赤い血が滴る
敵の呼称を黄虎とします。
黄虎の拳がヒロタカめがけ迫ってくる。
ヒロタカはその拳を短剣で受け止め、横に流す。
そうして、ヒロタカは黄虎から距離を取る。
「アリステラさん、大丈夫でしたか?」
「あぁ、助かったよ。感謝する」
アリステラに大事はないと分かり、ヒロタカはひとまず安堵する。
恐らく黄虎もアイントスパイドの様なボス的存在で、『怠惰の武器精製』を守っているのだろう。ならば近くに『怠惰の武器精製』があってもおかしくない。
「『怠惰の武器精製』はどこだ?」
「答えると思うか?」
「だろうな、言ってみただけだ」
「そこのドアの向こうだ」
「いや、答えるのかよ…」
「ここまで来たらどうせ見つかるしな…その前に俺がテメェらの息の根を止めるが」
空間にはヒロタカの来た出口と『怠惰の武器精製』があると言う扉しかない。確かに教えようがなかろうが見つかるだろう。
「はっ!」
声を上げ、ヒロタカは黄虎に急接近し、斬りかかる。だが…
「チッ…刃が通らねぇ…」
黄虎の体は肉厚で傷をつけられ無かった。
––ッ!まずい…!
攻撃の隙をつき、黄虎が拳を振りかぶる。
避けようにも間に合わなそうだ。
だが、拳がヒロタカの頭に激突する寸前、黄虎の拳を何かが叩いた。
「アリステラさん!」
「間一髪!ギリギリセーフね」
「チッ…さっき殺しておけば…」
アリステラは叩いた如意棒をくるりと半回転させ、黄虎の腹に突き刺す。黄虎はグェ…と言う音を出す。アリステラの攻撃は止まらず、またも如意棒を半回転させ、地面に刺し、自分の体を持ち上げ、高く跳び上がる。
その高さは黄虎の頭を軽々と超え、如意棒を黄虎の脳天にぶつける。
黄虎は頭がボーっとし、その場に立ち尽くす。
それを確認し、ヒロタカは短剣を黄虎の胸に深く刺してから、短剣を移動させ、深い傷を付ける。
心臓までには達しなかったがかなり重傷を負わせたはずだ。
もう一撃…
そう、短剣を振りかざした時。
「ぁ…」
黄虎の拳がすぐ隣に迫っていた。避けられる訳もなく、激突し、ヒロタカは吹っ飛ばされ、壁に激突する。
「ヒロタカ!––ッ!」
アリステラが安否を心配し、名を叫ぶが黄虎の拳を如意棒で受け止める。
ヒロタカの脳天から血が滴り、腕には力が入らずだらりと床とくっつく。頭がボーっとし、何も考えられない。立ち上がらなければといった意識もない。
アリステラは黄虎の拳を払うので精一杯でヒロタカの止血をしに行けない。
何か…何か黄虎の気をひける何かが起これば…
アリステラがそう思うと、黄虎の上の土が崩れ、何かが落ちてきた。




