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しばらくの沈黙を経て、ようやく頭の中で考えがまとまった金串は、肘井に向かって語りかける。








「肘井。お前がチームの為に力になってくれようとする力は分かるし、素晴らしい事だと思うよ。俺としても嬉しい限りだしな。だけどさ、ケガしてたらどうにもならないだろ?」












「いやだってさ..........!」











話を遮ろうとする肘井を無視して、金串は続ける。












「ケガが治らないうちから練習してたって、練習の成果は得られない事くらい、お前なら分かるだろ?無理して練習を続ける事は肘井の肘にとっても良くないし、ってことは結果的にチームにとってマイナスになるんだぞ」











「うーん..........」











金串のもっともな意見に、肘井は黙り込んでしまう。












「それにさ肘井、うちの投手陣だって今は肘井がいなくてちょっと弱いけど、みんな頑張ってるからさ。ここはみんなを信じて、ケガを治す事に専念してくれないか?キャプテンの頼みだ。この通り」











金串は深々と頭を下げる。それを見た肘井は、ようやく頭が冷え、冷静になって物事を考える事が出来るようになった。











「金串、ありがとう。俺のことも、チームのことも、そんなに考えてくれて。俺、考えが甘かった。反省するわ。もうケガが治るまで投げ込みは止める。投手陣のサポートに徹するよ」












「おお!ありがとう!肘井!」












肘井が分かってくれた事が嬉しく、つい大声を出してしまった。そんな金串の様子を見た肘井に、笑顔が戻った。










「はははっ!うるっせえな金串は。あ、そうだ。俺医者からランニングは大丈夫って言われたから、ちょっと付き合ってくんね?」













「おう!勿論だとも!」











こうして2人は夜の公園を飛び出し、街中を一緒にランニングした。いちにっいちにっと呟きながら2人並んで走る姿は、夜であるにもかかわらず、とても眩しく見えた。

金串は初めて、自分がキャプテンとしてチームメイトの役に立つ事が出来たと感じ、感慨深いものがあった。みんなが目指すものはチームの勝利。全員が全員で協力しあう。ワンフォーオール、オールフォーワンだ。

みんなが同じ目標のもとに集まったチームの結束力は、非常に強いのである。


想いが通じた事があまりに嬉しく、金串と肘井は夜中まで一所懸命にランニングを続けた。

ひたすら明日に向かって走り続けた。






いちにっ!いちにっ!いちにっ!





いちにっ!いちにっ!いちにっ!






いちにっ!いちにっ!いちにっ!






いちにっ!いちにっ!いちにっ!







いちにっ!いちにっ!いちにっ!



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