表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界に誘拐されました。  作者: 自然の輪廻
1/36

誘拐事件

新作記念3話連続公開!

 黒い視界が轟音と共に光を取り込む。

 その轟音の原因であるアラーム止める。


 もう朝か…今日何曜だっけかな…


 あぁ、日曜日か…と思い出し、寝室から出て、階段を下る。


「おはよう」


 リビングに入ると、母親が座ってテレビを付け、昨日やっていた都市伝説を紹介する番組を流している。


朝っぱらからそんなん見るなよ…ニュース見ろニュース


そう、心でつっこむがそんなこと言えず…


「今日、空手の稽古だっけ?」


「あぁ」


「ふーん」


 母親の問いに答えながら、ヒロタカはトースターに食パンをいれる。

母親は興味無さそうに返事をし、またテレビに視線を戻す。


『皆さん、埼玉連続誘拐事件…覚えていますか?その誘拐時刻ぴったりに近くで落雷が起きてるんです』


 なんだよそれ…誘拐事件というより神隠しじゃねぇか…


 そんなことを思いながら、焼き上がったパンを取り、バタ―を塗り、口に運ぶ。


 サクッと音を立てながら、パンを咀嚼する。


「ごちそうさま」


 パンをかじり終え、昨日用意しておいた弁当を無造作にバックに放り込む。

 そうして、玄関に行き、靴を履く。


「いってきます」


 そう言うが、何も返ってこない。


 玄関のクツ箱の上にはたくさんのトロフィ―が飾られていた。『全国空手大会 市ヶ谷 広瀬 優勝』と書かれたトロフィ―が…

 棚の上のトロフィーは全て『市ヶ谷 広瀬』の名前で埋め尽くされていた。


「はぁ…」


 並んだトロフィーを見て、憂鬱になる。

 扉を開け、稽古へ向かう。


 真夏の太陽が暑苦しく輝き、俺達を照らす。


「誘拐…事件か…確か同い年位だったよな…」


 ふと思い出し、用心しなきゃなと肝に命じる。まぁ、相手が銃でも持ってなければ抵抗出来ると思うが。


 そんなこんなでボーっと歩いていると…


「――っ!うわっ!」


 轟音と共に、強い光が俺を包み込んだ。


――――――――――――――――――――――


「――?ここは?」


 目を覚ますと、そこは全く別の場所だった。


「あー、これ異世界か…そんな感じの漫画流行ってたな…」


『異世界』と聞いて舞い上がる人もいるだろうが、俺は全くそんなことなかった…何故なら…


 そこは見るに堪えない悲惨な場所だったのだから。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ