反逆レジスタンス
「おーい、メーニン居るかー?」
「んー?なぁにアリステラぁ」
メーニンは寝起きなのかふにゃぁとした声を出す。
「私とヒロタカとメーニンでやりたい作戦があるんだ。付き合ってくれ」
「いいよー、珍しいねこっちから行動起こすなんて」
「あぁ、反逆の旗を揚げる時が来た」
「で、どんな作戦?」
「それは向こうで詳細を話そう」
「おーけー」
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「ヒロタカ、連れてきたぞ」
「ん、ありがとうございます」
そう、ヒロタカは礼を言い、メーニンの方へ目線をやる。
ヒロタカ達が居るのは書庫でメーニンは本の多さに目を丸くしている。知っておけよ…と思ったが口には出さないことにした。
「で?作戦って?」
「あぁ、鉄が取れる山があるだろ?」
「うん、龍居るけどね」
「俺らが龍の気を引いている間に鉄を取って撤収するっていう」
「まぁ、有りよりの作戦ね…アリステラはいいの?」
「あぁ、問題無い」
「ふーん、珍しいね。アリステラがこんな作戦了承するなんて」
「多少、危ない橋を渡らないと一生このままだって気付かされたからな」
アリステラはそういうとヒロタカに目を合わせる。
その視線にヒロタカの心臓はキュッと結ばれ、鼓動は高鳴る。
そして、書庫の扉がキィと音をたてて開く。
「話は聞いてたが、その作戦は本気なのか?」
「盗み聞きは感心しないな…ゴルドン」
「それについては、謝罪しよう。だが、それとこれとは別だ。その作戦は本気なのか?」
「そうだよ、俺が考えた」
鬼のような形相のゴルドンにヒロタカは口を開き、肯定した。
ゴルドンはキッとヒロタカを睨み付ける。
「てめぇがそんな危険な作戦を?」
「あんたまでそれを言うか…」
「当たり前だろうがぁ!!おとりとか舐めてんのかぁ?死ぬぞ!」
声を荒げ、ゴルドンの声が静かな書庫に響く。
「あんたこそ舐めてんじゃねぇよ、そうやって足踏みしてて何人の仲間失ってんだ?」
静かで冷静な声、だが確実に厳しさの入った声が書庫に響く。
「アリステラはいいのかよぉ?」
「ヒロタカに同じことを言われて反論出来なかったよ。だから、こうして実行しているんだ」
「ふん!そうかよ…なら俺も行く」
「いや、ゴルドンには村の護衛を頼みたい」
「――ッ!俺は役立たずってことか?」
「違う、自分を卑下するな。私達がいない間にこの村が襲われたらどうする?誰が指揮をとる?それをゴルドンに任せたい。それに…ソフィアちゃんもまだ小さいだろ?」
「――ちっ、分かったよ」
「ありがとう」
「あぁ、帰ったらまたソフィアと遊んでやってくれ」
そう言うと、ゴルドンはこの場から立ち去る。
納得してくれたみたいだ。
「で、作戦はいつ決行する?」
「そうだな…明日でどうだ?」
「「了解」」