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なぜアラジンが魔法のランプと出会ったのか

《アラジンと魔法のランプ》が出会うの前のお話《前王と王の兄弟編(2)》

第2話 洞窟

ルシャイマ(東の海沿いの国)から、アバブワート(日の沈む国)に向かった、マジード(アバブワートの元第四皇子)は、後をつけられている事に、気が付きました。


アキール(アバブワートの元第五皇子)に、マージドを見張るように頼まれた、ペドラ(アシュラドの国の住人)です。


アキールは、ぺドラに「見張ってくれ。」と頼んだのは、マジードが黙って出て行かないように止めて欲しかったのでした。


ペドラは勘違いし、ずっと見てればいいと思って、ついて行ったしまったのでした。


ペドラに気がついたマジードは、物陰に隠れてまくつもりでしたが、ペドラがマジードを見失って、頭を抱えて座り込んでしまったので、かわいそうになり、声をかけました。


「ペドラ、ここで何している。」


ペドラが、「マジード!アキールに頼まれて、あなたを見張っていだのですが・・・良かった。」


マジードは、「なら一緒に来なさい。危険だと思った時は、アキールの所まで、逃げて帰るのだぞ。」と言い、一緒に行くことにしました。


マジードは、「頼りないが、一人よりは心強い。」と思いました。


そして、アシュラドの国境に来るまでの間に、アシュラドの事、アバブワートの事、兄のヌールデン(アバブワートの元第二皇子)とノーチス(アバブワートの元第三皇子)の事、ジャーフス大臣(アバブワート筆頭大臣)の事、ジャーフス大臣の子、ガシムが王になった事、マジードは、多くの苦しみと悲しみに打ちひしがれました。


ペドラが居てくれた事で、心が安らぎ、先に進むことができました。


アシュラドに入ると、懐かしい人が待っていました。アバブワートのカスーラ大臣(マジードの教育係)と、ワーフル大臣(アキールの教育係)です。


マジード達の長兄、ディクタス(アバブワートの前王)の使者であったリーガイが、アバブワートに戻る際に、ディクタス前王が信頼のおける人物として、名を挙げていたカスーラ大臣とワーフル大臣に会い、「マジード様に会って、ディクタス前王の書簡を渡しました。」と伝えていた為、「もしかしてマジードとアキールが戻ってくるのではないか。


戻ってきた時に、ジャーフス大臣の部下に捕まってしまうのではないか。」と心配になり、アシュラドの国境付近で、監視を続けていたのでした。


マジードは、カスーラ大臣とワーフル大臣に、詳しい状況を聞き、「このままでは、多くの国の、多くの人々が、とても不幸になってしまう。どのようにしたら良くなるのか、皆で考えよう。」


「それには多くの協力者がいる。」と話しました。


カスーラ大臣とワーフル大臣は、アキールの事が気になるようです。


マジードは、自分とアキールの事、ルシャイマでの仕事、家族、どうやって今まで過ごしてきたかなど、話せる限りの事を話しました。


マジードは、「自分の家族とアキールの家族を巻き込む事は避けたい。」と言いました。


しかし、カスーラ大臣とワーフル大臣は、「アキール様には、やはり協力をお願いしたい。私達も、マジード様も、一番信頼できるお方です。」と言いました。


マジードは、アキールに使者を送ることにしました。但し、判断はアキールに任せる事にしました。


カスーラ大臣とワーフル大臣は、ヌールデン(アバブワートの元第二皇子)の教育係だった、ムータイ大臣と、ノーチス(アバブワートの元第三皇子)の教育係だった、マージー大臣にもマジードとアキールの事は、伏せたままで、協力を求めることにしました。


すると、ムータイ大臣とマージー大臣は、「苦しんでいる人々の為なら、喜んで協力させてもらう。」


ヌールデン皇子とノーチス皇子の最後の言葉、「侵略を止め、治安維持を優先せよ。後は任せる。」と言われたことを、忘れた事はありませんでした。


その間にマジードは、何とかアバブワートに入れないか、考えます。


カスーラ大臣とワーフル大臣の力で、国境近くまでは行けると思うが、そこから先の見通しがたちません。


そこで、ジャーフス大臣に知られていない、ペドラがアバブワートに入り、リーガイを探してもらうことにしました。ペドラはリーガイの顔を知っているし、リーガイなら信用できる。


ペドラは、責任の重さに嫌がりましたが、結局、その方法しか思いつかないので、行くことにしました。


ペドラは、カスーラ大臣とワーフル大臣の指示通り行動し、すんなりアバブワートの国境まで来ました。


国境では、城から来たと思われる人が、入国する人々を観察していました。


時折、呼び止め、顔と名前を確認していました。


ペドラは、呼び止められる事もなく、アバブワートに入りました。


そして、カスーラ大臣とワーフル大臣に言われた通り、城の近くの市場に向かいました。


あまり目立たないように、リーガイを探しながら。


そして五日目に、城の近くの市場にたどり着きました。


更に五日が経った頃、人目を避けるように歩く、リーガイを見つけました。


ペドラは、「意外と簡単だったな。」と思いながら、人が少ない所でリーガイに話しかけます。


リーガイはびっくりした様子で、「マジード様と一緒に居たかたですね。なぜアバブワートにいるのですか。」と尋ねました。


ペドラは、「歩きながら話しましょう。」と言って、ひとけのないところに、向かって歩きながら、カスーラ大臣とワーフル大臣が話していた事を、思い出しながら話しました。


リーガイは、「わかりました。マジード様がアバブワートに、入れるように手配します。」「準備が出来次第、カスーラ大臣とワーフル大臣に、会いに行きますので、ペドラ様は戻っていてください。」と言いました。


ペドラは、「もう少し、アバブワートを見ていこう。」と、寄り道をしながら、アシュラドに帰ることにしました。


アバブワートを色々見て回っているうちに、「この感じ。この近くじゃないか。」と。


マジードが燃やしていた地図の事を、思い出しました。


ペドラは、財宝のことを知りませんでしたが、地図の示す場所を、見ておきたいと思ったのでした。


地図の示す場所に近づくと、不気味な風の吹く、真っ暗な洞窟が見えました。


ペドラには、中に入る勇気がありません。


地図の意味を深く考える事が無かった為、「だからマジードは、燃やしたんだ。」と思いました。


ペドラは、アバブワートを見て回るのをやめ、アシュラドに向かったのでした。


数日後、ペドラは、マジードが待つ、カスーラ大臣とワーフル大臣の所に、帰り着きました。


すると、リーガイが数人の伴を連れて、マジードとカスーラ大臣とワーフル大臣に会っていました。


リーガイが、ペドラに向かって「遅かったですね。」と言うと、遅くなった理由を聞かれたと思った、ペドラが、「せっかくだから、アバブワートを見て回っていると、マジードが燃やした、地図の場所の近くだったので、見てきたのです。」と答えたので、皆が驚きました。


マジードが、「ペドラ、行ったのか。中に入ったのか。」と聞かれたので、ペドラは、「とても怖くて、入れませんでした。不気味すぎて。」と答えました。


マジードは、それ以上の追求をしませんでした。ペドラが嘘をつく事は無い、と思った為です。


その夜、マジード、リーガイ、カスーラ大臣、ワーフル大臣、で話し合いました。


今でも、ジャーフス大臣の影響力が強いため、慎重に動くしかありませんでした。


アバブワートでは、ジャーフス大臣が各地の反乱を、止めることができず、追加の税も集められず、更には、マジードとアキールも捕らえるどころか、足どりさえつかめない状況に、苛立っていました。


とうとう、しびれを切らしたジャーフス大臣が、アシュラドに視察に来る為に、アバブワートを発ったと、アバブワートから使者が来ました。


この隙に、マジードは、リーガイとペドラを連れて、アバブワートに向かいました。


途中で、ジャーフス大臣と視察団に遭遇しましたが、変装していた事もあり、気付かれませんでした。


そうして、アシュラドとアバブワートの国境を越えることができました。


マジードは、ペドラの案内で、地図に書かれていた洞窟まで、簡単に行き着くことができました。


マジード達が、洞窟に近づくと、ペドラが言っていた、不気味な風が吹いていました。


風の音をよく聞くと、人の声のようにも聞こえます。洞窟の入口まで来ると、はっきりと聞こえます。


「ハーメッド前王の血を引く者にしか、中に入ることは出来ない。」と、聞き覚えのある声でした。


それは、ディクタス前王の声によく似ていました。


マジードは、リーガイとペドラに入口で待つように言うと、一人で洞窟に入っていきました。


洞窟に入っていくと、風の音が変わりました。


「洞窟の財宝は、人々のために使うことしか出来ない。」と、聞き取れます。


入口から2500歩程歩くと、洞窟のあちらこちらに、財宝が置かれていました。


しかしマジードは、財宝には目もくれず、どんどん奥に入っていきました。


行き止りだと思われる所に、ランプと指輪が置かれていました。


マジードは、それだけを持ち、戻っていきました。


マジードは、入口で待っていたリーガイとペドラに、財宝の話はせず、「とても懐かしく感じる物だ。しかし、見覚えはない。」とだけ言って、ランプと指輪を、ペドラに預けました。


ペドラは、持っていた袋に、ランプと指輪を入れました。


そのあと、リーガイの案内で、協力者の集まる農家の納屋に行き、「私はハーメッド前王の4番目の息子、マジードです。5番目の息子、アキールも日の登る豊かな国ルシャイマで生きています。」


と宣言し、「ハーメッド前王の時のように、人々の暮らしを、豊で争いのない国に戻したいと思っている。力を貸してほしい。」と言うと、静かな歓声が上がりました。


「時間はかかるだろうが、日の登る豊かな国、ルシャイマから食料や文化を、西へ西へ持っていく。そして、アバブワートが侵略した国を、侵略前のように変えていくことで、ジャーフス大臣の力を削ぎ、いつかは以前のように、日の沈む豊かな国アバブワートに、戻していこう。」と。


「アバブワートが侵略するよりも、長くかかるだろうが、その気持ちを持つ者が増えれば、加速しながら、進んでいくだろう。」マジードは、力強く語りました。


大変なのは、これからです。


マジードは、アバブワートから出て、ルシャイマまで無事に、戻らなければなりません。


この頃、ジャーフス大臣は、荒れに荒れていました。


なぜなら、最大の権力者であるはずが、ムータイ大臣、マージー大臣、カスーラ大臣、ワーフル大臣に、何を言っても、「それはできません。」「無理です。」と、いう回答しか、得られないからです。


アバブワートと違い、アシュラドでは、ジャーフス大臣よりも、ここで尽力している、ムータイ大臣、マージー大臣、カスーラ大臣、ワーフル大臣の方が、影響力があるのでした。


また、アシュラド兵達も、ジャーフス大臣の命令では動きません。


それは、重い税をかけられていた、アシュラドの人々も、同じでした。


ジャーフス大臣が、荒れれば荒れる程、アシュラドの人々の不満も膨れ上がっていくのでした。


それに気が付いたジャーフス大臣は、慌てて視察団と共に、アバブワートに帰ろうとしていました。


そこに、アキールが現れたのでした。



続きは明晩

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