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結局その後、例の2人はレギュラー陣の練習に混じって練習する事になった。あの生意気な豪腕ピッチャーは今居という名前らしい。

今居は投手陣の一角として、そして小久保は堅実な守備と献身的なプレースタイルを買われ、ユーティリティプレーヤーとしての活躍が期待されている。その為、今居は主にランニングや投球練習、小久保は守備練習やバッティング練習に参加していた。

小久保の方はというと、流石にまだ安室高校野球部の過酷な練習に完全についていけているというレベルではないにしろ、必死になって石原の強烈なノックに食らいついている。









カキィーーーン!!!









ザッ!!!








横っ飛びで抑えようとするが、打球はグラブの横を抜けていく。そして小久保が起き上がる間も無く、石原は次のノックを打ち込む。













「どうした。寝るなら帰って布団でねろ」













石原は笑ってはいるが、その穏やかな表情とは裏腹に、とてつもない打球を次々と打ち込むのだ。

これは昨年の1年生も最初は苦労した事である。

いくら中学時代が凄くても、高校野球はモノが違うのである。


一方、ランニングに励む今居もヒーヒー言っていた。













「ったくよぉ。走ってばっかりじゃあ意味ねえんじゃねえかな」










隣で肘井が走っているにもかかわらず、そんな事はお構い無しである。肘井はそれを聞いて少しムッとしたが、大人な対応で今居を教え諭す。












「違うんだよ今居。ピッチャーの基本は下半身なんだよ。だから下半身を作るのにはランニングは不可欠なんだ」










肘井の言葉にはぁ、と気のない返事をしながらも、今居は納得のいかない様子のままランニングを続けた。

しかし納得こそしていないものの、肘井や櫻井などの投手陣と同じペースで走る事が出来るという、かなりの体力があるという事は、他の投手陣たちも認めざるをえなかった。

結局、今居は最後まで肘井たちにランニングで遅れをとらなかった。

大したもんだ、と素直に上級生から褒められても今居はムスッとしていた。



空も暗くなるまで練習し、終わりがけにキャプテンの金串から集合がかけられた。












「おいみんな、新戦力も加わった事だし、円陣組もうぜ!これから練習試合も始まる事だしな!」











「ウッス!!!」











「頑張ろうぜ!!!」










ウッス!ウッス!ウッス!ウッス!




ウッス!ウッス!ウッス!ウッス!







円陣に真摯に向き合う小久保と、やる気のなさそうな様子でやり過ごそうとする今居の態度は、対照的であった。

さて、これから、今居、小久保という2人の新戦力を加えた新生安室高校野球部は、練習試合をはじめとする対外試合を行なっていくのだ。

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