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年を越してからというものあっという間に月日は流れ、3月、ついに御木本たち3年生は安室高校を卒業した。卒業するにあたって、御木本ら3年生は最後に野球部の部室を訪れた。
その時、そこには金串たち下級生たちも集合していた。
「俺たちもついに卒業か。3年間、本当に色んなことがあったな。つらいことも、幸せな事も。
全部、野球部の仲間と一緒だったから乗り越えられた。みんな、ありがとう。最後の夏に甲子園には行けなかったけど、ここでの経験はとても貴重なものになると思う」
「御木本さん......」
今まで安室高校野球部を引っ張ってきたカリスマとの別れを惜しむ部員たちは、この挨拶に感激し、言葉を失っていた。
そんな中、在校生を代表して金串が御木本に感謝の言葉を述べた。
「御木本さん、本当に、今までありがとうございました。御木本さんに教わったこと、忘れません。御木本さんに教わったことを生かして、ぼくたち絶対日本一になりますから、見ていてください」
金串の力の入った言葉に、御木本は笑顔でおう、と頷いた。
「そういえば御木本さん、卒業後は大学行くんですよね。野球、頑張ってください!」
「おう!プロに入れるように頑張るよ。お前らも頑張れな」
御木本の抱負を聞いて、野球部員たちはおおー、と盛り上がった。それもそのはずだ。プロ野球選手を本気で目指すという事は並大抵ではないが、御木本ならやってのけてしまうかもしれない、そう感じさせるほどの雰囲気が、この男にはあるのだ。
卒業生と在校生はお互いにゲキを飛ばしあい、
御木本による最後の円陣が始まった。
「安室高校、バンザーイ!!!」
バンザーイ!!!バンザーイ!!!!!
バンザーイ!!!バンザーイ!!!!!
バンザーイ!!!バンザーイ!!!!!
こうして御木本たち3年生は下級生たちに想いを託し、また、自分たちの未来への希望を胸に、安室高校を去るのであった。




