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なぜアラジンが魔法のランプと出会ったのか

《アラジンと魔法のランプ》が出会うの前のお話《前王と王の兄弟編(3)》

第3話 指輪

ジャーフス大臣(アバブワート(日の沈む国)の筆頭大臣)は、視察団と共に、アバブワートに帰ろうとしていました。


そこに、アキール(アバブワートの元第五皇子)が現れたのでした。


誰ともなく、「アキール!」驚くように、叫び声があがりました。


ジャーフス大臣は、「アキールを捕らえよ!」と言うと、視察団は、アキールを捕らえようとします。


しかし、周りのアシュラドの兵の抵抗により、捕らえることができません。


ジャーフス大臣は、「アバブワートの王、ガシムの後見人であり、アバブワートの筆頭大臣である、私の命令に従わないのか。」と、大声で叫びましたが、何も変わりません。


これは、ムータイ大臣(ヌールデン(アバブワートの元第二皇子)の教育係)、マージー大臣(ノーチス(アバブワートの元第三皇子)の教育係)、カスーラ大臣(マジード(アバブワートの元第四皇子)の教育係)、ワーフル大臣(アキールの教育係)が、アシュラドを統治し、人々の生活を守ってきた為、重い税を課すだけの、アバブワートの王の命令でも、アバブワートの筆頭大臣の命令でも、従うわけはありません。


ジャーフス大臣は、「今は諦めて、アバブワートに戻って策を練ろう。このままでは、危険な目に遭う。」と考え、視察団と共に、取るものも取り敢えず、逃げ出すようにアバブワートへ、帰って行きました。


アキールが現れて、驚いたのはジャーフス大臣だけでは、ありませんでした。


カスーラ大臣と、ワーフル大臣は、マジードとアキールが、ルシャイマ(日の登る豊かな国)に、逃げ延びて、無事でいたことを、知っていました。しかし、ムータイ大臣と、マージー大臣は、何も聞かされていなかったのでした。


今までの経緯を、カスーラ大臣と、ワーフル大臣が、アキールと、ムータイ大臣、マージー大臣に、説明します。


アキールも、アシュラドに来るのが今日になったのかを、説明しました。


アキールは、マジードの使者が、ルシャイマに訪れて、話を聞いてから、とても悩みました。


マジードの家族の事、自分の家族の事。少し塞ぎ込んでいる、アキールを見てジャム(アキールの嫁)は、マジードの使者が、何を報告に来たか、不安になりました。


ジャムは、「アキール、何があったの」と聞きました。


アキールは、「マジードの家族と一緒に聞いて欲しいことがある。」と答えました。


その夜、マジードの家に集まって、使者からの話の内容を話しました。


サルマ(マジードの嫁)は、「マジードのしようとしている事を、助けてあげて欲しい。」と。


ジャムは、「アキール、あなたのやらなければいけない事ではないの。」と。


サルマとジャムは、「私達は、大丈夫。ここは平和だし、食料もたくさんある。守ってくれる人々も、たくさんいます。」と言い、アキールを促します。


アキールは、数日、悩みましたが、「確かにルシャイマは、豊かで安全な土地だ。一緒に逃げてきた、アシュラドの人々も居る。ここから、西の隣国へ向かい、安全を確かめながら進もう。ルシャイマに、危険が及ぶと思うことがあれば、戻ればいい。」と考え、しっかりと準備して、マジードが居るであろう、アシュラドへ向かう事にしよう。


アキールは、家族に話し、準備を進めます。また、マジードの家族にも話し、今後のことを相談しました。


そして、ルシャイマの事が、万全だと思われたので、アキールは出発しました。


ルシャイマから西へ。西の国『アーマンド』まで来て思った事は、「しっかり統治され、人々は豊かに暮らしている。これなら、更に西へ向かえる。」と。


アーマンドの西の国『パスタム』まで来ても、「アバブワートの侵略が、及んではいないようだ。影響は無いようだ。ここも治安が良く、人々も優しい。これなら、アシュラドまで、何事もなく向かえそうだ。」と、思いました。


アキールが、パスタムの西の国『クルメニス』まで来ると、アバブワートが侵略してきた話しを、聞けるようになってきました。


しかし、「アバブワートの侵略があった所でも、統治されていて、身に危険が及ぶような事は、無いようだ。」と、人々が抑圧されていなく、自由で豊かな状態でいられることに安心しました。


クルメニスの西の国、アシュラドの東の国、『ラクラン』は、アバブワートの侵略で、とても苦しんだ時期があるようだ。


アキールが、アバブワートの話しをすると、多くの人は嫌がった。理由は、侵略時の略奪で、何日も食事ができない時があった。


命令を拒むと、ひどい暴行を受け、見せしめの為に、虐殺された者もいたようだ。


しかしその後は、統治、平定した、アバブワートの大臣の尽力で、安定した食料の確保ができるようになり、仕事が与えられ、不満を聞いてくれる所もできて、人々の不満は減っていったようだった。


しかし、アバブワートの監視の目があり、常に管理されている事には、変わりがないという事だった。


ラクランでは、注意しながら行動していたが、アシュラドの国境付近まで来ると、油断してしまった。


なぜなら、ラクラン、アシュラドの統治をしているのは、マジードと自分の教育を担当していた、カスーラ大臣と、ワーフル大臣であることが、わかったからだった。


アキールは、急いで国境を越え、アシュラドに入って行った。そして、カスーラ大臣と、ワーフル大臣の職務している所に、駆け込んだのだった。


「そして、今に至る」と話をした。


長い話だったが、ムータイ大臣、マージー大臣、カスーラ大臣、ワーフル大臣は、聞きのがすことのないように、聞いてくれたのでした。


ジャーフス大臣と視察団は、急いでアシュラドとアバブワートの国境を越えた。


そこで、ディクタス(アバブワートの前王)の使者であった、リーガイを見かけた。一緒にいるのは、マジードではないか。


ジャーフス大臣は、アキールを捕え損ねた事もあるので、視察団と共に気付かれないように、マジード達を囲んで、捕らえる事にした。


ジャーフス大臣は、「マジードは、無傷で捕らえよ。他の者は、殺してしまっても構わない。」と、命令を出しました。


視察団に気が付いたリーガイは、「マジード様、ペドラ様、囲まれています。私が最も打ち破りやすいところを見つけて、先にこちらから仕掛けますので、隙を見て逃げてください。」と言って、早足で歩き出します。


リーガイが、手薄そうな所を見つけて、飛びかかって行きました。


マジードとペドラは、リーガイが作った囲みの綻びを見つけて、一気に走って抜けていきました。


無事、すり抜けたと思ったときに、一人の兵が襲いかかります。


ペドラが身を呈して、マジードを逃がしました。


マジードは、ペドラとリーガイの事が気になりましたが、二人が体を張って逃がしてくれた事を、無駄にしないように、「許せ。何が何でも、国境を越え、アシュラドに入る。」と、自分に言い聞かせました。


視察団は、マジードが逃げた為、リーガイとペドラを放置し、マジードを追いかけました。


リーガイは無傷でしたが、ペドラは大怪我をしました。リーガイは、ペドラを連れて、体を休める事が、できる所を探しました。近くに人が住んでいる小屋があったので、住人に助けを求めました。


リーガイは、マジードを追う為、ペドラの怪我の手当を、住人に頼みました。住人は快く引き受けてくれました。


マジードは、何とか逃れ、国境を越え、カスーラ大臣と、ワーフル大臣の職務している所まで、たどり着きました。


そこには、アキールが居て、二人は再会を喜びました。


また、アキールは、「アシュラドに来るまでは、治安が維持され、人々が貧しくなく、食料や物資も、ある程度確保されている事を、確認して来た。」とマジードに話しました。


そして、互いの話をしているところに、リーガイも無事、国境を越え、たどり着く事ができたのでした。


リーガイは、マジードにペドラが大怪我して、近くの住人に頼んできた事を話しました。


マジードは、近いうちにペドラを迎えに行こうと、リーガイに約束しました。


アシュラドの国境近くの住人に、預けられたペドラは、一人、怪我をして残された事で、心細くなり、マジードの事、洞窟の事、マジードから預かった、ランプと指輪の事を、思い出します。


預かったものを取り出した時、指輪に傷が付いている事に気付き、磨こうと擦ります。


すると、指輪から煙が吹き出し、やがて人の姿に変わりました。


ペドラは、驚き、怪我のせいもあって、気を失ってしまいました。


続きは明晩

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