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いちにっ!いちにっ!いちにっ!
いちにっ!いちにっ!いちにっ!
いちにっ!いちにっ!いちにっ!
いちにっ!いちにっ!いちにっ!
いちにっ!いちにっ!いちにっ!
安室高校と多摩川高校との練習試合が始まろうとしている。安室高校の新しいレギュラー陣が初めて他校のチームの前でシートノックを受ける。それをまじまじと見つめるのは、学校が休みであるにもかかわらずわざわざ練習試合を見るために駆けつけた、安室高校一般生徒である。彼らもまた、新生安室高校ナインの姿を目にするのは初めてであった。
金串、矢澤、櫻井、高杉などをはじめとする馴染みのあるメンツもいれば、青山や大蔵などの見慣れない顔もいる。しかしながら一般生徒たちにとって意外であったのが、肘井がベンチにすらいないという事だ。
肘井は夏の大会においてかなりの活躍を見せた選手の1人だ。いなくて不思議に思うのも無理はないだろう。
しかしちなみに断っておくが、肘井はベンチ入りが出来なかったというよりも、そもそも練習に姿を見せていないのである。よってこの日も、この試合に足を運んでいない。
その理由は、安室高校野球部員ならば誰もが薄々感づいていることだった。怪我であると。
まもなく試合が開始された。多摩川高校と対戦することにはもう慣れている櫻井は、プレイの合図がかかるや否や勢いよくストレートを内角に投げ込んだ。
..........ボール!
思わずバッターはのけぞる。胸元にえぐられる、あわやデッドボール、という球だ。しかし櫻井はそれに一切きにする事なく、今度は低めの変化球にて2球目を投じた。
カキーーーン!!
センター前に綺麗に抜けるクリーンヒットだ。
低めに投げ込むつもりが、少々高めに浮いてしまったようだ。
気を取り直して櫻井は2番バッターへの初球を、間髪いれずに投げ込む。
..........コン!
いきなりの送りバントは多少の意表を突いたが、すかさずサードの金串が猛チャージをかけ、なんとか1塁はアウトにした。
ワンアウトランナー2塁でバッターは3番。
櫻井の投じた初球はインコースに甘く入り、バッターは腰を回転させボールを打ち砕いた。
カキィーーーーーーン!!!!!
ホームラン!!!
先制のホームランを浴びてしまった。
この日の櫻井はコントロールが何処と無く甘いという事に気づいた金串は、すかさずタイムをかけ、マウンドに駆け寄る。
「櫻井。今日はコースが甘いんじゃないか?」
「そ、そうかな。まぁ、気をつけるよ」
そう言った櫻井であったが、この後多摩川高校打線に集中砲火を浴び、なんと0回3分の2イニングの5失点という結果になってしまった。
夏の大会で結果を出し続けてきた櫻井が、言ってしまっては悪いが完全に格下の多摩川高校打線に滅多打ちを食らうというまさかの事態に、安室高校ナインだけでなく、見物に来ていた一般生徒までもが言葉を失った。




