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炎天下が照りつけるなか今日もここ、東京都営球場に3万にを上回る観客が、これから始まるであろう若き戦士たちの戦いを、見届けようと集結していた。

というのも今日の試合は特別な意味を持つ。夏の甲子園大会という、高校球児であるならば誰もが憧れるであろう素晴らしき舞台に出場できるという権利がかかった試合だからである。

未だ、決勝戦を戦う2チームのナインは両軍ともにベンチに姿はない。


まだかまだかと待ち構えながら、両チームの応援団、吹奏楽部、そして、見物に詰め替けた一般生徒をはじめとする観客は、35度にも及ぶ暑苦しい熱気にも負けず、わいわいと騒いでいる。

スタジアム一帯が異様なほどの熱気に包まれていた。




そして遂に、片方のチームがベンチに姿を現した。それは今大会優勝候補筆頭のであり、東京都予選大会4連覇がかかっている、安室高校ナインだ。

ベンチに入った安室高校のうち、キャプテンの御木本がベンチの外に飛び出して、応援席に向かって一礼する。すると、安室高校応援席からは球場が割れんばかりの歓声が沸き起こった。

そして間もなく、もう一方のチームがベンチに姿を現した。赤坂実業高校である。赤坂実業高校も今大会における優勝候補のひとつに数えられており、何といっても春季大会での雪辱を晴らそうと、メンバーたちは気合いが入っているに違いない。

赤坂実業高校ナインの姿を確認すると、今度は赤坂実業高校応援席から、さっきの安室高校の時に負けんばかりの歓声が起こる。


それに対抗して、安室高校は一足先に吹奏楽部を伴う応援を始めた。










勝利はすぐそこに〜我が安室高校〜




燃えさかる男の炎をかざして




戦う我らが若き戦士たち〜






嵐を呼べ〜今の〜君たちは強い〜






勝利はすぐそこに我が安室高校〜









ワー!!!ワー!!!








安室高校の生徒たちが一丸となった大合唱は、迫力に満ちていた。

この声援が安室高校ナインの背中を押したという事は、間違いないであろう。

少し安室高校に押され気味になった赤坂実業高校は、負けじと自分たちの校歌を歌い、対抗する。


さあ、スタンドは早くも応援合戦を始めている。すると、今度は自分たちの番だと言わんばかりに、近衛と捕手がベンチから飛び出し、投球練習を開始した。












「おいみんな、今回は最初から近衛が登板するようだ。奴には春、散々苦しめられた事を覚えているな!今回はそんな事にならないよう、

よーく見ておこうぜ!」













「ウッス!!!」









安室高校ナインはベンチから、近衛の投球練習を見つめていた。












「身体は大分デカくなっとるけど、投げてる球はそんなに変わらんな」











「たしかに。俺たちもあれから大分成長してるし、今度はノックアウトできるかもな!」











「せやせや!」











まさかこの会話が近衛まで届いているとは思えないが、近衛は何やら不敵な笑みを浮かべた。


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