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3球目。..........ボール。高めのボール球。
ふぅ、とマウンド上で一呼吸つく肘井。それを見てもう一度素振りをする矢澤。
呼吸を整え、いざ4球目を投げ込んだ。
..........ボール!なんと、フォークボールだ。
落差のあるフォークボール。まさかこれほどの決め球を残していたとは、肘井という男、恐るべし。
「出たな。伝家の宝刀。」
白組の1人が喋り出す。
「肘井は、全国大会でもフォークを決め球に使う場面が多かったな、肘井のワンマンチームだったから決勝へは進めなかったけどね......」
へえ、と感心している金串を目を丸くして見ていた仲間の1人が、堪らず喋り出す。
「へぇ、って、金串君、知らなかったの?」
「うん、覚えてないだけかも知れないけど」
「ありゃ」
そんな会話を交わしているうちに、はやくも肘井は5球目を放っていた。
..........カキン!ファールボール!
当てた。内角に入ってくるスライダーを、肘を巧みに畳んでカットしたのだ。この矢澤という男もまた、相当な実力者なのだろう。
6球目..........ファールボール!バックネット
7球目..........ボール!!外角に外れる。
8球目..........ボール!ワンバウンド。
この後も何球か粘った後、ついに状況は動いた。
15球目..........ボール!フォア!!
各所からざわめきが起こった。肘井が初めてランナーを出したからである。しかし決して肘井のプレイに非があったわけではなく、あくまで
矢澤のカット技術と選球眼による賜物であろう。
そして遂に打順は7番、金串の出番が回って来た。
「よっしゃ、いくぜ!」
右バッターボックスに立つ金串という男に、今日1番の注目が集まった事はもはや言うまでも無い。
しかし肘井は何ら臆する事なく淡々と初球を投げ込んだ。
1球目...........ボール!!外角スライダー。ピクリとも反応しない。まるで投球が所定の位置になされる後が予測されていたかのように。
「す、すげえな、普通、あれに手を出しちゃうんだよな」
「その辺、流石は金串だわ」
2、3年生も注目する中、粛々と2球目が投げ込まれた。ストレートだ。今までに増して物凄いスピードだったが、金串は淡々とシャープに振り抜いた。
カキーーーーーン!!!!!!!!!!




