目を開けると....お粥
サブタイトルがイマイチピンときません
目を開けるとそこは雲の上.....ではなくベットの上だった。なんだか思わせぶりなことを考えていた自分が恥ずかしくなる。そんな風に考えていると部屋のドアがガチャリと開く。そして、ドアを開けた彼女は僕の方を見て、
「目が覚めたのね、よかった。」
と、一言。とても安心しているようだった。
「あ、あのここはどこですか。貴方は誰ですか。それから...」
「質問が多い。まあいいわ、一つずつ説明するとしましょう。まず私の名前はイリア。イリア・アルフレットよ。そしてここは私の家。貴方が路地裏で倒れてるのを見つけて連れてきたの。取って食ったりなんてしないわ。安心して。」
イリアはそう言うと部屋から出て行った。完全に気配がなくなったことを確認した僕はベットの上から部屋を確認するように見渡す。とても質素な部屋だ。クローゼット、化粧台、窓、そしてこのベッドがあり、どれもとても綺麗だ。恐らくここは、イリアの部屋なのだろう。と、推測していると再びイリアが部屋に入って来た。さっきと違って鍋と皿を両手に持っている。
「まずはご飯!お話はそれから。」
それを聞いて空腹を思い出す。目の前に置かれた鍋の蓋を開けると真っ白なお粥が鍋いっぱいに入っている。
「よく噛んでゆっくり食べるのよ。」
イリアが皿にお粥を盛って渡す。スプーンでお粥を掬って恐る恐る口に運ぶ。一口、二口、とスプーンが止まらなくなる。柔らか過ぎず硬過ぎない。それでいて一度噛むと口全体に米の甘みが広がり、程よい塩加減が甘みを更に引き立たせる。こんなに美味しい物を今までに食べたことがあるだろうか。というか美味しい物を食べたことなんてあっただろか。今はそんなこと関係ないと言わんばかりに止まっていたスプーンを再び動かす。鍋の中のお粥をぺろっと食べきると、それを見計らったかのようにイリアが口を開く。
「質問させてもらうね。まず君の名前は?」