」
「落ち着け、ここはいつもの村だ。あの虎みたいなのは倒した。ついでに『怠惰の武器精製』も奪取した」
立ちあがろうとしたらアリステラに頭を押さえられ無理矢理座らされる。何故肩じゃなく頭のかっと思ったら、肩に包帯が巻かれていた。恐らく折れたのだろう。折れた…と意識した瞬間、ジンジンと痛みが増す。
その痛みがヒロタカの平静さを取り戻す。
「すみません…混乱しました…」
「仕方がないさ、それじゃ私は寝るとするよ。おやすみ」
「おやすみなさい」
そう言うとアリステラは部屋から出て行く。
ヒロタカは寝ようと思ったが中々寝付けず、夜風に当たることにした。




