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この日、遂に夏の高校野球東京都予選大会の開会式が開かれる。

140校の熱い思いは、晴天の下、東京都営球場に集結していた。

この日のために、金串たちは血の滲むような努力を毎日、夜遅くまで続けてきた。準備は万端といっても過言ではないだろう。もっとも、その心意気は残りの139校の野球部員たちも同じ事だ。

さて、時刻は午前8:00の開式まであと10分と迫っている。

そしてキャプテンの御木本をはじめとする安室高校ナインは気を引き締めるため、円陣を組んでいた。












「おい!俺たちはシード校だ。よって今日の試合はないが、開会式だけだからって気を抜くな、もう夏の大会は始まっているんだ!」












「ウッス!!!」








都営球場の裏では、第1試合に備えてウォーミングアップを行う他校の部員たちの姿があった。













「あ、安室高校だ。優勝候補となると気合いの入り方がやっぱり違うなぁ」













「それな、もう体格から既に別格だもんな」













今大会の優勝候補筆頭と言われる安室高校ナインの姿を見る度に、他校の部員たちは戦々恐々とする。それだけ、これまでの安室高校が代々培ってきた実績は、とてつもなく大きいのだ。



それから暫くの時間が経ち、遂に開会式が幕をあける事となった。先頭から入場するのは勿論、前年度の優勝旗を持った御木本を要する、安室高校である。


御木本ら多くのスター選手を擁する安室高校の入場に、満員の東京都営球場を熱狂の渦に飲み込まれた。

真っ黒に日焼けした、ガタイの良い集団は、異様なオーラを放っていたという事はいうまでもなかった。

安室高校ナインは1番に列に到着し、他校の部員たちが入場してくる様子に一切気を取られる事なく、ただただ微動にしない整列を心がけた。



やがて140校全てが入場し、大会連盟会長による挨拶が行われた。

そして次に、選手宣誓が行われる。その選手に選ばれたのは、安室高校キャプテンの御木本であった。













「宣誓!僕らは、日頃のお世話になっている先生方や両親、そして、苦楽を共にしてきたチームメイトのために、全力する事を誓います!」









御木本の宣誓がおわると、グラウンド内外から拍手喝采が沸き起こった。


こうして東京都予選大会開会式が、幕を閉じた。











「矢澤、おつかれ!」









「なんや、肘井か、いや〜それにしてもかっこよかったな、キャプテン」










「本当だな。やっぱりこの大会にかける思いが違うよ、俺たちは」












「ははははは!!!」











矢澤と肘井の2人は、観客席の裏の通路を歩きながら談笑していた。














「ん、あれ近衛じゃね?」












「!!!で、でかい......!!!」











「春季大会の時よりひとまわりもふたまわりも大きくなってるぜ、あれ」












観客に混じって通路を歩く近衛は、他の人たちとは明らかに違うオーラを放っていた。

近衛の姿を見えなくなるまで目で追い、2人は思わず顔を見合わせた。そして、矢澤がようやく口を開く。












「どうやら一筋縄では生きそうにないな、この大会も」











「全くだ」

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