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続く2番、3番バッターに対しても、大蔵と今居のバッテリーは苦戦を強いられ、なんとか三者凡退に抑えたものの、三人に対して30球もの球数を費やしてしまった。

今居はベンチに戻るなりふーっと一息つき、ベンチに腰を下ろした。1回戦からの蓄積疲労がある今居にとって、初回に球数を沢山費やしてしまった事は、かなりの痛手であった。

そんなわけで、今居を少しでも休ませるためにも、安室高校打線に要求される事は長い攻撃だった。

1、2回戦の時と同様に先頭バッターは藤井である。藤井は流石にかなり高度な出塁能力を持っており、今大会における出塁率は4割を超えていた。そんな藤井に対して相手ピッチャーはうまくコースをつくが、得意のバットコントロールによってなんなくレフト前に流し打ちのヒットを放った。

さあ、いきなりランナーを出し、2番の矢澤。

矢澤にはランナーを進めることが期待させるが、自分の役割をしっかり把握している矢澤はきっちりと確実にバントにて1塁ランナーの藤井を2塁へと進める。そして迎えたクリーンアップ。バッターは3番の高杉だ。

高杉は今大会調子はさほどよくないものの、流石の実力で勝負強さを発揮した。










カキィーーーーーン!!!












速く鋭い打球が低弾道でたちまち外野の間を抜け、フェンス直撃のタイムリーツーベースヒットとなる。安室高校の先制だ。

そして続く金串が勝負を避けられフォアボールにて出塁し、5番の葉山がセンター前ヒット、さらには6番の大蔵にもタイムリーヒットが飛び出すなど、安室高校打線は好調であった。キャプテンの金串が試合前に掲げた、いつも通りのプレーというものを、見事に発揮していた。

なんのことはない。安室高校打線は打者一巡の猛攻を見せ、今居を存分に休ませることが出来たのである。3-0と序盤から大きくリードする展開に持っていった上で、今居が2回表のマウンドに上がる。バッターは4番だ。やはり、相手の選手は4番バッターといえどもさほど体格は良くない。それでも、油断は禁物であるという事が初回の守備にて判明していたため、外野陣はしっかりとシフトをとった。






4番バッターに対しても今居らバッテリーは慎重に投球を行い、粘られながらもなんとかツーストライクツーボールと追い込んだ。そして最後は三振を取りに行こうと、大蔵は外角のスライダーを要求した。

今居は大蔵のサインにコクンと頷き、ウイニングショットを投げ込む。しかし投げ込まれたボールは構えたキャッチャーミットの位置から大幅にずれ込み、真ん中よりの失投となってしまった。











カキィーーーーーーーン!!!!!









「!!!」







流石は4番バッター。少しの失投も見逃さず、豪快な一振りでレフトスタンドに放り込んだ。

大して人数の多くない、東京渡辺高校サイドの応援席から、まばらな歓声が起こる。

このバッターに8球も費やした挙句、3-1と、序盤から一点を返されてしまった。

どうやら東京渡辺高校というチームは、かなりの粘り強さを持っているようだ。

大蔵はドンマイ、と一声かけるが、今居は動揺を隠せなかった。

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