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翌朝、金串は未だ暗いうちに目覚めた。

やる気に満ち溢れているため、外に出て素振りを行う事にした。

隣で寝ている矢澤を起こすと悪いので、静かにこそこそと準備をしていた時だとた。












「俺もやるで。素振り」












「うわぁぉ!」










矢澤がもう起きていた事に驚いたあまりに、金串はつい素っ頓狂な声を出してしまう。















「(シー!うっさいわアホ!みんな起きてくるやろが!)」












「(すまん)」










2人は静かにと寮の外へ出た時、予想外の光景を目にした。














「金串。みんな思ってる事は一緒みたいやな」












「ホンマや」












なんと、外にはもう既に殆どの部員がおり、素振りをしていたのだ。

その光景に驚くあまり、つい金串は矢澤の口調を真似ていた。

すぐさま矢澤から、関西弁使うなアホ!とツッコミが入り、金串は正気に戻る。












「むしろ俺らの方が遅いくらいだったな(笑)」











「ホンマやで(笑)はやくはじめよ」












未だ明るくならうちに全員が自主的に早く起床し、練習が始まるまで黙々と素振りを行う。

素晴らしい光景であった。

薄暗い早朝に、バットをブンっと振る音が、静かに、ただひたすら響き渡っていた。




ブン!ブン!ブン!ブン!ブン!




ブン!ブン!ブン!ブン!ブン!




ブン!ブン!ブン!ブン!ブン!





ブン!ブン!ブン!ブン!ブン!






ブン!ブン!ブン!ブン!ブン!









さて、朝の5時になり、部員は全員、グラウンドに集合する。勿論そこに遅刻する者などいない。キャプテンが不在であるため、特別な挨拶をする事なく、黙々とランニングを始めた。

昨日より厳かではあるが、昨日よりも緊張感がただよい、気が引き締まる。

1時間ほどランニングを行う事になっているのだが、この日は同じ1時間でも、昨日より何周分も多く走ったであろう。

疲れているにもかかわらず、体力をつけるために、監視がいなくても自分たちでしっかりとやるべき事を行う。甲子園出場常連校であるほどの強豪チームの証である。


きっかり6時に、石原は入り口から現れた。

挨拶の音頭をとる者もいないため、各自思い思いの挨拶を飛ばす。






しゃっす!おはようっす!おはようございます!








うっす!ちーっす!










自分でキャプテンを解任した割にバラバラな挨拶に少し苦笑いを浮かべながら、石原は手を挙げ挨拶を返す。

そして早速、集合をかけた。












「なんだか今日はみんな、気合い入ってるなぁ。よし、昨日と同じメニューで練習はじめよう」












「ウッス!!!!!」












いつも通りの寡黙な石原はそう言って、ノックを始めた。昨日の石原はたしかに鬼気迫るものがあったが、それはしっかりと、今日に生きている。

石原は安室高校野球部員に対する、ちょっとした意識改革を行なったという事だ。



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