塵が積もっても風には勝てない
風邪ひいてて投稿遅れた。スマソ
「体が…蟻で…?」
「あぁ、さっき背中を斬ったとき蟻が分裂して修復しているのを見たんだ」
「ということは…」
「あぁ、こいつの体に傷をつけるのは無意味ってことだ」
思えば、腕を斬った時も血を出していなかった。
「なぁ、火と油持ってないか?」
「残念ながら…持ってないわね…」
「そうか…いやまぁしょうがない」
持っていたら油ぶっかけて火をつければ殺せると思ったのだが、そう上手くはいかない。
「いい加減、私に集中しないと危ないですよ?」
前を見ると、アイントスパイドが目の前まで接近し、拳を振り上げていた。
その拳を短剣で受け止め、横に流す。が…もう一本の腕がヒロタカを襲う。
「――ッガ!」
その拳の方向にヒロタカは吹き飛ぶ。
「ヒロタカ君!」
「大丈夫だ、大したことないよ」
おそらく、あの感じだと吹き飛ばなければ拳が往復して殴られていただろう…
「人の心配してる場合ですかね?」
「きゃあ!」
「メーニン!」
アイントスパイドの手から糸が伸び、メーニンを引き寄せる。
アイントスパイドの側まで引き寄せられ、メーニンはその八本の腕でがんじがらめにされる。
「――ッ!――ッ!――ッ!」
「メーニン!!」
腕の形を保ちながらメーニンに蟻が侵食する。
地を蹴り、アイントスパイドに接近し、腕を四本ほど斬り落とす。
そのまま、メーニンを掴み、ヒロタカは自分の方へ引き寄せる。
「《ワイルド・ブレス》」
そうして、ついた蟻を《ワイルド・ブレス》で飛ばす。
「大丈夫だったか?メーニン?」
「すごく…怖かった…」
今にも泣きそうなで震えた声だった。それもそうだろう、あの化け物にしがみつかれたのだから。
「そうか…」
ヒロタカはなんて言っていいのか分からず、そうぶっきらぼうに返事してしまった。
すまん、メーニン。それよりも、あいつのことだ。
思考を変え、アイントスパイドの弱点を考える。
「くそ…どうする…?」
どうやったらあいつを殺せる…?首を斬っても再生してきそうだしな…
何か方法はないかと辺りを見渡す。
「――!」
そうか…それなら…いけるかもしれない…!
「メーニン!――したいんだがいけるか?」
「えぇ、任せて」
頼り甲斐のある返事が返ってきて、ヒロタカは満足そうに頷く。
「よし、じゃあやるか…!」
そう言って、倒れていた、木を持ち上げる。最初、メーニンが斬り倒した木だ。
メーニンの魔法のお陰もあって軽々持ち上がる。
「うらぁ…!」
足に力を込め、高く跳び上がる。
「――ッ!そうきましたか…」
アイントスパイドはヒロタカの軌道をずらそうと手から糸を出す。
「させないわ、《ウィング・スラッシュ》」
だが、すぐさまメーニンの《ウィング・スラッシュ》にかき消される。
そうして、アイントスパイドは押し潰された。
蟻って燃えるんかね?