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スコアを3-1とし、膨大な球数に苦しみながらも、今居はなんとか後続をたった。

点は1点で抑えたものの、東京渡辺高校打線の粘り強い攻撃によって、今居は精神的にも肉体的にも披露していった。

その後、東京渡辺高校のピッチャーはスロースターターであったらしく、立ち上がりの時とはうってかわった圧巻の投球を見せ、スコアボードにはゼロが並び続けた。初回には考えられなかったようなまさかの投手戦。そうなってくると、安室高校は分が悪い。

7回のはじめの時点で、東京渡辺高校のピッチャーが95しか投げていないのに対し、安室高校先発の今居は120球以上も投げ、肩で息をしている、といった状態に陥っていた。



そして7回の東京渡辺高校の攻撃において、今居は遂に東京渡辺高校打線に捕まった。










カキィーーーーーン!!!!!









構えたキャッチャーミットから大きく外れ、高めに浮いたスライダーを、東京渡辺高校の9番バッターは見逃さなかった。三遊間へ飛んだ打球は、レフト前へのヒットになる。

続く1番バッターは、初球からバントをしてきた。ピッチャー前に転がったボールを今居は処理しようとするが、疲れのせいか足がもつれ、送球が遅れた。オールセーフのノーアウトランナー1、2塁だ。

続くは3番。クリーンアップだ。大蔵は警戒し、低めを要求する。しかし少しだけ投げたボールは高めに浮き、ポールすれすれ、つまりホームランすれすれのファールボールになる。

危機一髪である。それに完全に動揺した今居は、完全にコントロールが狂いだした。









......…ボール!!







………ボール!!








…………ボール!!








………ボール!フォアボール!!








最後はアウトコースに大きく外れ、四球となった。ノーアウト満塁、一打逆転のチャンス。

安室高校にとっては大ピンチだ。

マウンド上の今居にいつものような強気の姿勢は一切消え、我を失っているかのような表情をしていた。その時、ベンチから石原が立ち上がった。











「ピッチャー交代、肘井」










「!!!」










遂に、遂に、この日が来た。約半年ぶりに肘井がマウンドに立つ日が。

安室高校ベンチ、応援スタンド共に、歓声とともに驚きの声があがる。

まさか、この局面で肘井を登板させるとは。

石原の思い切った采配である。これが吉と出るか凶と出るかは、神のみぞしる。

しかしこれだけは言える事だが、3-1、ノーアウト満塁の大ピンチだという危機的状況は変わらないという事だ。

ケガして以来、ひさひざの登板となる肘井は、粘り強い東京渡辺高校打線を抑え切る事が出来るのか。

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