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東京都春季大会3回戦を3日後に控えたこの日の夜、肘井は総合病院の整形外科にいた。











「肘井君。徐々にキャッチボールを始めているみたいだが、レントゲンの結果、もう問題なさそうだよ」












「本当ですか!先生!」










「ウム。これからは無理しないように、バリバリ頑張りたまえ!」











「はい!ありがとうございました!お世話になりました!」










肘井は喜び、整形外科を後にした。

そして翌日、ついに肘井は全体練習にて投球練習を解禁した。

安室高校野球部のチームメイトたちが肘井のピッチングを見るのは、昨年の夏の大会の決勝戦以来、すなわち8ヶ月ぶりの事であり、さらにいうと今居ら1年生にとっては初めての事だ。

ランニングを済ませ、肘井は安室高校の全体練習においては久々にグラブを左手にはめる。

あれ、肘井さんて右投手なんですね、なんて後輩である今居にからかわれても、気にせず、肘井は大蔵の構えるキャッチャーミットに集中している。

皆が注目する中、肘井はついに投球練習を開始した。











………スパン!!………スパン!!!








力を入れていないため球威こそ無いものの、正確なコントロールは健在であるようだ。

大蔵の構えたミットは1センチもずれる事なく、

パシッとボールを収める。それを見ていたチームメイトからは、おお、と感嘆の声が漏れる。











「へぇ、肘井さんってなかなかコントロール良いじゃん」













「バカ!お前がバカにしすぎなんだよ!今居、お前なんかよりよっぽどコントロール良いからな!」











櫻井の言葉を聞いても今居はまたまたあ、と、まるで相手にしていない様子である。

相変わらずの憎まれ口だ。

数十球投げ込んだ後、肘井は投球練習を終了した。すると、見物していたチームメイトから拍手が起こった。

それにはきっと、長い間野球が出来ずに苦しんだ肘井に対する、ねぎらいの意味が込められている。











「肘井、良かったな。今まで腐らないでやってきた甲斐があったと思うよ」











「ありがとう、金串。あん時、俺が投げやりになってた時、金串が励ましてくれたおかげだよ」










「いや、え、へへ」











「なんだい気持ちわりぃ。まぁさ、俺も3回戦以降出られるか分からんけど、出たら力になれるよう頑張るから。頑張ろうな。


おい!みんなも頑張ろうな!!!」











「ウッス!!!」








「よーし、ランニングしてあがるか!」











「ウッス!!!」









いちにっいちにっいちにっ!!!!!






いちにっいちにっいちにっ!!!!!






いちにっいちにっいちにっ!!!!!







頼もしい戦力が加わって、安室高校ナインはよりいっそうやる気が出た。

さあ、準備は万端。3回戦の東京渡辺高校を打ち負かす準備は、もう出来ている。

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