あ…たは……お風呂に入って来て
『あ…たは………』
目が覚めた。なんだか懐かしい夢を見ていた様な気がした。
「そういえば、久し振りにこんなふかふかなベッドで寝れたな。」
エアリスは今まで雑魚寝でしか寝た事がなかった事を思い出す。あの頃の友達は今頃生きているのだろうか。生きていたらどこで、何をしているのだろうか。と、考えているとドアノブが半周ほど回り、ドアが開く。
「もう朝だ…あら、もう起きてたのね。おはよう。」
イリアがにこりと微笑む。昨日は気がつかなかったが、イリアはとても可愛い。凛とした顔立ちだが少し幼さがある。更に微笑んだりすると特に幼さが際立つ。つまり今のイリアはフルパワー可愛いなのだろう。そんな事を考えていると察しもしないイリアが、
「今日はまず、ギルドに行って、エリアスに合う武器と防具を見つけて、あとは…身だしなみを整えるために服とか買わないとね。」
イリアが少しウキウキしているように見える。そんなに楽しみなのだろうか。あ、そうか昨日言っていたパーティというのが作れることが嬉しいのか。とエリアスが自分の中で結論づける。
「えっとー、取り敢えず、まずお風呂入ってきて。」
あ、とエリアスが腕や体のにおいをくんくんと嗅ぎ、ここ最近、体を洗ってない事を思い出す。イリアの好意とはいえ、女子のベッドを汚してしまった事に罪悪感を覚える。エリアスは逮捕された犯人のようにして、風呂へと向かった。